寒い大気の中にも、日差しの中に春が感じられる季節になりました。私の住む安曇野に飛来したコハクチョウたちも、北帰行に向け編隊を組んで練習中です。白い北アルプスを背に飛ぶ彼らの姿を見ると、こちらも身の引き締まる思いです。さあ、私たちも彼らに負けないようにインターバル速歩をしましょう。
この連載を開始した昨年6月ごろから、もし、インターバル速歩を始めた方がおられれば、体力的に10歳ぐらい若返ったことを実感されているはずです。もちろん、この記事に触発されて、今から始めても遅すぎることはありません。
通常、体力向上のためのトレーニングは、ジムでジョギングマシンや自転車型トレーニングマシンを用いて行います。個人の最大体力を測り、その70%、すなわち個人が「ややきつい」と感じる強さで、それぞれのマシンを使って運動するのが効果的だからです。一方、ジムに通う時間もないしお金もない、という方のために考え出されたのがインターバル速歩です。
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信州大学教授
のせ・ひろし 1952年生まれ。京都府立医科大学医学部卒業。京都府立医科大学助手、米国イエール大学医学部博士研究員、京都府立医科大学助教授などを経て現在、信州大学学術院医学系教授(疾患予防医科学系専攻・スポーツ医科学講座)。画期的な効果で、これまでのウオーキングの常識を変えたと言われる「インターバル速歩」を提唱。信州大学、松本市、市民が協力する中高年の健康づくり事業「熟年体育大学」などにおいて、約10年間で約6000人以上に運動指導してきた。趣味は登山。長野県の常念岳診療所長などを歴任し、81年には中国・天山山脈の未踏峰・ボゴダ・オーラ峰に医師として同行、自らも登頂した。著書に「いくつになっても自分で歩ける!『筋トレ』ウォーキング」(青春出版社)、「山に登る前に読む本」(講談社)など。