2009-01-26

こりゃPTSDになったかもなあ

少し前に曾祖母が亡くなった。享年102歳。俺を含む親類縁者に見守られ、自宅の寝室で眠るように逝った。今時珍しい大往生だったと言えるだろう。通夜、葬儀と滞りなく終わったが、問題はその後だった。火葬場での出来事だ。

祖母のお骨を骨壺に収める際、何を思ったが従姉(お袋の姉の娘)が娘(小学一年生・俺からみれば「従姪」)をその場に立ち会わせたのだ。

俺と両親は「やめておいた方がいい」と事前に何度も告げたのだが、従姉夫婦はいっこうに聞き入れず、これから何が始まるのかもよく分かっていないであろう我が娘に「大丈夫だよね?」と尋ね、娘もそれに頷くばかりで結局押し切られてしまった。

何せ直前まで高温に晒されていた物体である。お骨のみならずそれを乗せている台もかろうじて触れられる程度に熱を持っており、それほど広くない締め切った部屋には独特の熱気が充満している。そして部屋の中央には紛れもない本物の人骨。いくらなんでも小学一年生の女の子にはキツいシチュエーションだろうに。

案の定、従姪はお骨を壺に収める事なく体調を崩し退室した。顔は真っ青で今にも吐きそうな気配。従姉(従姪の母親)と伯母夫婦(従姪の祖父母・お袋の姉夫婦)はオロオロするばかり。「だから言わんこっちゃない」とお袋は伯母を睨みつつ、従姪の背中をさすりながら俺に「すぐに駐車場に行って、クルマに置いてるあんたの任天堂DS持ってきて」と指示。

「こういう時は違う事をさせて気を紛らわせるのが良い」というのがお袋の経験らしい。最初は拒んでいた従姪だったが、火葬場を引き上げる時はゲームに熱中していたようだった。「後で返させるから、しばらく貸しといてやっといてよ」というお袋の要請を俺も受諾した。

それから2ヶ月ほどが経過した。伯母から電話があった。「あれから孫(従姪)がトラウマになったみたいで…」こぼしていたのを、お袋がたっぷりと説教したらしい。漫画やアニメのデフォルメされた骸骨や幽霊の類にも極度におびえるようになったそうだ。テレビで唐突に葬式のシーンが流れるだけで嘔吐する時もあるそうだ。貸したDSはまだ戻ってきていない。

追記

なんだかトラバもブクマ米も「この程度で何言ってるんだ」的な物ばかりで驚いた。みんな、お骨を拾って何ヶ月も悪夢にさいなまれたり発作的に嘔吐したりしながら成長していったのか・・・。19歳になるまで身近な人間の不幸に遭遇しなかった俺にはちょっと想像しづらい経験だ。

追記(2)

続柄の使い方が間違ってるっぽいんで修正したよ。

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