キャンプ道具、コンパクトより楽さ 山城さくらさんが語るキャンプの始め方〈特別編〉
SDGsに根ざした心地よい豊かな暮らしのヒントがみつかる体験型イベント「GOOD LIFE フェア 2024」(朝日新聞社主催)が、10月25~27日に開催されました。著名人や専門家が登壇するステージもあり、最終日には山城さくらさんが登壇しました。「初キャンプ、何から始める? 気軽に手軽に楽しむヒント」をテーマに、おすすめのキャンプ道具などを語った当日の様子をご紹介します。進行は&編集部の山下奈緒子が務めました。
昼寝も充実感に変わる、キャンプの魅力
山下:キャンプにはまったきっかけはなんですか?
山城:10年くらい前に誘われて行ったのが、富士山のふもとにある田貫湖(たぬきこ)キャンプ場で、今では考えられないのですが、ほぼ貸し切り状態だったんです。朝起きてテントから出たら、目の前に大きな富士山があって、なんて贅沢(ぜいたく)な遊びがあるんだろうと思い、すぐにハマりました。
家で漫画を読んだり、昼寝したり、お酒を飲んじゃったりすると、だらだらしていると感じます。でも、同じことをキャンプ場ですると、なぜか充実感に変わるんです。昼寝したってお酒飲んだって、全部楽しい思い出に変わることが、キャンプの一番の魅力です。
キャンプ道具はコンパクトより、楽な物
山下:そんな魅力的なキャンプに毎週行かれている山城さんに、おすすめのキャンプ道具についてもうかがっていきます。キャンプ道具はどれくらい持っているんですか。
山城:どんどん道具が増えてしまって、1年くらい前にキャンプ道具を置くためだけのレンタル倉庫を借りました。テントは夫婦合わせて十張り以上はあります。焚き火台だけでも10種類くらいです。グループで行く時や、少人数で行く時など、シチュエーションに合わせて使い分けています。
山下:キャンプは道具がないと始められないですが、じゃあ何から買えばいいのか迷うところです。山城さんがたくさん道具をそろえる中で気づいたことはありますか。
山城:人によっても違うかもしれないですが、私の場合は最初、コンパクトな物をそろえていました。とにかく小さくなる物を、と買っていたのですが、使わなくなりましたね。コンパクトになるのはいいのですが、組み立てるのが面倒になります。今となっては、椅子は広げるだけ、机は脚の部分を立てるだけで済むような楽な物を使っています。車で移動するので荷物があっても大丈夫というのもあります。
山下:確かにコンパクトさを重視して組み立てが必要な椅子を買ったのですが、使ってない物があります。私もまずコンパクトな物を探していたので、お聞きできてよかったです。具体的に何がいいかということで、おすすめのキャンプ道具も聞いていきます。
おすすめのキャンプ道具4選
背もたれが首まである椅子
山下:まずは背もたれが首まである椅子です。どんなところがおすすめですか。
山城:キャンプ用のアウトドアチェアは、多くは背もたれ部分が背中の半分ぐらいまであるものです。それだと、ちょっとうとうとしたときに寄りかかれないんです。首まであるものは、体が包まれて気持ちがいいので、ぜひ買う時は背もたれ部分に注目してみてください。
JHQの鉄板マルチグリドル
山下:次は調理道具です。JHQの鉄板マルチグリドルというのはどんな物なんですか。
山城:今日ここへ持ってきているのですが、鉄板なんですがめちゃくちゃ軽くて、焦げ付きにくい。深さが浅く見えると思うのですが、実はこれ、焼くだけじゃなくて煮たり揚げたりもできて万能なんです。これが一つあれば、どんな料理でもできちゃうので、荷物をかなり減らせるのでオススメです。一番小さい物はソロキャンプの時におすすめです。結構小さいですが、揚げ焼きくらいなら大丈夫です。大きい物は、お鍋にもおすすめです。
山下:写真で見ると平たい鉄板に見えていたのですが、お鍋もできるんですね。重たそうに見えていたんですが、小指でも持てるくらい軽くてびっくりしました。
山城:マルチグリドルで検索すると、他のメーカーさんの物もあるので、ぜひいろいろ見て欲しいです。
WAQのインフレーターマットと、NANGAの寝袋
山下:三つ目は寝具ですね。WAQ(ワック)のインフレーターマットと、NANGAの寝袋ということですが、どんな物なんですか。
山城:寝具は本当に大事なのでぜひ聞いていただきたいところです。インフレーターマットは、ウレタンが入っていて、空気で膨らむふかふかの敷布団です。エアーマットの方が安いのですが、一度失敗したことがあって、寝てる最中に穴が開いて、地べたに寝袋だけで寝ているような状態になってつらい夜を過ごしました。ですのでインフレーターマットはおすすめです。NANGAは国産のダウンメーカーが作っている寝袋なので、キャンプ場に羽毛布団を持って行っている感じです。
この二つを使い始めて、昨年の冬には朝までぐっすり10時間くらい寝られました。キャンプを始める時は、テントや調理道具などに意識がいってしまいがちですが、眠れないとキャンプは疲れるというイメージになるので、ぜひ使っていただきたいです。
ビアレッティ・モカエキスプレス
山下:最後はビアレッティのモカエキスプレスです。
山城:イタリアのメーカーのもので、エスプレッソを作る道具です。めちゃくちゃおいしいエスプレッソができるんです。そこに温めた牛乳を入れるとカフェラテができて、素敵な朝になります。これを買ってから早起きできるようになりました。キャンプに行くと、コーヒーを飲むのも特別な時間になります。
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道具もそろえて、かつ、服装もそろえる。なかなかの準備満載。計画万端。そこへ、ピアレッティのエスプレッソも加わるとは申し部ありませんね。ミラノで見たピアレッティはたしか緑と赤のイタリアントーンだったものもあったような気がします。極上至極。天衣無縫のひとり旅に拍手拍手拍手!