え、どうやって撮ったの...?
いまにも3Dプリントで出力されそうな、こちらのグラフィックス。実際出力したらシリコン素材のブニブニしたおもちゃができそうだなあ...。こんな感じでみんながみんな、CGなの?って疑問を抱きそうなこちら、実は「花火」の写真なんです。
こちらの写真を撮ったのは花火写真家の金武武(かねたけ たけし、旧姓:福田)さん。自ら「福田式撮影術」と名付けた撮影テクニックで花火をCGみたいに撮っちゃうんですよ。
ソニーが展開している月刊コンテンツ「大人のソニー」では、金武さんの「福田式」テクニックが詳しく紹介されています。ギズモードではこのCGのごとく花火を撮影する方法を紹介しますよ。
何事もまずは準備から
テクニックの前に、いや、なんなら花火大会に向かう以前にまずは事前の準備が肝心です。撮影に必要な道具をそろえること、さらには撮影マナーに関しても守る必要があります。純粋に花火を楽しんでいる人たちとうまく共存しながら撮影を楽しむことが大事。
さて、撮影のための準備として必要な道具は以下の通りです。
・三脚...花火を的確に捉えるために、手ブレ対策としての基本。
・ライト...花火といえば当然夜。手元を照らすためのペンライトなど。
・NDフィルター...暗い中に光る花火は光量が多いため、白とび防止として用意。
・プログラム...どんな花火が、いつ上がるのかを確認するため。
ほかにも、楽な体勢で撮影するために折りたたみの椅子やレジャーシートも用意しておくと便利。あ、時計もマストですね。なにせ時間がわかっていないと、ジャストのタイミングがわからないですから。花火の一瞬を捉えるためには時間を把握しておくのはとても重要。
また、周囲への気配りとして三脚を低く立てることもポイントです。高く立てることで周りの人たちの鑑賞の邪魔になってしまっては元も子もないですよね。場合によっては椅子を立てることも禁止しているところもあるので、事前に注意事項などをチェックしておくことは大前提ということです。
撮影のために必要な道具、そして花火大会での撮影マナーを心に留めたところで、いよいよ「福田式」のテクニックへ。
いよいよ実践! 「福田式」テクニック
さて、ここからがメイン。上の写真は金武さんがソニーの「α7S」を使用して撮影したものです。こんな風に撮れる「福田式」のテクニックは以下の通り。
1. 撮影モードをバルブ撮影に設定しておく。ISO感度は100に設定
2. カメラを三脚に固定し、花火があがってくるほうへ構える
3. 花火が上がったら、花火が開いたタイミングでピントをぼかしてシャッターを押す
4. 花火がある程度開いたら、今度はピントをあわせてシャッターから指を離す
たったこれだけ。テキストに起こすととてもシンプルな感じがしますが、これけっこう難しそうです。まず、最初の「バルブ撮影」は長時間露光撮影でも使用される撮影モードで、シャッターボタンを押している間はシャッターが開き、離すと閉じるというもの。
次に、花火が開く間に「1度ピントをぼかしてその後すぐにあわせる」。これは、先ほどのバルブ撮影、つまりシャッターボタンを押して離す工程と同時にやらなくちゃいけないので、この動作になれる必要があります。
カメラの設定でもうひとつポイントがあります。それはF値の設定です。花火は色によって光の強さが違うので色ごとにF値を変える必要があります。青ならF値が5.6〜8程度、赤なら5.6〜11程度、緑なら11〜13程度、黄色なら11〜13程度に設定しておくとよいそうですよ。
しっかり花火を捉えたい!という要望にも
たしかに、「福田式」で撮られたCGのような花火の写真はアーティスティックで素晴らしいです。一方で、花火をしっかりと捉えた「これぞ夏の風物詩!」という写真も撮りたいものです。こんな贅沢な要望にも答えて、金武さんは打ち上げ花火をしっかりと美しく撮る方法も紹介しています。
今回、金武さんが花火の撮影に使用した、ソニーの「α7S」の内蔵機能を使った応用や、花火をしっかりと捉える撮影テクニックは「大人のソニー」で紹介されています。
また、東京・銀座ソニービルソニーショールームやソニーストア名古屋、ソニーストア大阪、ソニーストア福岡天神では、「α7S」をはじめとするソニーのデジタルカメラにふれることができます。もちろん、今回紹介したバルブ撮影モードも試すことができますよ。
いよいよ夏本番! 今年の花火大会ではみんながあっと驚くような、ちょっと変わった姿の「花火」を撮ってみるのもいいかもしれませんね。
source: 大人のソニー
(横山浩暉)