ほしぞら情報 2016年8月

ペルセウス座流星群が極大

ペルセウス座流星群について

ペルセウス座流星群の流星の写真
大きい画像をダウンロード:中解像度(1200 x 801) 高解像度(6016 x 4016)
著作権:国立天文台
観測地:ハワイ島マウナケア中腹
撮影日時:2013年8月12日 午前1時4分(ハワイ時間)

ペルセウス座流星群は毎年8月12日、13日頃を中心に活動する流星群です。

ペルセウス座流星群は、とても観察しやすい流星群です。

毎年、ほぼ確実に、たくさんの流星が出現することがその理由のひとつです。1月の「しぶんぎ座流星群」、12月の「ふたご座流星群」とともに「三大流星群」と呼ばれています。活動が極大(注)の頃に夜空の暗い場所で観察すれば、最も多いときで例年40個以上の流星を見ることができます。

また、流星群の活動期間が多くの方の夏休みやお盆休みに重なっているため、夜更かしをしやすかったり、星のよく見える場所に行きやすかったりすることも理由に挙げられます。
さらに、「しぶんぎ座流星群」と「ふたご座流星群」の活動は冬の寒い時期に当たりますが、ペルセウス座流星群の活動は夏の盛りに当たりますので、観察時の寒さについてあまり心配する必要がありません。

注:流星群の活動における「極大」とは、観察場所や月の条件などは考慮せず、流星群自体の活動が最も活発になること、またはその時期をいう。

今年のペルセウス座流星群

今年(2016年)のペルセウス座流星群はたいへんよい条件で観察ができます。

条件がよい理由のひとつは、8月11日が上弦のため、夜半頃に月が沈むことです。その後は、月明かりの影響がない暗い空で観察ができ、暗い流星まで見ることができます。
もうひとつの理由は、極大が日本時間の8月12日22時頃と予想されており、日本で流星を観察しやすい時間帯に近いことです。
また、今年は普段の年よりも流星群の活動が活発で、例年より多くの流星が見られるかもしれないという予想もあります。

さらに知りたい方へ

流星群とはどのような現象かについては流星群とはを、ペルセウス座流星群の概要についてはペルセウス座流星群をご覧ください。

ペルセウス座流星群を観察するために

今年のペルセウス座流星群を観察するのに役立つ情報をまとめました。

観察に適した時期

観察に適した日時

8月12日の夜半から13日未明にかけて最も多くの流星が見られそうです。
また、その前後、11日の夜半から12日未明にかけてと、13日の夜半から14日にかけても多くの流星が出現すると考えられます。

2016年のペルセウス座流星群の極大は、日本時間の8月12日22時頃と予想されています。その時刻にはまだ月明かりの影響がありますので、夜半頃に月が沈んだ後が観察に適した時間帯です。未明まで流星の活発な出現が続くと考えられます。

また、極大からは時間的に少し離れてしまいますが、11日の夜半から12日未明にかけてと、13日の夜半から14日にかけても、極大の夜ほどではありませんが、多くの流星が出現すると考えられます。

ただ、いつ晴れるかはわかりませんし、今年は特に、予想外のタイミングで流星が活発に出現する可能性があります。上記の予想にあまりとらわれず、なるべく長い時間、そして長い期間観察を続けてみてください。長く観察すれば、それだけ流星を見るチャンスが増えることになります。

流星が多く見られる期間

8月7日頃から15日頃までは、普段より多くの流星を見ることができると考えられます。

8月7日頃から15日頃までは、ペルセウス座流星群の活動が比較的活発な状態が続いているため、普段より多くの流星を見ることができると考えられます。ただし、出現する流星の数は、極大から日が離れるほど少なくなります。

また、ペルセウス座流星群の全活動期間はさらに長く、7月17日頃から8月24日頃まで続くと考えられています。

観察に適した時間帯

なるべく、夜半から未明までの間に観察するのがよいでしょう。

(流星群自体の活動が一定であれば)流星群の放射点の高度が高いほど多くの流星が出現します。ペルセウス座流星群では、時間帯ごとの流星の出現状況は、おおよそ次のようになります。

21時前
放射点がまだ地平線近くの低い位置にあるため、流星はあまり出現しません。
21時過ぎから夜半まで
放射点の高度が徐々に上がり、流星が出現し始めます
夜半から未明まで
放射点の高度は高くなり続け、未明に最も高くなります。放射点の高度が高くなるにつれて出現する流星の数も多くなっていき、空が明るくなり始める前に最も多くの流星が出現します。

ただし今年は、次の項目で説明する、月明かりの影響も考慮する必要があります。

月明かりの影響

なるべく、月が沈んでから観察することをおすすめします。
月明かりがあるときに観察する場合には、月が視野に入らないようにしましょう。

今年は11日が上弦(半月)、18日が満月です。観察に最も適している11日から13日の夜には、日の入り後空が暗くなる頃にはもう月は空にあり、夜半頃になって沈みます。

上弦を過ぎた月は明るく、月が出ている間は、暗い流星は月明かりにまぎれて見ることができません。月が夜半頃に沈んで月明かりがなくなると、暗い流星まで見ることができるようになります。なるべくなら、月が沈んだ後に流星を観察することをおすすめします。

月明かりがあるときに観察をする場合には、月がなるべく視野に入らない方向を向いて観察をするのがよいでしょう。月明かりに負けない明るい流星が現れることを期待しましょう。

月の入り時刻は、国立天文台暦計算室の「こよみの計算(CGI版)」で調べることができます。
参照:国立天文台 暦計算室

観察に適した方向

空の広い範囲が見渡せれば、どちらを向いて観察しても構いません。

流星群の流星はある一点を中心に四方八方に出現します。中心となる点を「放射点」といい、ペルセウス座流星群の場合は、ペルセウス座のγ(ガンマ)星の近くにあります。これは、放射点のあるペルセウス座付近だけに流星が出現するということではありません。流星は夜空のどこにでも現れます。例えば、放射点とは反対の方向を見ていても、平均すれば、放射点の方向を見たときと同じ数の流星を見ることができます。

ですから、放射点の方向にはあまりこだわらず、空の広い範囲に注意を向けるようにしましょう。空をより広く見渡しているほうが、より多くの流星を捉えられる可能性が高くなります。

放射点との位置関係によって、流星の軌跡の長さは違ってきます。放射点近くに出現する流星は、こちらに向かって飛んでいるために短い軌跡の流星が多く、一方、放射点から離れた方向では、流星の軌跡を横から見ることになるために、長い軌跡の流星が多くなります。

観察に適した場所

空をなるべく広く見渡すことができ、街灯などが少ない場所で観察しましょう。

林の中のように空があまり見渡せない場所や、ベランダのように空の一部しか見えない場所では、空全体に現れる流星をとらえきれません。なるべく視界を遮るものが少なく、空を広く見渡せる場所を探してください。

また、できるだけ、街灯など人工の明かりが少ない場所を選びましょう。流星の光は、街灯の明かりなどに比べるととても弱いものです。人工の明かりが多いと、その明るさに妨げられて暗い流星が見づらくなり、それだけ、見ることのできる流星の数が少なくなってしまいます。

大きな都市やその周辺地域では、都市全体の明るさに妨げられ、暗い流星を見ることができません。大きな都市からはなるべく遠く離れた場所で観察できるとなおよいでしょう。

ペルセウス座流星群の流星かどうかの見分け方

流星の軌跡を反対の方向にたどり、ペルセウス座流星群の放射点を通るかどうかで判断します。

下の図は、8月中旬午前0時頃の、ペルセウス座流星群の放射点付近の星空を示しています。この図を参考に、実際の空で放射点の位置を探してみましょう。カシオペヤ座などなじみのある星座や、ぎょしゃ座の1等星カペラなどの明るい星を目安にするとよいでしょう。都市部では、これほど暗い星は見えないかもしれませんが、放射点を探す目安となるよう暗い星まで描いてあります。(実際の星空には放射点を示す印はありません)

ペルセウス座流星群の放射点 2016年8月14日0時頃 東京の星空
大きい画像をダウンロード:中解像度(1200 x 759) 高解像度(5500 x 3480)

星は日周運動によって動いています。0時より何時間も前や0時を過ぎて何時間も経つと、星の見える位置がこの図とは違いますのでご注意ください。(日本国内では観察する地点による差はあまりありませんので、0時であれば東京以外でもこの図を利用できます)星座早見盤を利用すれば、別の時刻の星空を知ることができます。

詳しい見分け方は、キャンペーンページの「流星の見分け方」をご覧ください。

見える流星の数

夜空が十分に暗い場所で観察すれば、最も多いときには、1時間当たり45個以上の流星を見ることができると考えられます。

(肉眼で5.5等の星まで見えるような)夜空が十分に暗い場所で観察した場合を想定しています。

街明かりの中で観察したり、極大ではない時期に観察したりした場合には、観察される流星の数が何分の1かに減ってしまうことがあります。反対に、目のよい方や、流星観測の熟練者が観察した場合には、2倍以上の数の流星を観察できることがあります。

観察の際の注意

  • 望遠鏡や双眼鏡などの特別な道具は必要ありません。肉眼で観察しましょう。望遠鏡や双眼鏡を使うと視野がたいへん狭くなってしまうため、流星の観察には適しません。
  • 立ったままで長い時間観察をすると首が疲れます。レジャーシートなどを用意して、寝転がったまま観察できるよう準備をしておくとよいでしょう。
  • 屋外に出てから暗さに目が慣れるまで、最低でも15分間は観察を続けるようにしましょう。
  • 夜遅く屋外で行動することになりますので、事故などに十分注意してください。
  • 人家の近くで大声を出したり、立入禁止の場所に入ったりしないよう、マナーを守ってください。

流星の動画

2009年8月13日に撮影された、ペルセウス座流星群の流星の動画をご覧いただけます。

画面中央あたりで右上から左下に向かって移動する点が流星です。

ペルセウス座流星群の流星の動画
ペルセウス座流星群の流星の動画
観測地:長野県北佐久郡立科町
撮影:国立天文台天文情報センター
流星出現日時:2009年8月13日0時25分
(Windows Media Player形式・2.7MB)
クリックすると動画が再生されます。

キャンペーン

「夏の夜、流れ星を数えよう 2016」キャンペーンサイト

国立天文台では、ペルセウス座流星群を多くの方に楽しんでいただくために、「夏の夜、流れ星を数えよう 2016」キャンペーンをおこないます。キャンペーンについての詳しい情報は、キャンペーンサイトをご覧ください。

参考情報

パオナビ(全国プラネタリウム&公開天文台情報)
全国のプラネタリウム・公開天文台などの施設検索や、イベント情報の予定を集めているウェブサイトです。流星群関係のイベント情報が掲載されることもあります。
日本流星研究会
主要な流星群についての詳しい情報が掲載されています。
(各流星群の過去の出現状況は「流星の部屋」>「主要流星群 出現状況」をご覧ください。)
International Meteor Organization(英文)
流星観測の情報や観測結果の集計がまとめられています。
2015年のペルセウス座流星群の集計
天文現象特集・キャンペーン一覧
これまでの、天文現象の特集ページや国立天文台が実施したキャンペーンの一覧です。
国立天文台メールニュース
国立天文台が発行する「国立天文台メールニュース」は、天文に関する様々なニュースをお届けしています。興味のある方はお申し込みください。

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