承前。
hayasinonakanozou.hatenablog.com
hayasinonakanozou.hatenablog.com
正月。寒いし店やってないしで自宅に引きこもってだらだらスマホいじりがち。よろしくない。惰性でブラウジングしながらスマホの画面を操作してるとき何も考えてない。それなのに情報という名のノイズが蓄積されて脳は疲労する。定期的にデフラグが必要だ。スマホを持たずに出かけよう。
前回の秩父行で移動手段が電車の場合は本数が少ないローカル線だと行動が制限されるリスクが高いと判明した。それを踏まえ、今度は電車の本数が多い都内でやってみた。場所は東京都豊島区。駅はJR大塚駅。山手線で池袋の一駅隣。普段は都心のホテルはビジホのシングルでも高額なため泊まる選択肢に入れづらいが正月で予約客が少ないのか安かった。宿泊したホテルはベルクラシック東京。JR大塚駅から歩いて数分。過去にも何度か宿泊している。持ち物は前回とほぼ同じ。違うのはカメラくらい。写ルンですではなく小型のミラーレス一眼。嵩張るのが嫌だったのでレンズも薄いのにした。
15時過ぎ、JR大塚駅に到着。池袋から一駅しか離れてないのに落ち着いた感じがする。少し散歩してからチェックイン。
17時前、食事のため外出。向かったのははち八大塚本店。粉物が食べられてお酒も飲めるお店。大塚に何かいいお店ないかな〜と事前にネットで探した際下の記事に教えられた。
去年大阪に旅行して大阪のたこ焼きを食べたけど俺には合わなかった。今一度どんなものか確認してみたくなり行ってみた。
hayasinonakanozou.hatenablog.com
1月2日の夕方、満席を覚悟しつつ向かったら待たされずにカウンターへ通された。りんご酢サワーとイカ焼きを注文。お酒はすぐ出てきたけどイカ焼きは焼くから少々時間がかかる。スマホがあればいじりながら酒飲んでれば提供までの間を持たせられるけどないので手持ち無沙汰。カウンターの貼り紙やメニューを見て時間を潰す。
提供。初めて食べる食べ物。ソースで味付けされたイカが衣に包んである。これは旨かった。想像通りの味なんだけどもっちりした衣の食感がいい。一口目を口に含んだとき自然と「うま」と声が出たのでそういう食べ物なんだと思う。
続いてたこ焼きを注文。味付けが色々選べる。塩、ヤング(ソースとマヨネーズ)、レギュラー(ソースと青のり)など。孤独のグルメじゃないけどそれとなく他の客を観察するとヤングが多かった。自分もそうしようと思ったんだけど、銀だこみたく外カリカリで中が柔らかいならマヨが合いそうだけど外も中もふわとろな大阪のたこ焼きにはマヨは合わないかも…と思い直し、メニューに「おすすめ」とあったのもありレギュラーにした。タイミング的に他の注文とバッティングしたか(テイクアウトもやっている)、少しお時間いただきますと言われる。またしても時間潰しにメニューをめくる。そばめしや豚平焼きもある。
提供。外ふわふわ中とろとろ。中はかなり熱いので火傷に注意が要る。ああ万博記念公園で食べたのもこんな感じのたこ焼きだった、と思い出す。銀だことは似て非なるものって感じ。旨いけどやはり銀だこの方が好みかもしれない。
hayasinonakanozou.hatenablog.com
まだ全然腹に入ったけど外で一人飲みするのは久しぶりで、まして初めての店、地元でもない、というわけでアウェーの緊張があったか、リラックスできないので(お店の雰囲気は親切ないい感じでした)そそくさと退店する。同行者がいたら豚平焼きも食べたと思う。雰囲気はわかったし後日改めて来ればいいでしょう。今回は様子見。とりあえずいい店を開拓できた。
ホテル前のローソンでお茶とロールケーキを購入。部屋に戻って食べてからシャワーを浴びる。何度か泊まるくらいにベルクラシック東京が好きな理由は風呂とトイレが別になっているから。三点ユニットバスは苦手。便器のある空間で体を洗うのに心理的抵抗を覚える。以前一人暮らししていたときは風呂トイレ別の物件だった。
スマホがないのでテレビを見るか、持ってきた『指輪物語』1巻を読むくらいしかすることがない。テレビはいい番組がやっていないので本を読んだ。『指輪物語』、分厚く、話の進展が遅く、文章も独特で、思ったより読むのに骨が折れる。トム・ボンバディルと別れるあたりまで読んで中断。NHKスペシャル「新トランプ時代」視聴。テクノ・リバタリアンという名称に、同名の本を去年買って積んでいるのを思い出す。
視聴後、続きを少し読んで就寝。
翌朝、6時過ぎ起床。普段ならベッドでだらだらスマホをいじるところだがないのでできない。メモ帳に昨日の日記を簡単につけておく。7時前、まだ暗い中朝の散歩に出発。
大塚は商店街の入り口に鳥居がある珍しい町。そのさらに奥に天祖神社がある。ここで2025年の初詣。都電荒川線の線路に沿って南へ足を伸ばす。
線路沿いにバラが植わっている。
路面電車の停留所はいい。えも言われぬ情緒がある。
適当に歩いていたら突如高層ビル(マンション?)を背景に大きな公園が出現。大塚、のどかに見えてもやはりここは東京。このあたりで現在地がわからなくなってきたので引き返す。
商店街にモーニングもやっているいい感じの喫茶店があったので行ってみたら、まだ正月休み中らしく開いていなかった。なのですぐ近くのコメダへ。
コメダ、久々に来た。大きいサイズがあるのをすっかり失念していて注文時に店員とちぐはぐなやりとりをしてしまった。恥ずかしい。モバイルオーダー可能だがアプリからなのがめんどくさい。餃子の満洲みたくQRコードからできたらいい。
昨日のはち八もそうだったがここでもコーヒーを飲んでる時間が手持ち無沙汰。スマホがあれば天気やニュースを確認したり、はてブやRSSリーダーが読めるんだが。とはいえ手持ち無沙汰が苦になるでもなく、なければないで平気。ぼーっと目の前の窓から向かいの壁を眺めていて退屈を感じない。前回、ミスドでコーヒーを飲んでるとき無性にスマホをいじりたい欲求が出たが今回はなかった。
部屋に戻ってテレビを点けるとブラタモリの再放送がやっていたので見る。スマホがあるといじりながらテレビを見ることが多いけどないので集中して見られる。東海道五十七次。面白かった。
ホテルの冷蔵庫にブルボンのミネラルウォーター。ブルボンってお菓子のイメージしかなかった。キッコーマンの烏龍茶とどっちがレアだろう?
10時少し前にチェックアウト。外へ出ると朝は降っていなかった小雨がぱらついていた。大塚駅前から荒川線に乗り王子駅前で下車。下りたら雨は止んでいた。
本日の目的地、飛鳥山公園に到着。panpanya『そぞろ各地探訪』の登山の章に愛宕山、箱根山とともに出てくる。聖地巡礼である。聖地?
hayasinonakanozou.hatenablog.com
箱根山へはすでに行った。妙な空気を感じたのだった。
hayasinonakanozou.hatenablog.com
時速1.8キロの飛鳥山公園モノレール「あすかパークレール」、通称「アスカルゴ」は3日までお休み中。
なので歩いて登ります。登る、というほどでもないが。
登頂。お疲れ様でした。『そぞろ各地探訪』によるとこの飛鳥山、国土地理院の地形図には山としての記載がない。「長らく正確な標高の測量もなされていなかったが、平成十八年に北区が測量、国土地理院に山として認定するよう打診したものの実現には至らなかった」。もし認定されていたら愛宕山(標高25.7メートル)を超えて(?)東京都最低峰になっていたとのこと。
飛鳥山公園を造成したのは徳川吉宗。上野公園、芝公園、浅草公園、深川公園とともに明治6年に法的に公園として制定された、日本最古の公園の一つ。桜がたくさん植わっていた。
子供たちが遊べる遊具のある広いスペースの奥にSLの車両。渋沢栄一の史料館、飛鳥山博物館、紙の博物館、庭園などもある。紙の博物館に興味があったが1/3はさすがにやっていないだろうと思い寄らなかった。あとで看板を見たら2月いっぱい休館の由。春以降にまた来てもいい。
遠目に梅かと思い近づくと十月桜だった。その名のとおり10月から咲き始める。いいものが見られた。思わぬ収穫。
冬の自然は緑か茶色ばかりで味気ないと思っていたがちゃんと探せば鮮やかな色もある。
この世界に花があってよかった。
王子に来たのは初めてなので周辺を散歩しようかと思ったが、天気が悪いのと、JR王子駅前のマップを見たかぎりそそられるものもなかったので京浜東北線に乗ってさっさと帰路に就いた。
今回のデジタルデトックスまとめ
今回スマホを触らなかった時間は24時間から30時間のあいだくらい。
電車の本数が多い都内の方がローカル線しかない土地よりスマホがなくても移動しやすいはしやすいが、知らない駅に行くとよく知らない路線があって迷う。来たのと同じルートで帰れば間違いないんだろうが、もっと効率的な最短ルートがあるかもしれないのに調べられないのはもどかしい。今回、王子駅は初めてだったものの京浜東北線の大宮行きという知った行き先が出たからわかったけど、わからなければ荒川線で大塚駅前まで戻ったかもしれない。知らない土地に行く場合はスマホを持っていないためにある程度非効率になるのは受け入れるしかない。
デジタルデトックス二度目の今回思ったこととして、仮に持っていても「スマホをいじらない」と決めれば案外できそうな気がする。というか別にスマホやネットの全部がよくないわけじゃなくて、カメラやマップや天気予報や乗換案内やモバイルSuicaやタッチ決済や音楽プレーヤーは使えた方が便利なわけで、デジタルデトックスの名のもとにそれらまで手放すのは機会損失が大きい。今回はとくにカメラと音楽プレーヤーの必要性を感じた。飲食店で手持ち無沙汰な時間を潰すのはメニューなり壁を見るなりすればなんてことないが、料理の写真を撮るのに一眼はちょっと俺には勇気が要った。その証拠にたこ焼きの写真ピンぼけしてるし。撮るのに緊張してパニクってんだよ。小型のミラーレスでもカメラってやっぱ圧あるよ。スマホのレンズ向ける方がよほど気安い。
あと、俺は音に過敏なので電車移動中に大きい声で談笑するグループや奇声を上げる幼児と乗り合わせるとつらくなる。だから一人で電車に乗ってるときは大抵音楽を聴いて耳を塞いでいる。今回はスマホがなかったので代わりに耳栓を利用した。
これ、ちょっと高いけどパッと見ワイヤレスイヤホンぽくて目立たないので使いやすい。モルデックスも遮音性は高いけど色がカラフルなので耳栓してます感が出てしまい、室内でならいいけど外では使いづらい。
ブラウジングやSNSは時間泥棒。ついついハシゴしてしまって時間が無駄に過ぎていく。ネガティブな情報が多いせいで自覚できないまま負の感情溜め込んだりもしているかもしれない。なるべくそういう時間を減らしたい。ブラウジング、SNS、とくに前者はすげえ面白いんだけどね。だからこそ依存的で怖いというか。
出かけなくても、スマホを持っていても、月に一日でいいから使わない日を設定して実行できるようにしたい。