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いつの間にやら2024年も後僅か。
時の流れの早さに戦慄しているのですが、そんな恐怖は置いておいて、例年通りに今年見た映画の中から個人的に心に突き刺さった選出をやっていこうと思います。
本数はいつもより少ない8本に減りましたが、当たりが少なくなったというわけではなく、見た本数…というか記事にした映画がシンプルに減ったからですね。
今年は振り返ると特定地域に偏った結果となりましたが、個人のお気に入りなのでそういう風に偏るのもいつも通りということで緩く付き合ってくださいな。
目次
武道実務官
あらすじ
困っている人を見ると助けずにはいられない武術の達人が、武道実務官として勤務を開始。保護観察官とタッグを組んで、犯罪を未然に防ぐための戦いに挑む。
Netflixより
1本目はネトフリオリジナルの韓国映画『武道実務官』
【映画】武道実務官 感想 “全て知ったんだから” 題材に対してめちゃくちゃ真摯な映画!【Netflix】今年は個人的にはこれがベスト1でしたね。
性犯罪者や殺人犯などの凶悪犯に電子足輪をつけて監視をするという保護観察官。
そこに纏わる不足の事態のために同行するのがタイトルの武道実務官。
この映画の魅力は韓国映画らしい振り幅。
序盤はかなりコメディ寄りな作風で進行しながら、中盤からは自身の周囲が巻き込まれることや己の命の危機、そして人の死というシリアス。
映画としての派手さとして構成していない心の底から嫌悪するようなクソみたいな人格の犯罪者との対峙。
しかし、それだけではなくこの仕事を扱う以上、絶対に必要な真摯に更生しようとしながら周りの声に潰されそうになる存在を踏み止まらせる描写。
そしてクソみたいな更生しない犯罪者を出したなら、主人公の身内である友人や家族や同僚は絶対的な善性の人間にする。
この韓国映画らしい両極端な振り幅の中心地にいる主人公が1つの答えを出して奮い立つ展開に込み上げる物が止まらなくなるわけです。
題材に対しての真摯さと話の展開と振り幅、面白さもそうですが、1番心に残ったと言えばこの『武道実務官』がベストでしたね。
またアクションもかっけぇんですわ。
この仕事の内容に相応しい凶悪な犯罪者との対峙、映画としては当然こちらがメインなんですが。
ただそれだけではなく真摯に更生しようとする存在も映し出し、この題材に対する真面目さが伺え。
この題材に相応しい振り幅の大きい話の展開がめちゃくちゃ刺さる映画でした。
クワイエット・プレイス:DAY 1
あらすじ
“音を立てたら即死”は、
この日[DAY 1]始まった―公式サイトより
物語は、ひとつの家族を襲ったあの衝撃から471日前、世界が沈黙した日[DAY 1]へと遡る。音を立てるものすべてに襲い掛かる謎の生命体が突如として大都市・ニューヨークに襲来し、猫を抱えた1人の女性は、“即死度MAX”のサバイバルを余儀なくされる。果たしてこの街に生き残る術など存在するのか。この絶望に、彼女はどう立ち向かうのか。そして、“音を立ててはいけない”というルールに人類はいかに辿り着くのか。究極のサバイバルの先に、彼女たちが見たものとは…
今年1番号泣したのがこの映画です。
クワイエット・プレイスシリーズ3作目にして最初の1日目からを描いた『クワイエット・プレイス:DAY 1』
このシリーズは自分はクリーチャー達はあくまでシチュエーションとして使っているだけで、描いている物のメインは人と人との繋がりだと思っているんですよ。
そしてシリーズを重ねるごとにその関係性はどんどん遠くなっていく。
1作目は家族、2作目は隣人、そして3作目となる本作は赤の他人でした。
その遠くなっていく関係性の中で相手のために何を選び取るのか、
今回は本来なら縁もゆかりもないはずの2人だったからこそ泣きまくるラストになったと思っています。
人生の終わりが近い時に何をするのか死に方を決めることは生き方を決めることと同じだとこの映画で強く感じました。
当然ジャンルとしてはホラーですので、恐怖に関しても十分。
観客目線だと1作目と2作目で底が割れているクリーチャーをどう怖く見せるのか、
そのために用意したのが時系列を何の情報もない1日目にし、
更にクリーチャーがやってきた爆心地であり音を出さないのが難しい都会であるNYを舞台にしたことで、クリーチャー達の脅威を復活させていました。
爆心地であることから今までとは比にならない数で押してくる災害としてのクリーチャーの脅威が見れるようになっていますよ。
猫に泣かされるつもりで見に行ったはずなのにラストには人間に号泣させられていました。
モアナと伝説の海2
あらすじ
前作での壮大な冒険から3年、妹のシメアが生まれ少し大人へと成長したモアナは、愛する家族と島の仲間たちとともに暮らしていた。ある日、「かつて人々は海でつながっていたが、人間を憎む神によって引き裂かれた。海の果てにある島に辿り着けば呪いは解け、世界は再びひとつになる」という伝説を知る。モアナは人々の引き裂かれた絆を取り戻すため航海に出ようとするが、それは、その島に近づこうとこうとすれば、 “生きては帰れないかもしれない”というほどの危険に満ちた冒険だった。幼い妹シメアや家族たちと二度と会えないかもしれない…しかし、愛する人たちを守るため、「私が、やらなきゃ」と決意し、迷いや葛藤を乗り越えて果てしない旅へ踏み出すモアナ。前作で相棒となった半神半人のマウイが「モアナ、お前は一人じゃない」と背中を押し、さらには良き理解者で心の支えとなっているタラおばあちゃんから勇気をもらい、島の新しい仲間たちと一緒に新たな冒険へ旅立つ。
公式サイトより
久しぶりに満足感の高いディズニー映画。
昨今観賞してもあまり感想を書くほどのモチベーションが湧かなかったディズニーアニメだったのですが、
この『モアナと伝説の海2』は見た直後から感想書きたくなるくらいに満足感の高い映画でした。
今回のモアナ2に言えることは1つ。
物凄く真っ直ぐで無理のない映画だったということです。
ストーリーは前作同様に清々しいくらいのド直球な冒険譚。
ただ続編らしく仲間を組んで前作では邪魔してきた存在もパーティに加入して、どれだけ折れかけても奮い立つ。
こんな直球で見ていて気持ちのいい冒険譚は久しぶりすぎて最高にテンション上がっていました。
そして何より良いのが話にも展開にも無理がないんですよね。
昨今のディズニーは何とは言いませんが、ノルマのように入れた物によって展開や話が歪になってしまうことが多々あったのですが、今回のモアナは違う。
実際のところは“それ”を意識はしているのでしょうが、この映画には必要な要素であり、無理なく真っ直ぐと“それ”が取り入れられているので歪になっておらず寧ろ気持ちのいい要素になっているんですよね。
そのまんま進めればいい映画になりそうだったのに歪にしてしまった最近のディズニーではなく、
やるべきことと見せるべきところを見せてくれる気持ちのいいディズニー映画だったんです。
今回のモアナ2を見るとまだまだディズニーは見てもいいなと思えますし、
そして本作にハマった身としてはモアナ2の何が受けたのかというのを見誤らないように期待しています。
セーヌ川の水面の下に
あらすじ
トライアスロンの国際大会を控えたパリで、セーヌ川に巨大ザメが出現。流血の惨事を防ぐため、ひとりの科学者は自らの悲惨な過去に向き合うことに。
Netflixより
今年1番のダークホースといえばこれ。
ネトフリがお出ししてきたサメ映画『セーヌ川の水面の下に』
最初は自然環境の話、保護団体の盲目っぷり、そして危険が迫っているのに非協力的な市長と物凄く大真面目に展開。
これはサメ映画としては物凄く真面目だなぁ、やっぱネトフリオリジナルだとこういう感じになるんだなと思わせたところで…
ラストに向けてフルスロットルにみんな知っているサメ映画のノリになるというこのはっちゃけっぷり。
これを今年開かれたパリ五輪と同じ舞台でやるんだからロックにも程があるサメ映画。
自分の中では文句無しで今年のダークホース1位でした。
ゴジラxコング 新たなる帝国
あらすじ
怪獣と人類が共生する世界で、未確認生物特務機関:モナークが察知した異常なシグナル。
公式サイトより
交錯する<地上世界/ゴジラテリトリー>と<地下空洞/コングテリトリー>。
ついに一線を越える<王ゴジラ>と<王コング>の激突のその先には、我々人類が知る由もなかった未知なる脅威が待ち構えていた。「vs」ではなく「x」、そして[新たなる帝国]が意味するものとは?
世界は今、目撃する── 。
怪獣映画はいよいよ言葉を必要としなくなってきた。
この『ゴジラxコング 新たなる帝国』に関してはこれが相応しい感想となるでしょう。
真面目な日本、はっちゃけたハリウッドとゴジラの築いてきた歴史によって懐深いコンテンツになっているのが今の2つのゴジラの展開なのですが、今作は輪にかけてはっちゃけた内容でした。
コングをベースに話を進め、ゴリラ同士の何を言っているのか聞こえないはずなのに何を言っているのか分かってしまう会話による話の展開。
この本当に怪獣だけでドラマを進めることが出来る手腕には唸りました。
そしてゴジラと合流してからのアクションは怪獣映画の極地のような派手さ、更にはモスラの復活など、
見たい怪獣映画の正解の1つはここにある、そんな笑いとテンションの高まりの両方が味わえます。
個人的に怪獣映画における人間ドラマ不要論というのには異を唱える立場なんですが、
これに関しては怪獣同士、もっと言えばゴリラの表情の成せる怪獣中心で展開出来るドラマを徹底していたので、この映画は間違いなくこれが正解だった、そう言える怪獣映画でした。
ブルドーザー少女
あらすじ
悪をなぎ倒せ 弱者庶民 VS 権力者 理不尽な韓国社会にひとりの少女が殴り込み!怒れ!狂え!雄叫びを上げろ!!闇夜をブルドーザーが暴走する!!
Rakuten TVより
腕にドラゴンのタトゥーがあり、何かと喧嘩っ早い少女ヘヨン。母亡き後、ギャンブル中毒の父の代わりに幼い弟の面倒をみていた。ある日、父が盗んだ車で事故を起こし、意識不明の重体に。被害者から巨額の和解金をつきつけられ、さらには住まいも奪われてしまう。しかし、その事故の裏には信じがたい事実が隠されていた。格差、不正、虚偽・・・こんな世の中は許せない!怒り狂ったヘヨンはブルドーザーに乗り、理不尽な社会をなぎ倒す!
邦題に対してあまりに重い…とても重い映画。
それが強者による弱者からの搾取をこれでもかと描いた映画『ブルドーザー少女』です。
この映画は邦題に対して本当に物凄く重いです。
金の無い貧しい家族を襲う不幸、しかしそこには富裕層からの搾取の思惑が見えてきて…という内容なんですが。
これが韓国映画らしくかなり真に迫り、そして相手の悪辣さと救いのなさがあります。
この映画の何がきついかと言うと主人公側の家族に落ち度が無いかと言われるとそうでもないこと、
しかしそれが貧困による境遇から来るものだったり、知識の無さから来るものだったりで弱者からのアプローチだけではどうにも出来ない部分、そしてそこを強者である富裕層に利用されてしまう。
この救いようのない構図が映画に漂う重苦しさを更に加速させているのは間違いないです。
どうにもならなくなった時、弱者が選べる最後の手段。
この最後の声無き叫びとそしていたたまれなくなった製作側が与えたほんの僅かな救い。
都合の良い救いはなくてもわずかな救いは見える。そんな社会派映画としてはすごくいい塩梅なまとめ方をしている映画でした。
平平男女~Unboxing Girl~
あらすじ
女性は仕事と愛を同時に手に入れることはできるのか?デザイナーとして働くヨンジンは女性である事が理由で会社からほとんど評価されていない。しかし、コネを利用して簡単にヨンジンの上司の地位に抜擢される男性のジュンソル。ヨンジンはジュンソルを敵視するが、彼の空虚さに同情し、会社に馴染めるよう手助けをする。しかし、ジュンソルはヨンジンの許可なく彼女のデザインを盗み出してしまう。盗まれたデザインを取り戻したいヨンジンだが、ジュンソルと築いた関係もあきらめることが出来ず…
Amazon Prime Videoより
ほんの僅かな一歩がもしかしたら世の中を変えるかもしれない。
そんな希望を見せるこれまた社会派な韓国映画がこの『平平男女~Unboxing Girl~』
この映画の話の展開の仕方はかなり秀逸です。
最初はコネで入った自信のない男性社員と女性故に評価されない女性社員が互いに支え合うラブコメのように展開。
しかし、互いに惹かれ付き合い始めたところから暴力的なまでの男性優位社会の現実を突きつけてくるという上げて落としまくるといった表現が相応しい映画と言えます。
自分の描いて通らなかった企画を彼氏がそのまんま提案したらあっさりと通ってしまう、そんな分かりやすい男性優位社会の構図も描いているのですが、
この映画のちゃんとしているところは男性優位社会における男の生きづらさも描いているわけです。
言ってしまえば男性優位社会というのは女性の機会損失だけではなく、男はこうであるべき!と男に男性に対してのある種の決まった型を求められる社会の形でもあると言えます。
そこに対してコネだけで上には配置されて自分の自信がないというそんな男性の気まずさ、
そしてだからこそ自分が認められ始めた時に反動のように自分もその男性優位社会に染まっていってしまうという生々しさも描いているのがしっかりしています。
この映画も何か大きな変化が訪れることなく、終わってはしまいます。
しかし、多くの登場人物が諦めの中で道を決めたのとは違い、主人公が何となく踏み出した新たな一歩は諦めから来るものではありません。
もしかしたら、そんな誰かの一歩が誰かを感化させてそしてそれが広がっていくのかもしれない、
状況だけ見たら決してハッピーなだけとは言えない終わり方なのにそれでも前向きな希望は持てるそんな映画となっています。
クレイヴン・ザ・ハンター
あらすじ
幼い時に母親を亡くし、裏社会を支配する冷酷な父親から「強き者が生き残る。力こそが全てだ。」という精神を叩きこまれて育った少年セルゲイ(クレイヴン)。
公式サイトより
ある日、父親と共に狩猟に出た際、突如現れた巨大なライオンに襲われ生死を彷徨う大怪我を負うが、ライオンの血がセルゲイの体内に入ったことで、<百獣の王>の力を持つ容赦なき“クレイヴン・ザ・ハンター”へと覚醒する。
〈狩り〉の対象は、金もうけのために罪無き動物を〈狩る〉人間たち。一度狙った“獲物”は確実に仕留めるまで、あらゆる手を使ってどこまででも執拗に追い続ける。
次々と〈狩り〉を実行し、彼らを動かす大きな組織へと近づいていくが…立ちはだかるのは、全身が硬い皮膚に覆われた巨大な怪物〈ライノ〉。
さらに、病弱な身体を持つ最愛の弟ディミトリが危険にさらされたことでクレイヴンは激昂。やがて“裏の世界の殺戮者”と呼ばれる自らの父親と対峙することになる。
怒りのままに<狩り>を繰り返し、次第に暴走していくクレイヴンだったが、弟からは「兄さんはただ、殺しを楽しんでるだけ。」と心無い言葉を受けてしまう。大義のための殺しか?快楽を求める殺戮か?激しくエスカレートしていく〈狩り〉が、行きつく先は─?
今年最後に見た映画にしてお気に入り。
それがセクシーなマッチョが大活躍する悲しくもSSU最後の作品となってしまう『クレイヴン・ザ・ハンター』
個人的にはこれがSSUで1番好きな作品。
作風はマフィア(ゴッド・ファーザーのような)物にヒーローという異物が混ざったらどうなるのかという物でこれが中々にクレイヴンというキャラクターにハマっている。
クレイヴンだけなら何者にも影響されない存在なのに、最愛の弟という存在を混ぜることで報復、裏切り、始末ありのマフィア的な意味でのファミリー映画になっているですよね。
クレイヴン自体のキャラクターも魅力があり、いわゆるダークヒーロー的な他者を救うために過激に悪を裁くというより、己の掟から外れた存在を始末しているという
他者のためが先行している部分が少ないところがヒーローとヴィランの狭間にいるようなヴィラン主役のヒーロー映画としてのキャラクターの作り方で魅力的。
またアクションも己の肉体のみを駆使するため、街中に現れた異物感が際立ち、また仕上がった肉体のセクシーっぷりにこの映画のクレイヴンというキャラクターにはかならどハマりしてしまいました。
SSUはこの際諦めるにしてもクレイヴンだけはヴェノムのように続きを作っていかないか?とそう訴えたくなるくらいには熱を持てた映画でした。
まとめ
今年選んだ映画はこんな感じの8本でした。
振り返ってみると意識したわけでもないですが、韓国映画がちょっと多かったですね。
これはここら辺の振り幅だったりエグみのある作風が今年の自分には何か刺さる物があったのかもしれません。
心がエグみを求めているのかもしれねえ。
今年は映画感想記事の出すペースを少なくしたので、年間通してのベスト選出のピックアップ数も10から8に減りました。
ただその分映画に対しての向き合い方としては負担が減って気が楽になりましたし、そして記事にもじっくりと取り組めたような気がします。
定期更新自体は心掛けてはいるものの、来年は更に記事にする本数は減りそうな予感。
少し不定期気味になりそうですが映画自体はちゃんと楽しんでいるので、たまには覗いてやるかといったくらいでお付き合いをつづけていただけると嬉しいです。