閑文字手帖

馬手に盃 弓手に肴

1185 令和七年の物慾(續)

 前回の稿で、オリンパスのOM-5(系)が慾しいと書いた。

 元々からマイクロフォーサーズを使つてゐて、ニコンZだのキヤノンR、或はフジXに、今から乗り換へるのは面倒でいけない。小聲で云ひ添へると、ソニーEとは今のところ、スタイリングと和解出來てゐない。

 それにマイクロフォーサーズなら、ある程度レンズも揃つてゐる。但し万全とは云ひにくい。不満があるわけではないにしても、あつた方がいいと感じるレンズはある。なので物慾に加へておかうと思ふ。

 大口径…PROとか名附けられたレンズは要らない。貧ゆゑの僻みではなく(少しはあるかも知れない)、マイクロフォーサーズは先づ、小ささかるさ…要するにコンパクトであることが、優先されねばならないでせう。巨きくてかまはないなら、ニコンキヤノンやフジに変へる方がすつきりする。

 併しひとつ、困つたことがあつて、マイクロフォーサーズには、サードパーティから提供されるレンズが、殆ど見当らない。シグマに辛うじてあつたと思ふが、今はどうだらう。無理せずズイコー乃至パナソニックを撰ばう、と判つてはゐても、頭の中に広大なチャートを作れなければ詰らない。

 何故だらうと首を捻るまでもなく、賣れる算段がつかないからにちがひない。マイクロフォーサーズのボディを造つてゐるのは、オリンパスパナソニックだが、後者は既に、Lマウント(ライツ・ライカのねぢではありませんよ)へと重心を移してをり、前者は現行機種を一瞥すると、どうにもかうにも、余力が残つてゐないのが判る。

 それを見たサードパーティが、商品の投入を躊躇つたところで、責める積りにはなれないよ。

 詳しく確めてはゐない分は差引きしても、オリンパスパナソニック以外は、二種か三種の単焦点レンズを、中國の公司が出してゐる程度ではないか。興味なくもないが、どう調べ、叉どこで買ふのが安心か、さつぱり判らない。目についた廉な中古品を一本、何でもいいから…私の知る限り、マイクロフォーサーズに対応する中國レンズは、25ミリか50ミリくらゐだけれど…、手に入れればいいのか。

 後はほぼ冗談の域に入るけれど、マウントアダプタを使ふ方法もなくはない。冗談なのは、マイクロフォーサーズといふ小さなフォーマットだと、画角が焦点距離の倍に相当する狭さになるからで、望遠に重きを置かない私にとつては、撰べるレンズが限られる。但し(現行品かどうか)、フォーサーズマイクロフォーサーズに変換するアダプタは、例外になりさうな気がしなくもない。

 

 ここまで書いてから云ふのも何だけれど、レンズは矢張りズイコー(乃至パナソニック)から撰ぶのが、トラッドな順序でせうね。手持ちの隙間を埋める方向で考へると

 9-18ミリ

 12ミリ

 25ミリ

 45ミリ

上の四本があれば、我がマイクロフォーサーズ・ラインアップは完成に到る。尤もこれは前回と同じく、"必要ではない物を慾しがる"気分の話ですからね。實現する可能性はありやあしない。

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