「カーネーション」
第112回~第20週 「あなたを守りたい」
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昭和35年(1960)10月
昭和35年、
イブ・サンローランは言うたそうです。
「極度にシンプルにする事こそ、
明日へのシルエット」。
<居間>
糸子) ちょっと聡子。
聡子) うん?
糸子) シンプルて何や?
聡子) 「シンプル」?
糸子) うん。
聡子) さあ…。
糸子) シルエットは?
聡子) もう分かれへん。
糸子) 英語の辞書
置いとかなあかんなあ。
あんた靴下穴開いてんで。
聡子) え?
糸子) ちゃんと縫うときや。
聡子) は~い。
糸子) よいしょ。
**********
<台所>
糸子) ごちそうさん。
千代) ちょっとあんた。
糸子) うん?
千代) たまには聡子の事も褒めたりや。
糸子) はあ?
千代) いじらしいやんか~。あないして、
あんたの膝に足なんか載っけて。
糸子) 何が?
千代) あ~。「この足で、うちもテニス
頑張ってるんやで」て、あの子は、
あんたに言いたいんや。
糸子) はあ…。
千代) 気づいたらんかいな。
たった一人の母親やのに。
糸子) うん…。
**********
<居間>
(寝転び、漫画本を読んでいる聡子)
(仏壇の前に座り、丸めておいて
ある賞状を見る糸子)
そういえば聡子がテニスで、
秩父宮賞とかゆうんを、もろたそうです。
(賞状のホコリを払う糸子)
(鈴の音)
(仏壇に向かい手を合わせる糸子)
聡子) どないしたん?
何で、そんなんするん?
糸子) そら、大事な聡子が、頑張って
もうてきた大事な賞状やさかいなあ。
聡子は偉い子ぉです。
ありがたい事です。
なんまんだぶなんまんだぶ。
(立ち去る糸子)
(満面の笑みを浮かべる聡子)
**********
<組合事務所>
女性) これがええな。
糸子) ええわな。
女性) お宅みたいな、若い人はどうなん?
この頃の、パリのモードやら分かる?
女性) はい! すごい面白いと思います。
糸子) 「あんなん着たいなあ」て思うん?
女性) そうですね。
女性) せやけど、「こんなん似合わへん
のちゅうか」とかは、思えへんの?
女性) ほんな事、あんまし考えません。
とにかく着たいんです。
「自分らの、新しい時代の服やで」
ちゅうて、思えるんですわ。
一同) はあ~!
北村) 毎度~。
女性) あっ、北村さん来た!
女性) お待ちしてました! すんません。
北村) 忙しいのによう。
女性) ほんまやね、忙しいのに。
糸子) えっ、何で?
女性) 北村さんが今日の講師やで。
糸子) 何の?
女性) 既製服商売の。
糸子) 既製服?
女性) うん。
**********
北村) で、レディーメードゆうたら、
今まで安もんや思われてましたやろ。
せやけど最近このプレタポルテゆう
のが出てきた。高級既製服。
このごろ、
既製服が本格的に広がり始めて、
これまでオーダーメードでやって
きた人らも、そろそろそっちへの
商売替えを、本気で考え出してる
ようでした。
北村) 国内の工場で量産する。
ほんならどうなったか…。
何で北村の講義なんか真面目に
聞かなあかんねん。
北村) 半値以下まで
これ値ぇ下げれたんや!
女性) はあ~!
糸子) アホらし。
**********
<通り>
昔は、
あんなけ待ち望んじゃった、
時代の変化ちゅうもんが、
今のうちには何や怖い。
アメリカのもんやからて、
そないジャンジャカ売れる事も、
もうないし。下駄は完全に、
靴に取って代われてしもた。
(自分の店のショーウィンドウに
映る自分の顔を見つめる糸子)
うちは今、47。
お父ちゃんが呉服屋の看板を
下ろしたんは、50の時やった。
(オハラ洋装店の看板を見つめる糸子)
**********
<昼・店>
サエ) こんにちは~!
優子) はれ、サエおばちゃんや。
サエ) いや~ちょっと優子!
あんた立派なおなかなってえ~。
優子) せやねん。
おかげさんで今、7か月。
サエ) いや~ちょっと触らして。
優子) ええよええよ。
サエ) いや~いやいやいや…。
糸子) はれ~いらっしゃい!
昌子) まあ!
糸子) いや~久しぶりやなあ!
サエ) こんにちは~!
ますます元気そやんか。
糸子) うん、元気元気。
アハハハ、なあ!
サエは今、
心斎橋で高級クラブのママをやってて、
時々こないして、
若い従業員を連れてきてくれます。
(デザイン画を見せる優子)
優子) うん。こんな感じで、どうでしょう?
サエ) あんな、もうちょっとこう、
ライン入れてほしいのや。
優子) せやから、
最近の流行ちゅうのはもっと…。
サエ) いや、いらん!
うちは流行はどうでもええねや。
頼むさかい、このごろの流行の
アッパッパみたいなのにせんといて!
あんなん喜んでくれる客なんぞ一人
もおれへんよって。とにかく、ここで、
キュッとなって、足元までシャ~ッと
流れるやつや。ドレスはな、女を2割
増し3割増しに見せて何ぼやで。
流行っちゃったらええもんちゃう。
何や? 糸ちゃん。どないしたん?
糸子) あんた…ほんまほれぼれすら。
サエ) えっ、何が?
糸子) 何でそんな根性据わってんの?
教えてえや。
サエ) うちはな、
こう見えてそない欲張りちゃうねや。
昔から欲しいもんちゅうたら、
ただの一個だけなんや。
糸子) 何?
サエ) 男。
糸子) ああ~!
サエ) ウフフフ!
**********
<夕方>
うちは欲張り過ぎなんや。
サエみたいに欲しいもんを
ひと言でよう言わん。
自分がええと思う服を作りたいけど、
商売もうまい事いかせたい。
時流に流されてたまるか思てるけど、
時代に後れてまうんは嫌や。
糸子) はあ~しょうもな。アホらし。
ほんなもん、
根性据わらんで当たり前じゃ。
うちがほんまに欲しいもんて、何や?
**********
昭和35年(1960)12月
北村) 直子はほんで卒業したら何すんよ?
直子) 東京の百貨店に店出す。
北村) 百貨店?
直子) うん。あんな、ヤングコーナー
ちゅうとこに場所もろて、そこで、
店やれへんかて誘われたんや。
北村) ほう、プレタポルテけ?
直子) ううん。最初はオーダーメードや。
ほんでも、うちが有名になったら、
カルダンみたいにうちの名前のプレ
タポルテかて、やったろ思てんや。
北村) それそれそれやぞ、直子!
ほら結局よ、安いもんいくら数そろえた
かてよ、そんなもん大した事ないねん。
やっぱし高いもんがぎょうさん売れんと
でかい儲けになれへんからの。プレタ
ポルテちゅうのは高いもんぎょうさん作
ってぎょうさん売ったろちゅう事やろ。
直子) せやで。せやからデザイナーが、
有名やったら、ほんだけでも人は、
なんぼ高ても、欲しがりよるがな。
北村) そうや! タグ貼っつけただけで
おもろいように売れるんやさかい。
糸子) あんたまだほんな事言うてんか。
北村) はあ?
糸子) ほんなインチキ商売かまして、
捕まったんどこの誰じゃ?
まだ懲りてへんけ!?
北村) いや、ちゃうがな。
今回はインチキちゃうねん。
糸子) 恥を知れ、恥を!
直子) 捕まった? えっ、何?
おっちゃん捕まったん?
下には下があるもんで、
こいつはうちよりアホです。
**********
<2階>
(布団に寝、漫画本を読んでいる聡子)
直子) よいしょ!
聡子) あ~重た!
直子) ぐあ~うお~!
聡子) ちょっとしんどい。しんど~い。
直子) コチョコチョ…
コチョコチョコチョ…。
聡子) ハハハハハハ…。
やめてえや!
直子) コチョコチョ…。
聡子) もう~漫画読んでんねん。もう。
直子) よいしょ。あんた。
聡子) はあ?
直子) どないすんよ?
聡子) ん?
直子) 将来。
聡子) 短大行くで。
直子) ちゃうよ、もう~。
その短大を卒業したらや。
聡子) あ~…。
ほんなんまだ分かれへんわ。
直子) テニスの選手になったらええやん。
聡子) う~ん…。ほんでも、
お母ちゃんはあんまし喜ばへんやろ?
直子) お母ちゃん?
聡子) うん。うちが賞やら取っても、
ちょっとしか喜ばへんかった。
お姉ちゃんが装麗賞取った時のん
が喜んじゃった。
直子) 秩父宮賞?
聡子) うん。
直子) あれごっつい賞やのになあ。
聡子) う~ん…。
直子) ほんなもん、装麗賞より、
よっぽどごっついで。
聡子) う~ん…
でもやっぱしお母ちゃんは、自分の
仕事と関係なかったらあんましどう
でもええみたいや。
直子) ええやんか。
お母ちゃんなんかどうでも。
聡子) うん…。
直子) 自分のやりたい事しいや。
聡子) う~ん…。
**********
昭和36年(1961) 正月
<木之元家>
直子) ええっ! おっちゃん。
栄作) うん?
直子) この店、畳むん?
栄作) うん…。わしは、そもそも
商売ちゅうもんに向いてへん。
電気屋かて、たまたままぐれで
当たっただけで…。
直子) 店、畳んで、何するんよ?
栄作) いや、ほれがな、こないだ、
太鼓の大将から、「店譲りたい」
ちゅう話されてな。
直子) えっ、ほんま?
栄作) ほうよ! 「あんた以上に
この店大事にしてくれそうな人、
他に、いてへん」ちゅうて!
直子) ええやん! やりやり!
栄作) やるやる!
**********
<小原家>
人生ちゅうんは優しいもんで、
何が欲しいかもよう言わんような
人間の手にも、急にポコッと宝物
をくれる事があります。
糸子) 里恵ちゃん。ウフフ、ハハハ!
(優子の長女・里恵を抱く糸子)
聡子) 里恵ちゃん、かわいらしなあ。
糸子) 抱くか? 叔母ちゃん。
聡子) ええわ、おばあちゃん。
(笑い声)
糸子) 抱いてみいな、叔母ちゃん。
聡子) ええて、おばあちゃん。
糸子) いやいや、おばあちゃんちゃう。
叔母ちゃん。
聡子) おばあちゃん。
**********
上の2人が強烈すぎて、家の中での存在感
が薄すぎる聡子。テニスをどんなに頑張っ
ても、興味を持ってくれない糸子。千代に言
われてようやく賞状に気付いて聡子を褒め
る始末。それでもやっと気付いてもらったこ
とが嬉しそうな聡子がいじらしくて、可哀想
でちょっと見ているのがつらい。仕事人とし
てはすごいけど、親としてはなんだかね~。
どんな親でも子は慕うもの。かまってもらえ
ない子どもほど、親への愛着が激しいもの。
糸子はずっと糸子なんだよね。良くも悪くも。
聡子を、もちっと見てあげてよ~と切に願う。
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