拙者はダーク小次郎。 此度、訳あって播州の流れ者・フィグマ武蔵と試合うこととなった。 実戦の役に立たぬ武蔵の二刀流など、相手としては甚だ不足であるが、小倉藩剣術指南役としての面目ゆえ致し方あるまい。 時は慶長17年4月13日。 細川家筆頭家老・五爾羅どの等とともに船島へ渡った拙者は、定刻通りに武蔵を待ち構えておったのだが…。 ※この物語は史実に基づいたフィクションです。 《スポンサーリンク》 1.辰ノ上刻 2.常套手段 3.勝負の行方 4.まさかの… 1.辰ノ上刻 舟宿 はまかぜ さて、そろそろ始めるか……。 昨晩、俺は使い古しの舟の櫂(かい)を調達しておいた。 舟宿の主人に頼んでた物や。 そのころ、船島では……。 船島(現在の巌流島) …………💢 …………💧 もう、辰ノ上刻(午前8時)……じゃの? さ、左様で……💦 2.常套手段 俺は、櫂を4尺1寸8分(約127㎝)の木刀に削り上げ