その本の「はじめに」には、著者の「伝えたいこと」がギュッと詰め込まれています。この連載では毎日、おすすめ本の「はじめに」と「目次」をご紹介します。今日は國貞克則さんの『 書いてマスター! 財務3表一体ドリル 』。「本書を読む前に」をお届けします。

【本書を読む前に】

 本書は2007年2月に出版された『書いてマスター!決算書ドリル』(日本経済新聞出版)の改訂版です。この本は、財務3表を一体にして会計を理解する勉強法としては日本で最初に出版された本でした。その後、2010年の改訂で『書いてマスター!財務3表・実践ドリル』となり、今回の再改訂で『書いてマスター!財務3表一体ドリル』になりました。

 本書と同じ考え方で書かれ、2007年5月に出版された『財務3表一体理解法』(朝日新書)は、シリーズ累計で90万部を超えるベストセラーになりました。本書は『財務3表一体理解法』のドリル編の位置づけとなるものです。

 会計を腹の底から理解しようと思えば、自分で手を動かして数字を書き込む作業をすることが極めて有効です。私の会計セミナーでは、受講生に本書と同じドリルに取り組んでもらっています。受講生の中にはセミナーを受講する前に『財務3表一体理解法』を読んでいる人も多いのですが、事前に『財務3表一体理解法』を読んでいる受講生のほうがセミナーの満足度は高く、多くの人が「本を読んでわかった気になっていたが、ドリルをやってみて『本当にわかった』という感じになりました」と言われます。

 ドリルを解くことで会計が深く理解できる理由は、自分で考えて能動的に会計に向き合うからだと思います。自分で数字を書き込むことにより、会計の仕組みが体で理解できた感じになるのです。

 本書の第2章がドリルですが、会計を初めて勉強する人のために、第1章で会計の基本的な内容について説明しています。また、今回全面改訂した第3章では、会計の専門家ではない人向けの財務分析の考え方を説明しています。

 今回の改訂で、改訂前は大型版であった書籍がA5判になりました。A5判の取り扱いやすいサイズになったにもかかわらず、図版の工夫などにより皆さんが数字を書き込むスペースは以前の大型版と大差ありません。

 本書でドリルに取り組んでいただき、会計の仕組みを体で理解していただきたいと思います。

 なお、本書の編集にあたっては日経BPの永野裕章氏に大変お世話になりました。この場をお借りして心よりお礼申し上げます。

國貞克則


【目次】

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