第三セクター株)都市未来ふくおか/特別清算 実質負債218億円超也
福岡市の第三セクター(株)都市未来ふくおか(福岡市中央区渡辺通2丁目9-31、代表清算人:小田哲也)は10月29日、福岡地裁に特別清算を申請した。申請代理人は坂口繁和弁護士(電話092-751-7781)。負債額は約82億円が見込まれている。
負債額は82億円とされているが、資本金が138億5,000万円である通り、実質負債は218億円を超すものとなっている。
当第三セクターの都市未来ふくおかは、バブル時代の1988年(昭和63年)10月に、当時開発好き好きの桑原市長の音頭により設立された。福岡市と市財界の官民による都市再生事業を行うことを目的とした。
典型的な開発事例は、シャッター通りになっていた下川端商店街の再開発でその意義はあったが、総事業費1,352億円という途方もない事業費により博多リバレインは開発された。しかし、こうしてコスト意識に欠落した同社と福岡市は随意契約で発注するなどその杜撰さが問われていた。
しかも、バブルが崩壊しているにもかかわらずテナント代があまりにも高く、福岡玉屋の誘致に失敗(その家賃の高さに玉屋の田中丸さんもびっくりした)。案の定、1999年3月オープンした博多リバレインは3年後の2002年12月破綻(商業施設分=SBC経営部分)した。
同社は博多リバレインの破綻とともに処理されるものと思われていたが、中央区天神に隣接する渡辺通り再開発(区画整理事業)にも、以前から不動産買収に携わっていたため破綻を免れた。
その不動産買収もバブル時代以前の渡辺通り再開発構想に基づいて購入していたため、その後、再開発地域は現在地のように縮小され、再開発地外の購入物件を処分する必要に迫られた。この間、不動産ミニバブルで地価が大幅に上昇したにも関わらず、官庁仕事で切り盛りしていたため高値で売り抜けることにも失敗。超安値になって再開発地外の所有不動産を売却処分、当然処分して大赤字を露呈、本年区画整理事業地内の土地も処分しても35億円の決算大赤字を露呈、2010年3月期には約80億円の債務超過に陥った。
渡辺通り再開発事業は、都市再生機構に委ねられており、もはや同社のコンサルやコーディネーターとしての出番はなく、今まで生きてきたのが不思議な第三セクターであった。
同社の当初の社長は九電から輩出されていたが、平成11年を過ぎるころから雲行きが怪しくなり、その後は福岡市から社長(福岡市役所OB)が出されてきた。博多リバレイン開発でも、渡辺通り再開発でも、不動産買収などに伴って、黒い噂が数限りなく流されていた。
福岡市の同社に対する出資は2億5,000万円に留まるが、同社をリードしてきたのは福岡市であり、金だけ財界に出させていた勘定となっている。
株主出資額135億円 出資比率 | ||
九州電力 | 1,250 | 9.03% |
大成建設 | 1,250 | 9.03% |
九電工 | 1,150 | 8.30% |
大林組 | 1,150 | 8.30% |
福岡市 | 250 | 1.81% |
その他31 社 | 8,800 | 63.53% |
合 計 | 13,850 | 100.00% |
平成22年3月決算貸借対照表 | |||
科 目 | 金 額/百万円 | 科 目 | 金 額/百万円 |
流動資産 | 303 | 流動負債 | 8,993 |
現金及び預金 | 268 | 短期借入金 | 2,591 |
有価証券 | 23 | 未 払 金 | 6,280 |
そ の 他 | 12 | そ の 他 | 121 |
固定負債 | 31 | ||
負債合計 | 9,024 | ||
固定資産 | 740 | 株主資本 | -7,979 |
有形固定資産 | 626 | 資 本 金 | 13,850 |
無形固定資産 | 0 | 利益剰余金 | -21,829 |
投資その他の資産 | 113 | 利益準備金 | 19 |
その他利益剰余金 | -21,848 | ||
純資産合計 | -7,979 | ||
資産合計 | 1,044 | 負債及び純資産合計 | 1,044 |
※短期借入金・・・先行取得用地の購入代金の借入金 2,591百万円 | |||
※未 払 金・・・㈱エスビーシーの債務保証 6,280百円 |
第三セクターの破綻の場合、それを主導した福岡市は、その担当者なりを過去に遡り告発する必要もあろうが、何の総括さえもされず、時間によりかき消してしまう。まことに都合の良い地方公共団体である。
福岡市の出資は2億5,000万円が紙切れになった。今後特別清算過程で負担金を要求されるケースもある。 詳しくは、福岡市へお訊ねください。 代表電話:092-711-4111
追、都市未来ふくおかの大株主であった大成建設は博多リバレインの元請ゼネコン。都市未来ふくおかの事務所の裏に土地を所有、当渡辺通・春吉の再開発の工事を狙ってのこと。当開発地の中にラブホテルがあったが、そこは熊谷組が買収していた。当然当再開発の工事を狙ってのもの、しかし、熊谷組は会社が不動産管理会社に分離され・・・・、その後は知りません。
都市再生機構がどこに工事を発注するか、皆さん見ものですね。
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