日本での劇場公開中止になったジェニファー・ローレンス主演映画「mother!（マザー）」を鑑賞しました。
アメリカの映画（洋画）です。
結論から言うと、理解不能不可避すぎて１度鑑賞しただけでは「はぁぁぁ！？」て感想しか出てきませんでした。
ということで2回目を観てやっとこさ「そういうこと？」っていうのが見えてきたので、私なりの考察とネタバレ感想をお話ししたいと思います。
ジェニファー・ローレンス出演の映画マザー！(2017)
概要
- 監督 ダーレン・アロノフスキー
- 製作年 2017年
- キャスト ジェニファー・ローレンス、ハビエル・バルデム、エド・ハリス ほか
監督のダーレン・アロノフスキーと聞いてピン！ときた人いませんか？
私は彼の作品にそこまで詳しくありませんが、映画The Fountain （ファウンテン）を思い出したんですよね。ヒュージャックマンとレイチェルワイズが出演した映画で、かなりスピリチュアルな幻想的な映画で理解し難い内容の作品。
今回のマザー！も、題材は違えど解釈が難しいところは共通してて雰囲気も似ていました。
マザー！の簡単なあらすじ
とある郊外、長閑な自然に囲まれる一軒家がありました。
そこにはスランプに陥った詩人と、そんな夫を支える妻が暮らしていました。
そんな夫婦のもとへ、ある日突然、見知らぬ男女の訪問者がやってきます。
妻は「知らない人だから」と不安でいる一方、夫は陽気で訪問者たちを受け入れてしまいます。のちに追加でやってくる謎の訪問者たちも平気で受け入れてしまうのでした。
やがてその訪問者たちは、一軒家の室内や家具を崩壊し始めます。
そんな彼らの横暴に戸惑いを隠せない妻。
やがて妻が出産したばかりの赤ちゃんを、訪問者たちは取り上げる。そして最終的に妻は怒り狂い家に火を放つのですが・・・な話。
洋画「マザー！」のネタバレ感想と考察
※ネタバレ注意。
意味不明、カオス、やばい、難しい
まずは何の知識もないままマザー！を初めて観たときの、率直な感想を言わせてくだせえ。
カオス・・・。全然わからん。やばい映像の連続。意味不明。
・・・？？？？？
でした。
まさに、ポカーン・・・・・状態。笑。
全てが点すぎてまるで線にならない。展開が早すぎる。
訪問者は急に現れるし、謎に家を壊すし、家の中もガラっと変わっていく。室内が戦争状態になる。
ファ・・・・！？！？！？です笑
何を表現したいのか、メッセージ性もまるでわからず、ただただショッキングでやばい映像が流れていく・・。
そして「ああ・・・・ファウンテンな雰囲気・・」と私は感じ、観賞後ポカーンで終了。
胸糞と感じることすらできぬまま終了したのが、まず１回目観た後の率直な感想でした。
ガビーン！（死語）マザー！は聖書に因んだ内容だった
ちょっと調べてやっと理解。
これ、旧約聖書「創世記」が台本みたいな感じなんですって。
そら日本人にはわかるわけないわ！
確かにマザーって言葉、そうだよね。単なる母って意味だけじゃない。母なる大地とかマリアとかいろんな意味合いあるもんね！？気づかなかったー！
で、この物語がま〜〜アメリカで賛否両論だったそうで。
アメリカは聖書に詳しいしキリスト教が多い。だからあのキャラはアダムであのキャラはイヴで〜とか、分かる人はすぐに分かるんだそう。故に、賛否両論凄かったそうな。
なるほど。確かにそもそも内容を理解できなかったら肯定も否定もできないもんね・・・。
聖書とわかっているからこそ、あのショッキングな映像に抵抗を感じたそうで。
再度鑑賞。聖書に当てはめて考察
私は1回目観賞後に聖書についてちょっと調べて、その上で再度観てみたんですよ。
※すみませんが、いまだに疑問点もあります。理解があっているかも微妙ですm(_ _)m
キャラクターを整理しますと、
夫が神（想像主）、そして妻が母なる大地である地球。
夫（神）によって作られた人類 アダム（最初の男性訪問者）とイブ（男性訪問者の妻）神は家に招かれる。
でも彼らは夫（神）の前で罪（誰にも入られたくない書斎に入ったりいい加減なことする）を犯し追い出される。
書斎はエデンの園らしい。
聖書によると、罪を犯した結果、男性は労働しないと食えない、女は苦しんで出産、人はいつか死ぬと言う重荷が課せられるらしい。
やがて、アダム（最初の男性訪問者）とイブ（男性訪問者の妻）たちの子供である兄弟（兄カイン弟アベル）が訪問し喧嘩。
兄が弟を殺害。
こっからどんどんカオス化する。
その後も夫（神）は様々な客を招き入れる。
妻（地球）はそれはそれは困惑。「ちょっと夫さん、どうしてよ」状態。
そんで招き入れた訪問者たちが急に壁を塗装し始めるわけですよ。カオス！！
そして謎に水道管が破裂（これがノアの方舟の大洪水らしく）全員が家から追い出されてしまった。
ついに妻（地球）が叫んで、訪問客を追いだす。これは地球が自然の力を利用して一掃させたって感じでしょうか。
その際に客の1人が「天罰ね」と言っていた。
人間が地球を汚した天罰・・？
ここからだんだんと聖書に因んだセリフが増えていく。
夫（神）は訪問者のことばかりを考え、妻（地球）のことを顧みない。妻（地球）ずっと困惑したまま。
その後、妻（地球）は妊娠。
妊娠！？！？！
こっから私の疑問が入ります。
この子はキリスト？？・・・・と考えることできるんだけど、そうなると、妻（地球）はマリア？ってことにもなりますよね。
ここが個人的に引っかかるのです。
この子がキリストとなると妻が地球って仮定が崩れるんですけど・・汗
妻は地球であり、マリアでもあるってこと！？！？
もし妻がマリアなら夫はヨセフということになる・・のよね・・？
ん！？キャラの立ち位置が頭の中でグールグル。はいグールグル！！！
そんで、妻の「黙示録の後始末をする」と言ったセリフは（＝大洪水後の後始末）ってことですよね。
で、妻がずっと飲んでいた黄色い粉があるんですが、これトイレに流し処分するんですよね。つまり、もう不要になったってこと。
（あの黄色い粉の意味は人によって解釈がバラバラで、私はわかりませんでした！）
なに！？！？カレー粉じゃないよね！？！？
おそらく黄色と色にヒントがありそうですが・・
その後、夫の詩が完成。見事大ヒット。やがてまた夫が多数の訪問者を呼ぶ。夫は来るもの拒まずって感じ。
その訪問者の中の編集者が妻のことを「創造の女神」と言っているんですよね。
そしてまた訪問者たちが家でやりたい放題。しっちゃかめっちゃか。争い、物の奪い合い、破壊行為。
人間は同じ過ちを繰り返すってことかしら。
そして彼らの1人が妻に言ったセリフ「汚染されている」。つまりは地球が汚染されている。
私は「あんたらが余計汚染させとるやないかい」ってツッコミたくなりましたが、彼ら訪問者はつまり私たち人類のことだと思う。
大気汚染、争い事、大地を汚す行為は悲しいかな、してしまっていますもんね人類。
そして、妻は子（おそらくキリスト？）を出産、夫婦はひとときの安らぎを感じる。
妻は「訪問者たちを追い出して」と夫（神）に言うが、夫（神）は「彼らを赦す道を見つけなくては」と言う。
赦す（ゆる）って言葉がモロ聖書ですよね。
そして夫（神）を信仰する信者たちが赤ちゃんを奪い、殺害し食べるというとんでも展開に。衝撃的すぎる。
これ・・なかなか衝撃的でよく映像にできたな・・と感じました。これは批判浴びるのも納得ですね。
やがて妻は家に火をつけて全焼。（というか家、爆発）
妻は真っ黒に焦げて辛うじて息をしていたが、夫（神）は無傷。妻を抱き抱え書斎へ戻る。
夫（神）がこんなことしてしまうのは、「満たせない」からだそう。
えっっっっっっ っ！！！
満たせないから作っては地球に怒られ、作っては地球に怒られ・・の繰り返し。
えっっっっっっ っ！！！
そして夫（神）はまた7日間かけて母なる大地の地球や人間を作っていく・・
最後に映された妻の顔は、違う女性の顔に変わっていた。
また新しい地球作っては再度創造するのかしらって感じで終わりました。
伝えたいこと
聖書に因んで作った題材とはいえ、その上で何を表現したかったのか。
私としては・・・・環境破壊への警鐘？が一番しっくりきています。
でも単に破壊と再生を描いているってだけの見方もできる。
総評。聖書の知識は必須な映画！
こーんな感じで、正直私はまだ疑問を抱きまくり。
でも、聖書の情報を頭に入れて観ると、1番最初に観たときに疑問に感じていた点は少しなくなっていく。
- なぜ夫が見ず知らずの訪問者を受け入れるのか？
- なぜその訪問者が増えていくのか？
- なぜ家の家具を壊すのか？
- なぜ赤ちゃんを取り上げるのか？
点と点が線になりやすいと思う。聖書の知識があれば。
この映画、日本人でいうとこの、古事記って感じなのでしょうかね？
マザー！はなぜ日本で公開中止となったのか考えてみたけど
私が思ったのは、おそらく赤ちゃんが生贄のように奪われてしまう描写が日本人にとって強烈だから？
あるいは聖書に因んだ作品で、キリストなど聖書の知識が全くない日本人はこの映画を放映しても心に響かないと判断したから？とか。
これくらいしか考えつかなかったです。
洋画「マザー！」のネタバレ感想と考察でした！
難しかったです！
私のように聖書の知識がない日本人が観たら、全く意味不明に感じると思います。過激でカオスな映像に「やば」くらいしか感想が出てこないというか。
聖書を理解している人ならもしかしたらピン！っとくるかもしれません。
賛否両論、好みがかなりわかれる作品ではありますが、けどまあ私は嫌いじゃない・・・
関連：マザー！が理解できた人におすすめの映画「魂のゆくえ」
ちなみになんですが、難しく非常に理解したがたい映画（洋画）がもう1つあって。
それが「魂のゆくえ」ってやつ↓
私の偏見ですが、この「マザー！」が理解できた人は、魂のゆくえも理解できるのでは？なんて思ったり。
全くストーリーは違うのだけど、同じ宗教系の要素が絡む内容。（スピリチュアル系も絡んでいるけど）
私は「魂のゆくえ」観た直後も「むむむむ・・・・難しい」と撃沈したのですよね。
関連：マザー (2017) と雰囲気が似ている映画
聖書の知識があると面白いかも？な映画「ノック終末の訪問者」です。私は一度目鑑賞時は「ほぇ・・？」チンプンカンプンでした笑
関連：ジェニファー・ローレンスがお好きな方は下記の作品もおすすめ
ジェニファー・ローレンス主演の映画「レッドスパロー」エロいし過激な描写あるけど面白かったです↓
それからこれ。ジェニファー・ローレンス主演の映画「ジョイ」↓実話を題材にしててめっちゃおもろいです。
ジェニファー・ローレンス主演の映画「パッセンジャー」も良き↓
「自分だったら・・・」と妄想を刺激する内容。
