反落25ドル安 金利高止まりもテック株は上昇
#海外 #マーケット #株式
2025/1/7 5:53 (2025/1/7 7:06 更新)
【NQNニューヨーク=矢内純一】6日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前週末比25ドル57セント(0.05%)安の4万2706ドル56セントで終えた。財政・金融政策を巡る不透明感があるなか、米長期金利が高止まりし、株売りを誘った。半面、半導体関連株の上昇は投資家心理の支えとなった。
20日に米大統領に就任するトランプ氏の貿易政策を巡り、同氏の側近が輸入品に対する一律の関税引き上げの対象を限定する案を検討していると米紙ワシントン・ポストが6日朝に報じた。従来の主張を軟化させたとの見方が広がったが、トランプ氏が報道内容を否定した。市場では「政策の不確実性が意識され、株買いを手控える動きにつながった」(マーフィー・アンド・シルヴェスト・ウェルス・マネジメントのポール・ノルティ氏)との指摘があった。
6日の米債券市場では長期金利が前週末に比べ0.04%高い(債券価格は安い)4.64%を付ける場面があった。トランプ氏の関税政策への警戒が根強いことに加え、米連邦準備理事会(FRB)が利下げを慎重に進める姿勢を示している。長期金利の高止まりを受け、株式の相対的な割高感が意識されたことが相場の重荷となった。
FRBのクック理事は6日の講演で、資産価格に割高感があり、リスクプレミアムが低下していることに言及。「悪い経済ニュースや投資家心理の変化によってもたらされる大幅な下落につながる可能性がある」などと語った。市場ではこの発言への警戒が株価の上値を抑えたとの見方があった。
朝方は買いが先行し、ダウ平均は380ドルあまり上昇する場面があった。台湾電機大手の鴻海(ホンハイ)精密工業が5日発表した2024年10〜12月期の売上高(速報値)は過去最高となった。人工知能(AI)向けのサーバーが増収に寄与し、AIに対する需要の強さが改めて意識された。
半導体関連銘柄に買いが広がり、エヌビディアが上昇。ダウ平均の構成銘柄以外では、マイクロン・テクノロジーやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が上昇した。主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は2.8%高で終えた。
そのほかのダウ平均の構成銘柄では、プロクター・アンド・ギャンブルとハネウェル・インターナショナルが下げた。ナイキも安かった。一方、アマゾン・ドット・コムとマイクロソフトが高かった。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続伸した。前週末比243.304ポイント(1.23%)高の1万9864.981(速報値)で終えた。ブロードコムなどの半導体株のほか、メタプラットフォームズやアルファベットが買われた。
【関連記事】・トランプ関税に「品目限定」案か 米紙報道も本人は否定
・FRB副議長「辞任」で株高 トランプ2.0は米銀の味方か