調べ・見立て(見立て)
セットアップスーツの波が来た!?
ビジネスウエアは、いままさに変革期。
編集長の「見立て」。#81
2024.12.17
アエラスタイルマガジンWEBのアンケートで「セットアップスーツを持っていますか?」という質問を投げかけたところ、「持っている」58%、「持っていない」42%といった結果となった。両者の数字は拮抗しているが、働き方の変化や気候の温暖化に伴って、新しい仕事着を取り入れるビジネスパーソンが半数をやや上回っている。
こうした状況に応えるように、2025年春夏物の展示会を見て回ると、従来のカッチリとしたスーツではなくて、セットアップスーツを提案しているブランドが多い。いままさに、ビジネスウエアの変革期が到来していると言っても過言ではない。
セットアップスーツの購入予定を尋ねたアンケートの結果を見てみよう。「いま欲しいと思っている」と購入意向が強いビジネスパーソンは32%。「いますぐではないが、買おうと思っている」26%や「予定はないが、検討している」22%の回答は、既にセットアップスーツを着用していて2着目を検討している人と、そろそろ着用しようかなと考えている人の両者がいると思われる。それでも、20%のビジネスパーソンは「購入の予定がない」。これは、仕事のときはカッチリとしたスーツに限るというドレスコードが明確にあって、まだセットアップスーツが許されない業種や職種があることがわかる。
セットアップスーツを「ビジネスで毎日」着用する読者は43%。セットアップスーツの所有を尋ねた質問で「持っている」の回答が58%となったが、毎日ではなく、シチュエーションに応じてカッチリとしたスーツとセットアップスーツを使い分けている読者がいると推察される。「プレゼンや社外の打ち合わせなどのない日の仕事着として」20%、「テレワーク時の仕事着として」4%と、比較的カジュアルなシチュエーションのビジネスウエアとしてセットアップスーツを活用している。When(いつ) 、Where(どこで)、 Who(誰と)、 What(何の用件で)、Why(なぜ)お目にかかるのかでHow(どのように)着こなすかが変わるという「スーツの5W1H」を提唱しているアエラスタイルマガジンの考え方は、すでにビジネスパーソンに取り入れられているようだ。さらには、「ビジネス・カジュアルを問わず愛用」している4%のビジネスパーソンは、おしゃれの上級者であると言っていい。
「セットアップスーツで困るところは?」を問うと、56%の読者が「どんなインナーを合わせるか」と回答している。数年前から、襟の高いTシャツやカットソーがヒット。いくつかのブランドでは「ビズT」といった名前で売られている。セットアップスーツのインナーはポロシャツが鉄板だが、さらに楽ちんなインナーを選ぶのであれば、この「ビズT」が候補となる。冬であれば、襟の高いニットもいいだろう。「サイズ感」が困ると回答した14%のビジネスパーソンにアドバイスするならば、セットアップスーツにビズTの着こなしのときには、カッチリとしたスーツのときよりも、リラックス感のある少し大きめサイズを選んだほうがいい。
アイテムの選び方、サイズ感、着用するシチュエーション。「ビジネスウエアの現在地」は、日々、変化、進化している。従来の着こなしルールに拘泥することなく、柔軟な視点でビジネスウエアを着用してほしいと思う。