週末の過ごし方
日本カー・オブ・ザ・イヤー。
輸入車の栄冠に輝いた「MINI COOPER」と、
注目すべきプレミアムモデルの魅力。
2024.12.19

その年の最も優秀なクルマを選ぶ日本カー・オブ・ザ・イヤー。今回は、ホンダの「フリード」が受賞し、インポート・カー・オブ・ザ・イヤーには「MINI COOPER」が選ばれた。
自身の個性を表現するファッションアイテムを身に着けるなら、自動車にもその審美眼にかなうデザインと高い質感を求めたいもの。となると、注目したいのは、やはりスタイリッシュな内外観と上質さを備えるインポートカーやプレミアムモデルだろう。

第一次選考として10台が選出されて「10ベスト」が決定し、そのなかから選ばれる日本カー・オブ・ザ・イヤーだが、今回の「10ベスト」に4台のインポートカーが名を連ねた。「MINI COOPER」のほか、モデル名を紹介すると「ヒョンデ IONIQ(アイオニック)5 N」「BYD SEAL(シール)」「ボルボ EX30」だ。
「MINI COOPER」はガソリンとEVがあり、そのほかの3台はいずれもEV。インポートカーでは、これまで以上にEVが存在感を示した形だ。また、インポトカーのすべてが欧州ブランド(ドイツ車が2台、イタリア車が2台)だった前回に対して、今回、中国と韓国のブランドが選ばれていたというのは興味深い。

そもそも「日本カー・オブ・ザ・イヤー」とは?という話をすると、対象となるクルマは、前年の11月1日より当年の10月31日までに日本国内で発表された乗用車。自動車評論家、ジャーナリスト、有識者からなる選考委員の投票によって選定される。
「10ベスト」が選ばれたのち、11月26日に袖ケ浦フォレストレースウェイで行われた「10ベストカー取材会」を経て、12月5日に「最終選考会」が実施された。コンセプト、デザイン、性能などに加え、安全性や環境負荷、コストパフォーマンスなど総合的に評価される。

インポート・カー・オブ・ザ・イヤーは、最高点を得たイヤーカーが日本メーカー車だった場合に、輸入車で最も多くの点を得たクルマに与えられる。今回、その名誉に輝いたのが「MINI COOPER」だった。
「MINI COOPER」は、伝統を持つ名称からユーザーが期待するすべてを高次元で進化させたうえ、安全装備や運転支援システム、そしてリサイクル素材などの積極的な採用が評価されたわけが、注目したいのはやはり、そのデザインだ。アイコニックなMINIらしさを象徴するクラシカルなフォルムのヘッドライトをはじめ、新型でもMINIはアイドルとして愛車にしたくなる魅力にあふれている。

インテリアでは、リサイクル・ポリエステルを使用したダッシュボードのほか、直径240mmの高品質ガラスと有機ELテクノロジーが採用された大型の円形センターディスプレイがワクワク感と心地よさを演出。ラインアップは3つのボディタイプがあり、3ドア、5ドア、そして、コンバーチブルだ。
10ベスト選出は15年連続で日本カー・オブ・ザ・イヤーの常連と言えるBMWグループ。インポート・カー・オブ・ザ・イヤーに「BMW X1」が輝いた昨年に続き、2年連続での同賞受賞という名誉も手に入れた。

「ヒョンデ IONIQ 5 N」は、EVである「IONIQ 5」のハイパフォーマンスモデル。「BYD SEAL」は、DセグメントのEVセダンだ。

「ボルボ EX30」は、コンパクトなSUV。ボルボ史上最も小さな電気自動車のSUVで、都心へのショッピングにもためらわず出かけられるボディサイズがうれしい。サステナブルなインテリア素材など、このクルマを選ぶ価値は多い。また、ボルボのSUVラインアップにあって、ボディサイズとともにプライスが抑えられている点も注目のポイントだろう。

国産車では、ラージサイズSUVとして「マツダ CX-80」や「トヨタ ランドクルーザー 250」が存在感を示したが、特に注目したい国産プレミアムモデルは「レクサス LBX」だ。
4200mmを切る長さのボディに、レクサスの世界観を大いに感じさせるインテリアを持つ「LBX」。これまで小さな高級車を謳(うた)ってきた他の国産モデルよりもラグジュアリーに仕上がっているのは、やはりレクサスというブランドのなせる業だろう。走りを追求した高性能な「MORIZO RR」も魅力的だが、420万円というプライスを実現した新グレードの「Elegant」も登場。評価の高いトヨタのハイブリッドシステムを搭載するレクサスのエントリーモデルとして、こちらも注目に値する一台と言えそうだ。
Photograph:Hiroyuki Matsuzaki(INTO THE LIGHT), etc.
Text:Haruhiko Ito (office cars)