原文ママとは、ある媒体において既存の文章を引用する際に引用文中の内容には手を加えておらず、原文のままであることを明示するための記述で使われる用語である。
原はら文ふみさんのお母さんのことではなく、原はらさんちの文あやお母さんのことでもない
概要
ある媒体(書籍や論文、ニコニコ大百科の記事のようなWikiタイプのWebサービスやblog等々)の文章中で既存の文章を引用する際、引用する文章の中に誤りや誤字、作成された時代の違いによって不適切となった表現などが含まれている場合において、引用した者のミスではなく、内容を承知した上で意図的に引用元のオリジナルの文章を改変せずにそのまま使用しているということを明示的に示すための表記である。
引用文中に誤りなどが確認されていない場合においても、内容の正当性の責任は引用元にあることを明示するために使用されることもある。
「原文を(誤りも含めて)そのまま引用」のような表記が形式化して「原文ママ」に落ち着いたと言われているが、単に[ママ]とだけ書かれることがある。(この場合、[]か〔〕でくくってやらないと紛らわしい)
英語では [sic] と書く。これはラテン語の sic erat scriptum (このように書かれてました)の略である。
例1:
上記の例は、正しくは「蒼い鳥」という曲名であるところを「青い鳥」と間違っている(もしくは作者の何らかの意図で変えている)のだが、動画のタイトルなので訂正せずに元の表記をそのまま記したものである。
例2:
ある日、原子力発電所の爆発事故に巻き込まれた、炭鉱夫チェルノブ 。九死に一生を得た彼ではあるが、その体には、放射線の影響で異状能力(原文ママ)が身に付いてしまっていた―
上記の例は、正しくは「異常能力」と表記するべき所を「異状能力」と間違っている例1と同じ事例だが、こちらは原作ゲームのスタート後に表示されるストーリーデモで実際に表示されていた為あえて訂正せずに元の表記をそのまま記したものである。
例3:
シオドア・スタージョンは当時のSF大会において「ジェイムズ・ティプトリー・Jrを例外とすれば、最近のSF作家でこれはと思うのは、女性作家ばかりだ」(原文ママ)と述べたと記録されているが―
上記の例は、ジェイムズ・ティプトリー・Jrの正体が実は女性作家であった事実が現在は明らかになっているためスタージョンの発言は前提から間違っているのだが、当時のティプトリーは公の場に一切姿を現さず編集者とも手紙を介したやりとりのみの謎の作家であり、男性名であることから男性だろうと思われていたという過去の状況を説明するために意図的に間違った内容の発言をそのまま紹介したものである。
関連項目
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