互いの母国語を教え合う、ソーシャルスタイルの外国語学習アプリ「HelloTalk(ハロートーク)」が、100万ダウンロードを突破しユーザー数を伸ばしています。
学びたい言語のネイティブスピーカーと手軽に交流できることに加え、LINEトークのような空間で、翻訳機能をはじめ文字・音声の変換、文法訂正機能など便利なサポートツールを活用しながら、直感的に言語を学べるのが人気の理由のようです。
HelloTalkって、どんなアプリ?
HelloTalkは、いわゆるランゲージ・エクスチェンジ(Language Exchange:言語交換)による外国語学習を実現するアプリ。100を超える言語の学習をサポートしています。
言語交換とは、異なる言語のネイティブスピーカー同士がそれぞれの言語を教え合うことを指します。たとえば、日本人の自分がフランス語を習いたい場合、フランス語が母国語で日本語を習いたいと考えている人とパートナーになり、フランス語または日本語で会話しながら、互いに相手が学ぶのを助け合います。
言語交換は、先生と生徒という関係ではないので料金も必要なく、都合よい時間におこなえる上、交流を通じて友達も作りやすいといったメリットが多くあります。とはいえ実際、海外にいる言語交換の相手を探したり、オンラインで効果的に学習を進められるかといえば、そう容易ではないでしょう。
そこで、HelloTalkの出番。冒頭にも触れたように、この分野ですでに100万超のユーザーを抱えるプラットフォームであり、自分の学びたい言語を入力すれば、ずらりとその言語を母国語とするユーザーが並びます(日本語を学びたいユーザーも大勢います)。
友達申請してマッチングした相手とは、LINEのようにチャットをはじめられます。メッセージの翻訳機能はもちろん、受信した(外国語の)メッセージを音声読み上げできたり、文法的に間違っている部分を互いに添削できたりと、言語交換に必要な機能が非常に充実しているのが特長です。
言語習得をすべてHelloTalkで完結できるわけではありませんが、教室などでの学習と並行しながら、ネイティブスピーカーとリアルな会話によるトレーニングが積めるのはとても有用。自分の好きなペースで参加できますし、多くの人と会話していくうち、気の合う相手も見つかるはずです。
まずは登録、学びたい言語を選ぼう
さっそく、HelloTalkに登録してみましょう。
FacebookやTwitterのアカウントで簡単にサインインできますが、ソーシャルログインに抵抗のある場合でも、メールによる登録が手早くおこなえます。
メールアドレスと任意のパスワードを入力し、ユーザーIDおよび生年月日・性別を設定して[続ける]をタップします。なお、登録する年齢・性別・IDは後で「一度だけ」変更できます。
これといった規則はなく、写真なども自由に設定すればOK。HelloTalkでは、ユーザーはFacebookと同じくらいの割合で自分の顔写真を使っている感じです。
続いて、国籍と母国語を選択します。母国語なので当然、言語レベルを示すゲージは自動で「堪能」に設定されます。
次に、学びたい言語を選びます。HelloTalkは100以上の言語に対応しており、とにかく選択肢が豊富。現在の言語レベルを初心者・基礎・中級・上級・堪能から設定しますが、これらは他のユーザーにも表示されます。
最後に[OK]をタップし、登録が完了です。
プライバシーに配慮されたプロフィール設定
登録が済んだら、下部メニューの[設定]から[個人情報]へと進んで、他ユーザーに表示される名前(ニックネーム)や自己紹介文などを設定しましょう。
[編集]→[個人情報を編集する]とタップすると、名前や自己紹介文を編集できます。
名前は、母国語か学んでいる言語で自由に入力します。自己紹介も様々なパターンがあり、母国語や学びたい言語で書いている人もいれば、音声で吹き込んでいる人もいます。
いずれにせよ、何も書かれていないと相手も声をかけにくいので、HelloTalkを始めた目的や近況などを記入しておくとよいでしょう。
安心して使うためのプライバシー保護機能
こうしたアプリは「出会い系」的なイメージが付きがちですが、HelloTalkでは健全な運営のためプライバシー機能を重視しており、出会い系の要素を排することに努めています。
たとえば、実際に不快なユーザーと出会ってしまった場合でも、LINEのようにブロックしたり通報することができます。またプライバシー設定からは、自分の位置情報や年齢、オンライン状況の非表示などが簡単におこなえるようになっています。
他ユーザーが自分を検索できる条件も設定でき、同じ性別や年齢層のユーザーにだけ自分が表示されるようにしたり、ID検索の拒否も可能です。このほか、プロフィール写真を拡大表示できない仕様にするなど、細かい配慮もなされています。
一緒に学習するパートナーの探し方
一緒に学習するパートナーは、下部メニューの[言語友達検索]から探せます。
たとえば、筆者は母国語を日本語、学びたい言語を英語に設定しているため、英語を母国語とし、日本語を学びたいユーザーが自動で相手候補として一覧表示されます。
また[順位:既定値]という部分をタップすると、現在オンライン中か、自己紹介が入力済みか、より近い位置にいるかといった項目でソートすることが可能です。
このほか、年齢や学びたい言語、言語レベル、母国語、国籍、居住地などによるカスタム検索や、ユーザーIDや名前などでの検索もサポートしており、一覧に多くのユーザーが並んだ場合でも、細かく絞り込んで相手を探すこともできます。
試してみるとわかりますが、日本語を学びたいと考えているユーザーは多く、相手候補はいつでも見つかりそうな印象。実際、HelloTalkが公開しているユーザーの学習言語の内訳をみても、59%が英語、9%が韓国語、8%が日本語、5%がスペイン語、4%が中国語、残りの15%がフランス語・イタリア語・ロシア語・アラビア語・ドイツ語となっています。
友達申請をする
検索してトークしてみたい相手が見つかったら、友達申請してみましょう。
※以下に登場する「Samantha」という名前のアカウントは、編集部で本記事向け作成した架空アカウントです
「言語友達検索」の結果から相手の詳細を開くと、下部に[友達追加]ボタンが表示されています。これをタップすると、相手に友達申請が送られます。相手がOKしてくれれば、友達となって、トーク一覧に相手が表示され、言語学習がスタートできます。
一方的に追加できるLINEの友達というよりは、Facebookの友達の関係性に近いといえます。なお、友達になっていなくても[送信する]ボタンから直接メッセージを送ることもできるので、トークを始めてから友達になるというケースもあります。
また、自分が友達申請やメッセージを受信した場合も、受諾または拒否するか選択できます。使ってみた実感としては、頻繁にアプリを開いていれば、友達申請やメッセージがそれなり(日に数通)に届きます。自分から話しかけるのに躊躇しがちな人にとっては、ありがたい環境かもしれません。
トークでは多彩な学習サポート機能が活用できる
HelloTalkのトークは、LINEのトークとよく似ています。テキストメッセージに加えて、音声メッセージ、写真、スタンプ、絵文字、位置情報などが送れます。既読機能や無料通話もできます。
基本は自由にやりとりすればよいのですが、互いに相手の学習を手助けしようという姿勢で臨めるとベター。それをサポートしてくれるのが「言語交換」という機能です。
どちらかの言語だけでやりとりする時間を決めるタイマーのようなもので、たとえば5分間は自分が相手に日本語を教え、その後5分間は英語で会話する(相手が手伝ってくれる)というように、円滑に学習を進めることができます。
トークには、メッセージの翻訳機能のほか、テキストメッセージを音声で読み上げたり、逆に音声をテキストに転写する機能、相手の文章に誤りがある際に訂正してあげる機能など、サポート機能が満載です。代表的なものを紹介します。
翻訳
メッセージをタップすると表示されるメニューから[A⇔文]ボタンを押すと、その文章が翻訳されます。相手の母国語(自分が学習中の言語)で送られてきたメッセージの意味がわからない時は、これを使えばOKです。
翻訳機能はメッセージ送信時にも利用でき、メッセージを入力して横にある[A⇔文]ボタンをタップすると、母国語で入力した自分のメッセージを相手の言語に翻訳してくれます。
テキストを音声で読み上げ
メッセージをタップして表示されるメニューから「音声」マークを選択すると、そのメッセージが音声で読み上げられます。ヒアリングの練習に使えそうです。
音声メッセージをテキスト転写
相手から音声メッセージを長押しして表示されるメニューから、「音声→T」ボタンをタップすると、その内容をテキスト転写できます。相手の話している音声が聞き取れない、あるいはより正確に理解したいといった時に便利です。
文章訂正
相手のメッセージが文法的に間違っている場合、[ABC]ボタンをタップして訂正してあげることもできます。わかりやすいUIで、訂正も簡単におこなえます。
まとめ
言語学習アプリや友達づくりアプリは多数存在しますが、両者を満たすものは他にそう見当たらないのが現状。高い完成度ながら基本無料で使えるHelloTalkは、外国語を学びたい、外国人の友達を作りたいと思いながらも腰が重かったり、続かないという人にもオススメできるサービスといえそうです。