こんにちは、ペンギンです。

 

突然ですが、

さん

ってスゴいですよね。

 

 

2024年には放送55周年を迎え、名実ともに圧倒的な国民的アニメ

ストーリーも、展開も、出尽くしに出尽くしている。

アニメの制作陣がネタ切れに悩む時期なんて、とっくの昔に過ぎているはず。

それでも尚、毎週毎週作品を提供し、変わらぬ日常をやり続けてくれている。

鉄人。

 

こんなに心血注いで作品を出し続けてくれているのに、ただ観ている側の僕は正直「惰性」になっています。

「驚きの展開」も期待していなければ、「ストーリーを予想する」こともしない。

何の頭も使わず、今週もまた終わりゆく日曜日を噛み締めるためだけに観ている。

 

僕は、『サザエさん』に真剣に向き合っていないのではないか?

 

今回は、そんな鉄人アニメへの敬意を込めて、『サザエさん』をいつもより真剣に観る工夫をしてみようと思います。

それは、

 

 

無音です。

音を消して、いつも通り『サザエさん』を観ます。

そして、ストーリーを当てます。

 

どうでしょうか?

音を消した状態でストーリーを当てる。

 

いつもより真剣に『サザエさん』を観る気がしませんか?

 

僕は今まで惰性で観てしまっていたので、あくまで印象論ですが、『サザエさん』であれば、そして真剣に観れば音を消してもストーリーを当てられる気がするんです。

 

この遊びは『サザエさん』でなければ出来ない、と言っても過言ではありません。

短い時間の中でもしっかり起承転結があって、何年も観てきたからこそが働きやすい。

 

サザエはだいたいカツオに怒ってるし、フネはまず不正解をしない。

波平は意外と抜けているところがあるし、ノリスケは図々しい。

僕がわざわざ列挙しなくても、皆さんもよくご存知ですよね。

 

ストーリーにしても、たまにSNSで話題になるぶっ飛んだ回もあるものの、オチで全てが裏返るどんでん返しとか、びっくりとか、衝撃とか、そういうのってあまりない気がしませんか?

マスオは、いつもカツオくんに一本取られている。

モブの夫婦が出てきたら、だいたいカカア天下。

お出かけしても、「結局我が家が一番ね」タマがにゃーんって鳴いて終わる。

 

予想がついてしまう。

ついてしまうんだけど、でも観てしまう。

まさに「日常系」の圧倒的な覇者。

当たり前という海を、今日も誰よりも優雅に泳いでいる。それが『サザエさん』。

 

キャラ設定も、ストーリーの型も、ある程度わかる。

だったら、台詞が聞こえないくらいでもストーリーの見当はつくのではないか?

 

ということで、

新競技「無音さん

を始めていきましょう。

 

「無音サザエさん」ルール

音を消して『サザエさん』を視聴し、ストーリーを当てる。

ルールはたったこれだけです。

 

視覚情報は仕入れてOKなので、映像はもちろん、タイトルも読めます。

字幕はもちろんOFFにしてください。

なお、「脚本家が誰か」という情報を仕入れることもルール上は可能ですが、僕があまり詳しくないのと、なんとなく興が削がれてしまうので、今回は考慮しません。

 

あともちろん、録画視聴・リピート視聴もOKにします。

まず録画しないと答え合わせが出来ないし、無音1周だけでストーリーを把握し切れるか不安なので。

あとのことは1回やりながら考えましょう!

 

では、

 

 

2024年10月20日(日) 出題編


トイレみたいな壁紙

 

そろそろだ。

こんなに緊張して『サザエさん』を待つ人なんて、我々「無音サザエさん」競技者くらいのものでしょう。

 


トイレみたいな壁紙

 

「サザエでございまァ~す!」

 

もちろん、音は消してます。

それなのに「サザエでございまァ~す!」という大声が、テレビの消音機能を貫通して、耳、いや脳に直接入ってきました。

慣れというのは恐ろしいものです。

 

音がない。ただそれだけで、変わらぬ日常に緊張が張りつめていきます。

オープニング映像は競技外なのに、でも真剣に観てしまう。

 

音を消すと、映像から得られる情報にかなり敏感になります。

オープニング前半では普通に愛媛県を観光していただけのサザエさんが、

 

後半では神輿の上に乗って祭りを盛り上げています。

さっきまで観光してたのに、完全に地元の顔役になっているじゃないか。

 

そして、いよいよ本編です。

 

皆さんもよくご存知だと思いますが、『サザエさん』は1週あたり3本の短編で構成されます。

今日のラインナップはこちら。

 

 

では、観ていきますか!

 

 

※※※ここからは、アニメ『サザエさん』に関する重大なネタバレを含みます※※※

 

 


トイレみたいな壁紙

 


トイレみたいな壁紙

 


木目、濃くない?

 

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観ました。

音のないテレビにかじりつくこと30分。

 

なるほど。

なるほどな~~!!

面白い!!!

 

無音サザエさん、思っていたよりも全然深いです。

順を追って説明させてください。

 

まず検証結果として、たしかに『サザエさん』をものすごく真剣に観ることができました。

こんなに集中して、アンテナを張り巡らせながら『サザエさん』を視聴したのは初めてです。

『TENET』くらい集中しました。

 

また、3本を無音で観た結果、推測できたことがあります。

どうやら無音サザエさんにおいては、「そのストーリーがどの型に属するか」を考えながら観るのが良さそうです。

今日は奇跡的に3本とも型が異なっていたように思いましたので、僕が考えた3類型をご紹介したいと思います。

(『サザエさん』全般としての類型はよくわからないので、あくまで「無音サザエさん」における類型と思ってください)

 

① 掛け合い型

1話目は一旦飛ばして、2話目「気がつくワカメ」の回、冒頭はこんな感じでした。

 

波平が、ワカメと公園を歩きながら何か喋っています。

 

ワカメが、何か切り返します。

 

波平、ハッと驚いた顔。

 

次のシーン。

 

磯野家の茶の間で、カツオと波平が何やら押し問答。

そこにワカメがやってきて、何かを言います。

 

波平、何かを思い出したような顔。

 

・・・

 

全然わからん!

 

これは、台詞がわからないとストーリーが掴めないタイプです。

 

公園から家へ、子ども部屋から茶の間へ、などちょっとした場面転換はありますが、基本は掛け合いのみで構成されるストーリー。

タイトル「気がつくワカメ」という大きなヒントもあるので、「何かしらワカメがいろいろ気を回してるんだろうな」「カツオはそれを”余計なことを言うな”と怒ってるんだろうな」という程度の推測はできますが、肝心の「何を」が全くわからない。

まるで舞台演劇を無音で観ているかのようです。

 

それでもざっくりのストーリーはわかってしまうのが、『サザエさん』のすごいところです。

 

「日が暮れかけても公園でサッカーをしているカツオを、ワカメが怒りながら迎えに行くシーン」とか、「カツオが野球道具を背負って帰ってきたところを、波平に呼び止められて怒られるシーン」とかがあるので、そういう話なのでしょう。

これくらいは、音がなくてもわかってしまう。

『サザエさん』は、絵だけで基本的なテーマを伝える力が非常に高い。

 

ただ、どうしてもここ止まり

これ以上はストーリーを推測できないので、当てようがないし、勘だけで当てても面白くない。

掛け合い型のストーリーは、無音サザエさんには向いていなさそうです。

 

② イベント型

つづく3話目「美術館に行こう」の冒頭は、

 

フグ田夫婦だけで美術館に行く、という4コマのアバンタイトルから始まり、直後にタイトル「美術館に行こう」

 

食卓を囲んで、何やら話す磯野家。

まあ多分、「美術館に行ってみたい」という流れになるのでしょう。

「美術館に行こう」ですから。

 

「美術館って、どういうところなの?」

 

でしょう。

「美術館に行こう」ですから。

 

ほら。もう絶対美術館行く

 

無音で観て初めて自覚したのですが、『サザエさん』ってこういうフキダシ内の絵や文字で何かを説明するシーンが結構多いんですよね。

「無音サザエさん」を意識した仕掛けなのかもしれません。

 

「行ってみたいな~、美術館!」

「ボクも行きたいです~」

 

みたいな掛け合いの後、

 

やはり美術館に来ました。

 

ここからは怒涛の勢いで、

絵の向きが逆でした

・芸術作品かと思ったら関係ない落書きでした

・この絵は犬よ!いやイノシシよ!と口々に言った末にキャプションを見たら「牛」でした

・出口かと思ったらトリックアートでサザエが鼻っ柱をぶつけました

などの『美術館回あるある』が、1つあたり数秒くらいで次から次へと処理されていきます。

無音なのに、全あるあるザックリ伝わるのがすごい。

(無音なので推測ですが)

 

このように、極めて象徴的で印象の強い、非日常的な舞台装置(今回は美術館)を軸として物語が進むタイプのストーリーを、仮に「イベント型」としましょう。

舞台装置とは、「美術館」や「東京タワー」といった普段登場しない特殊な場所以外にも、たとえば「アナゴさんの奥さん」のように準レギュラー未満のゲストの場合もあれば、「全自動卵割り機」のようにモノ・道具の場合もあるでしょう。

 

いずれにせよ、「変わらぬ日常を営む磯野家に侵入した異物に対して磯野家がどう反応するか」がストーリーの主軸なので、無音で観てもだいたい展開のアテがつきます。

「美術館に行こう」の場合はその後、

 

サザエは粘土をこね、カツオは書道、ワカメとマスオは、波平は釣りに行って鯛の魚拓を取り・・・など、みんな思い思いの芸術をおっ始めます。

しかし、カツオが書道で書いた字は「松茸御飯」、ワカメもマスオも食べ物の絵を描いている。

サザエは粘土で花器(フキダシで出てきた)を作ったというが、形はどう見てもいびつなラーメンどんぶり

家族からの不評に反発するサザエだったが、改めて自分の作った花器を見て・・・

 

結局みんなで中華料理屋に行って、ラーメンを食べました。

というオチでした。

 

おそらく最後の台詞は、「結局わが家は、”芸術の秋”より“食欲の秋”ね」でしょう。

途中で、サザエが知人の富豪宅に行って高価な絵画や壺がたくさん飾ってあるのを見て、帰宅後に自分の家にある貧相な花瓶を眺めて悩む・・・というくだりもあり、フリがしっかり効いているのでオチが非常にわかりやすくなっている。

 

「美術館」というインパクトのある非日常が舞台装置となることによって、美術館に行った後の展開もわかりやすくなります。

ストーリー全体として、舞台装置を中心に視覚的な動作も多いですし、磯野家の基本イメージ(庶民的、食べるのが好き、など)がベースになっているので展開がスッと入ってくる。

 

台詞の掛け合いも勿論ありますが、必然的に舞台装置に関連する話題に集中するので、掛け合い型よりは台詞もだいぶ想像しやすい。

 

つまり、言ってしまえばイベント型は「無音サザエさん」としては初級編です。

これで「ストーリーを当てるぞ!」って息巻いてもなあ。

イベント型のストーリーもこれはこれで、無音サザエさんには向いていない気がします。

 

③騒動型

そして最初に戻って、1話目「ハヤカワさんの物干竿」

これが実にすごかった。

 

先に結論から言うと、「ハヤカワさんの物干竿」は、掛け合い型・イベント型のどちらにも属さない第3の型、「騒動型」と僕は位置付けています。

騒動といっても何か大きな事件が起こるというほどのものではなく、

・「掛け合い型」よりも目に見える動きがちゃんとあって、

・「イベント型」ほど非日常的な舞台装置はないものの、

何かしらの軸(=騒動)に沿って物語が転がっていくストーリー

を、騒動型という風にくくってみました。

たとえば「カツオの30点の答案用紙がサザエに見つかる」とか、「雪が降っている」なども含まれるイメージ。

 

「ハヤカワさんの物干竿」に関しては、まさにその「物干竿」をカツオが持って帰ってくる、というのが騒動の発端なのですが、これがどうにもストーリーがわかりそうでわからない絶妙なラインなんです。

つまり、騒動型こそが「無音サザエさん」にもっともふさわしい難易度だと思われます。

このストーリーをちゃんと当ててこそ、「無音サザエさん」です。

 

まずは無音版のストーリーをご覧いただきたいので、皆さんも僕と一緒にストーリーを考えてみてください。

予想されるストーリーをできる限り余すことなくお伝えしたいので、多分長くなります。

(どこに重要なヒントが眠っているか、僕もまだわからないので)

また言わずもがなですが、台詞はすべて推測です。

 

リアタイで観たという方、多分いろいろツッコミどころがあると思いますが、僕のひとり相撲を温かく見守ってください。

 

アバンタイトル

サザエが庭で洗濯物を干していると、

 

物干竿を高いところにひっかけて吊るための棒(Yのやつ)がないようで、探しています。

 

ワカメは「知らない」と。

 

「カツオ!またアンタね!Yのやつをどこに隠したか言いなさい!」

と、最初からカツオが犯人と言わんばかりの剣幕。

カツオは全く心当たりがないという表情。

 

「カツオったら、もう!」

と、相変わらずカツオを疑っているサザエですが、

 

なんと、Yのやつは物干竿として使われていました。

つまりカツオのいたずらではなく、サザエのおっちょこちょいということです。

 

ここまではスッキリわかるんです。

ここでタイトル「ハヤカワさんの物干竿」

 

シーン1:物干竿を持って帰ってきたカツオ

サザエとフネが茶の間にいると、タラちゃんがやってきます。

開幕早々、タラちゃんはなぜか不満げな表情でサザエに何かを訴えかけます。

冒頭からそんなに怒ることって、あるか?

 

サザエが外に出てみると、カツオと中島がサザエの背丈よりも長い竿竹を2本持って歩いてきました。

 

それぞれ嬉しそうにサザエに何かを語る、カツオと中島。

おそらくタイトルからして、「ハヤカワさんからもらったんだ~!」ということなのでしょう。

 

1本を磯野家の塀に立てかけ、もう1本をまた2人で持ち上げてどこかへ運んでいきます。

 

1本は磯野家用、もう1本は中島家用に譲り受けたということでしょうか。

 

タラちゃんは、立てかけられた竿を見て嬉しそうに何か喋っています。

先ほどまでの不満はどこにいったのでしょうか?

 

シーン2:庭に物干竿を設置したカツオ

もらった物干竿を早速、磯野家の竿置き場に設置した模様のカツオ。

 

諸手を挙げて竿の設置を喜ぶカツオと、「よくわからないわ」といった表情でカツオに何か訊くワカメ。

するとカツオは、ちょっと困り顔でワカメに何か言い訳している様子。

 

そこへサザエがなぜか怒りながら入場

返す刀でサザエを指差しながら怒り返すカツオ。若干ひるむサザエ。

するとタラちゃんもなぜかカツオに抗議。また不満がぶり返したのでしょうか?

 

それぞれ誰が何に怒っているのかよくわからないまま、夜を迎えます。

 

シーン3:家族に物干竿をアピールするカツオ

夜。

カツオとワカメは、帰宅したばかりでスーツ姿のマスオを庭に連れ出し、物干竿を見せびらかします。

「へェ~!スゴいねェ、カツオくゥ~ん!」

元々磯野家にあった物干竿を差し替えただけだとしたら何もスゴくないのに、一応ノッてくれるマスオ。

 

同じく帰宅して、武士みたいな部屋着に着替えている最中の波平にも、おそらく物干竿のことを喋っているカツオ。

それを聞いた波平は、カツオにはなぜか素っ気ない態度。

一方で何かを思いついたように笑顔でフネに話しかけ、フネも微笑み返します。

その2人の反応を見てなぜかしょんぼりするカツオ

 

流れ的には、カツオの行為はどうやら「磯野家では歓迎されない」振る舞いのようです。

 

シーン4:登校中もしくは下校中

カツオと中島が一緒に、ランドセルを背負って登校または下校をしています。

(画面右から左に歩いている様子から、なぜか僕の本能は「登校」だと言っています)

 

カツオは、サザエとフネが笑顔であの物干竿を使って洗濯物を干している姿を思い浮かべながら、嬉しそうに何か語っています。

「お母さんも姉さんも、今頃あの竿を使ってくれているだろうなァ~!」

 

そこへ花沢さんも合流。

カツオと2ラリーくらい喋って、やはりカツオは満面の笑み。

自分が持ってきた物干竿を家族に使ってもらえることが嬉しいみたいです。

 

シーン5:カツオ帰宅、庭にて

何か嬉しそうに独り言を言いながら帰宅するカツオ。

ということは、シーン4は下校中だったのだろうか?

まあさすがに、登校か下校かは今回の場合ストーリー解釈に大きく影響しないでしょう。

 

そして、家に入る前にまっすぐ庭へ向かい・・・

驚きの表情!

 

「ええっ!?」

ああ、きっとあの物干竿が片付けられてしまったのでしょう。

なぜかわかりませんが、磯野家はみんなあの竿を歓迎してなさそうでしたもんね。

 

竿が・・・

せっかくみんなのために持ってきた物干竿が・・・

 

ある。

いや、あんのかい!

何?どういうストーリーだったらここで「えぇっ!?物干竿が、ある!??」になるんだ?

カツオは一体、何に驚いたのでしょうか?

 

そこへ、サザエとタラちゃんがやってきます。

サザエが笑顔で何かを伝え、カツオは困りながら返答します。

 

そしてタラちゃんが、

「わーいですー!」

と言いながら物干竿に駆け寄ります。

まるで物干竿の所有権が今この瞬間彼に移ったかのような振る舞い。

カツオは必死で、

「ダメダメ!」

と言いながらタラちゃんを通せんぼします。

 

シーン6:下校中、もしくは登校中

今度は画面左から右、先ほどと逆方向に歩いているカツオ・中島・花沢の3人組。

やたらと喋る花沢さん。無音だと、喋ってるパートが異様に長く感じる。

 

カツオに何かを教えてあげて、カツオは驚く、もしくは何かに気づいたという様子。

 

というか、ハヤカワさんは?

 

タイトルに名前の出ているゲストが、ストーリーの折り返し地点を過ぎてもまだ登場しないとは。

『ゴドーを待ちながら』みたいに最後までハヤカワさんが出てこなかったら、それはそれでものすごく神回ですね。

 

シーン7:カツオ帰宅、庭にて(その2)

先ほどの驚いた表情のまま、小走りで庭にダイレクト入場するカツオ。

やはり例の物干竿はそのままちゃんと残っていますが、カツオはなぜか物干竿を見ながら不安げに何か喋っています。

何喋ってるのか、気になる~!

 

茶の間で悠然と構えるサザエと、ランドセルを背負ったまま彼女に対峙するカツオ。

サザエはなぜか勝者の風格で余裕の表情。

カツオは、

「僕はまだ諦めないぞ!」

という感じで握りこぶしを振り上げてまで決意表明しています。

 

物干竿そのものはまだ無事なので、花沢さんが何かしら物干竿の命運に関する台詞を放ったとしか考えられません。

 

子ども部屋にて、カラーボックスから自分の洋服を取り出しまくるカツオ。

どれもキレイに畳んである服なので、洗濯物ではありません。

 

自分の服と思われるシャツ数枚と半ズボン2-3枚を、例の物干竿を使って庭に干しています。

腰に両手を当てて、

「ふぅ~、これで一安心だ」

という態度のカツオ。

とにかく物干竿が使われているという状態にしたいらしい。

 

廊下の電話台の前で押し問答をするカツオとワカメ。

カツオが受話器を持ちつつ、ワカメに受話器を突き出しています。

 

もしかしてハヤカワさんに電話するのか!?

電話のみの出演?

ワイドショーの有識者?

 

しかし、ワカメに受話器を突き出す理由がさっぱりわからない。

カツオは「ワカメが電話すべき」と主張したいのか?なんで?

それに、物干竿の元持ち主に対して、いま電話で何か言うべきことなんてあるか?

 

 

そこへ小走りでやってきたサザエが、無表情でカツオに何かを伝えます。

 

雨が降っているではないか!

カツオは急いで服をしまいます。

縁側で見ているサザエとフネは呆れ顔ですが、せっかく人からもらった物干竿をちゃんと使いたいというカツオの気持ちは、なんかわかる気がします。

 

シーン8:波平の部屋

波平の部屋で、カツオは正座して怒られています。

波平、やたらと口数が多い。

今回のカツオは、いたずらをしたわけでも、隠し事をしているわけでもありません。

今回の件でそんなに怒るフレーズあるか?と違和感を感じるレベルの尺で怒っている。

 

そして、

 

シュポッ
(フキダシと一緒によく出る効果音)

 

急にノコギリが出てきました。

怖。

長説教の後に、いきなり物騒なシュポッ

「物干竿、ノコギリでちょん切っちゃうよ?」

って言ってますよね?

 

怖い怖い。

カツオ、そんなに悪いことしたか?

カツオが友達からもらってきた物に対してこの仕打ち

 

シーン9:数日後・休日

数日後休日

というテロップが出てきました。

無音サザエさん界隈にとっては極めてありがたい情報提供ですが、『サザエさん』ってこういうテロップ出てきますっけ?

 

あの物干竿には、数日前と同じようにシャツやズボンがまばらに干してあるだけなので、おそらくカツオはまた自分の服を引っ張り出して干しているのでしょう。

カツオは「これで良し!」という感じで、また眉を吊り上げて勇ましい表情です。

 

ワカメは、心配そうな、あるいは咎めるような表情でカツオに何か言います。

それでもカツオは晴れやかな表情です。

 

ワカメ、終始巻き込まれつつもちゃんとお兄ちゃんのそばにずっといてくれて、良い子だなあ。

無音だと、登場人物の言外の機微にも敏感になります。

 

カツオが子ども部屋でマンガを読んでいると、ワカメとタラちゃんが入室。

焦っている様子でもなく、どこかとぼけた表情でカツオに何かを伝えます。

するとカツオは驚いて飛び起きて、庭に出てみると・・・

 

波平とマスオがノコギリで竿を切断していました。

 

カツオは必死に止めますが、波平は眉を吊り上げて止める気配なし。

こういうモードになった父親を止める術は、子どもにはありません。

 

サザエがカツオに何かを伝えます。

カツオは頭を抱えて

「あぁ~!もう何もかもおしまいだ~!!」

 

ついにハヤカワさん登場!!

クライマックスで主人公登場!激アツ!

(念のため補足すると、ハヤカワさんはカツオのクラスメイトの女の子です)

 

しかしカツオにしてみれば大ピンチ。

ハヤカワさんから譲り受けた物干竿が、今まさに実父の手でぶっ壊されようとしているんですから。

どうする、カツオ!?

「そ~ら!竹馬ができたぞ!」

人からいただいた竿を解体・改造して、なお得意げな顔の波平。

 

そしてハヤカワさんもなぜか嬉しそう

なんで?

一方のカツオは、満面の笑みではなく憑き物が落ちたかのような平和な笑顔。

 

シュポッ

 

どうやら、ハヤカワさんとサザエが電話したらしい。

 

??????

 

電話一本かければ竿をぶっ壊しても良いのか?

 

「お兄ちゃんが***だから****なのよ!(困咎)」

「めんぼくない(照謝)」

 

最後まで兄に何か言ってくれる妹。

 

「カツオくん、竹馬乗ってみるか~ィ?」

「ええっ、いいの~!?」

 

キャスト全員が見守る中、よろめきながら竹馬に乗るカツオ。

みんな笑顔で、一件落着の空気。

 

???????

 

シーン10:エピローグ

右から左に歩く(≒登校)カオリ・ハヤカワ・花沢の3人娘。

 

カツオが竹馬に乗って登場(登校)。

 

「いいだろう~」「いいわね~」的なやり取り。

 

 

「カツオ~!靴忘れてるわよ~!」

 

 

パッ

(オチた時に急にサイケデリックな背景色になるやつ)

 

おしまい。

 

 

 

いかがでしたでしょうか。

これが1話目「ハヤカワさんの物干竿」です。

 

順番としてはこの話が無音サザエさんの始まりだったので、僕は相当面喰らいました。

 

なんでみんな物干竿を嫌がるの?

ノコギリ?そこまで?

あの電話は何?

花沢さんの役回りは何?

物干竿があることに驚いた理由は?

ハヤカワさん全然出てこなくない?

タラちゃんのご不満は何?

竹馬オチでカツオは良いの?

 

全体的に訳が分からないのですが、場面転換も細かく起こっていますし、物干竿はもちろん、電話・ノコギリといった目に見えるキーアイテムもいくつかあるので、何が起こっているのかはザックリわかるような気もします。

少なくとも、掛け合い型のようにヒントがないわけではありません。

だから、ギリッギリ、ストーリーをちゃんと当てられそうな気がしています。

 

正直、今の時点では以下くらいの想像しかできていません。

・カツオがハヤカワさんから物干竿をもらってきた

・しかし磯野家にはもう使っている物干竿があるので、要らない

「じゃあ竹馬にしてしまえ」が、カツオ以外の磯野家の総意である

・カツオは必死に抵抗したが、自分の服を雨で濡らすなど粗相を重ね、段々家庭内での立場が不利に

・結局、敢えなく竹馬にされてしまった

う~ん。何かしっくりきません。

大きくズレてはないと思うんですが、正直ピンとはこない。

タラちゃんの不満も、電話も、花沢さんの役割も、最後のハヤカワさんの笑顔も、説明できていない。

 

何より、

竿が・・・

せっかくみんなのために持ってきた物干竿が・・・

 

ある。

いや、あんのかい!

 

ここですよ。

ここが全く説明できていない。

このシーンが違和感ありすぎる。

一体どういうストーリーだったら、帰宅して物干竿があるのを見てびっくりできるんだ??

 

 

この山こそが「無音サザエさん」の真骨頂ということでしょう。

わかりそうでわからない。

合っていそうで、何か大事なピースが抜け落ちている。

このストーリーを当ててこそ、無音サザエさんです。

 

答え合わせは簡単です。

録画しておいた『サザエさん』を、今度は音を出してリプレイするだけ。

 

しかし、

 

まだ終われない。

 

 

まだ遊べる。

 

もっと修行してから、後日もう一度「ハヤカワさんの物干竿」に挑戦させてください。

 

===

当初の予定ではここで答え合わせをして終わるつもりだったのですが、完全にエンジンがかかってしまいました。

すみません。今回は長編になります。

「ハヤカワさんの物干竿」のストーリーを当てるために、期間にして1か月半、記事量にして2万字弱かけて修行・再挑戦しています。

今から2万字弱です。今までのだけでも長いのに。

年末年始のお供にしていただける方、ぜひお願いします。

 

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