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成田空港に就航する航空機内で今年、現金などを盗まれる被害が急増している。千葉県警成田国際空港署が10月末現在で把握したのは39件で、前年同期比でほぼ倍増した。2019年同期の27件よりも多く、コロナ禍前と比べても増加傾向だ。国際線の長距離便で被害が多く、離陸後に消灯したタイミングなどが狙われている。中国人グループによる組織的な犯行が目立つという。(渡辺亮平)
今年の被害額の平均は10月末時点で約41万円に上り、19年同期の約10万円から急増した。一度に約207万円を盗まれたケースもあった。同署に寄せられる被害届や相談の多くは、成田空港に到着する便の旅客からだ。座席の上の荷物棚に収納された手荷物から、現金やクレジットカードが抜き取られるケースがほとんどだという。
同署は今年、機内で現金などを盗んだとして、中国人の男2人を窃盗容疑で逮捕している。国井勲穂・刑事生活安全課長は「機内での窃盗は、空港利用者の増加に伴って増えているとみられる。貴重品は肌身離さず持ってほしい」と話している。