アートなしには生きられない

バレエ、ダンス、クラシック音楽、美術館などシンガポール・東京でのアート体験を中心に。

世界バレエフェスティバル2024【Aプロ】

全幕プロは見送ったので本日のAプロが私にとってのバレエフェス2024初日。Aプロ2日目の公演を観に行ってきた。

 

良くも悪くも、ああバレエフェスってこういう感じだったなあとなった。多くのダンサーが参加し、懐かしのベテランが集い、よくわからない作品を観て。(笑)

心底楽しめたかというと、そうではなかった。ダンサーたちそれぞれのパフォーマンスとは別の問題として、大きく理由は2つあった。座席運と、ロシアからのダンサーの扱いである。

 

座席運は仕方がない。今回ほぼ正面の席が割り当てられていて(祭典会員)、前が背の高い人でなければいいなあと思ってたんだけどまんまと座高の高い人で、舞台をおじさんの頭が遮った。本人が悪いわけではないのはわかっているが、後方の視界を遮っているご本人の視界は極めて良好なわけで、設計したの誰だよ💢とかイラつきながらバレエフェス観るのは辛い。(チケット高い)

周りにはわりと男性観客も多く、私の隣も背の高い男性だったので、その後ろの席の人の視界もだいぶ気の毒だったはず。以前から言われてることではあるけど、なんとかならんのかなこの問題。だいぶストレス。次はマシなことを心から祈る。

 

もう1点はロシア問題。世界バレエフェスティバルからロシア人を排除しろと言いたいのではない。が、わざわざ、あえて、ボリショイから追加してまで呼ぶ必要あったのか。当初発表のマリインスキーも微妙だったのに。常連でもあり、魅せ上手だし、過去のバレエフェスでは楽しく観たけど今回は無理だわ。

リアブコさんはウクライナ人だ。そこにあえてボリショイから呼ぶ。気にならない人がいるのも知ってるしそういう人にまで気にしろと言いたいのではないが、主催者に対しては異議あり。余計なことを考えず目の前のパフォーマンスに没頭したいものだ。

 

さてやっと本題。まず一部。

黒鳥PDDの若手には、うーむまだWBFクラスではないかしらね…となり、マクレガー作品は別のダンサーで観たかったとなり、アウル・フォールズはよくわからない…となり、くるみはまあきれいで、パリオペペアは違う作品で観たかったかなあ。

非常に雑な感想だが、まず前提として私の視界には前席の男性の後頭部があり、マイナス500ポイントくらいからスタートしてるので。ほんと辛い。

 

第二部。ノイマイヤーのハロー、これも別の機会に観たかったな。マノンは良かった!座っているだけのサラマノンから全幕が見えるような気持ちになる。救い。ル・パルクの有名なあのPDD、基本的にパリオペのしか好みでないのだが、パリオペダンサーが踊ればよいというものでもない。ジェルマンのパジャマ姿は麗しかったが。チャイコフスキーPDD、とてもロシア的で上手いのはわかる。わかるが、今回はすまんが受信拒否。

いや、個人的な素朴な疑問なんだけど、どういう風に考えているんでしょうね、ロシアについて。

 

第三部。理由はわからないが視界が開けた。

Aプロで2つ踊ってくれる2人による3つのグノシエンヌはわりと好き。スペードの女王はすまんけど受信拒否。リアブコ&アツォーニには毎度心洗われる。空に浮かぶ…は、これもまた私の中に疑問がありそのまま楽しむ気持ちになれなかった。何をどこまで舞台上のパフォーマンスとどれくらいの強さで関連付けるのか。観る者として本当に難しいなと痛感した。

 

ベテラン揃いの四部。

さて。これまたどう受け止めたらいいものか。ダンサーとしての生き様としての素晴らしさに疑いはないのだが、WBFの在り方として、若手とベテランのバランス、新たな才能の発掘とこれまでの貢献枠のバランス、といったところに采配の難しさはあると思う。長年のバレエファンがベテランたちの今の姿に喜び懐かしむこと、それもまたフェスの楽しみの一つだろう。しかしかつて14歳のマリアネラが出演した(!)ような、そういう驚きも欲しいところ。ボッレ、フォーゲルらの衰え知らずっぷりは驚異的だけど、新たなスターも必要だよね。それこそパリオペのギヨーム・ディオップみたいな驚きの逸材に出てほしい。ほんとはほとんどの人が知らない逸材を発掘して紹介して欲しいところだけど、難しいんだろうな。

トリのドン・キホーテはマリアネラの陽のオーラに客席みんなニコニコだったでしょうね!(笑)本当に魅力的なダンサー。

 

ちょっとネガティブな感想になってしまった。やっぱり期待値が高いからなのよね。「普通」では許されない、そういう公演なので。

 

めげずにBプロとガラを楽しみにしておきます。皆さま健康第一で。

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