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文庫本裏面の紹介文を読んで、興味を思った。「『誰もがなりたくないと思い、それでいて誰もがなれてしまう。そこがホームレスの面倒なところだな』。代々木公園のホームレスで元刑事の椎葉明郎は、女性刑事、吹石夕子に日当二千円で雇われ、一家惨殺事件の推理に乗り出す。考えるホームレス、椎葉の求めた幸せとは?ハートウォーミングな長篇ミステリ」警視庁きっての優秀な刑事だったのに、ある不幸な事件で世を捨ててホームレスになった男が主人公、という設定が良かった。で、読んだ。当たりだった。優れたハードボイルドには、良いセリフ・良い会話(お洒落orクスッと笑える)、ほどよい感傷、主人公独特の哲学がある。
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ホームレスの元刑事が、警察時代の教え子から殺人事件の謎解きを依頼され、日給2千円でアルバイトすることに・・・。
主人公達の会話が楽しく、どんどん引き込まれていきます。
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ミステリー長編。
全く解決の糸口が見出せない一家惨殺事件に、主人公の女刑事は頭をかかえていた。そんなある日、かつての上司でキレ者のエリートだった男を偶然見かける。彼はなんと、警察を依願退職した後ホームレスになっていた!!主人公は彼に日当二千円を払い、家惨殺事件の真相解明を手伝ってもらうことにした。彼はなぜホームレスになったのか?そして、犯人は一体誰なのか・・・?
いいじゃん×2♪かなり長い話(約500P)なんだけど、話に惹きこまれてあっという間に読み終えてしまった。主人公と男の会話が、ジョークきいてておもしろい。女刑事の皮肉と、男の嫌味がなんともいえず、思わずクスリとしてしまう。
事件も二転三転し、最後の最後でうっちゃりをくらいました。最高に楽しめた♪
実際には、男は重い過去を抱えているんだけど、妙に達観(もしくは諦観?)してるのょ。とはいっても、達観できるようになるまでには、紆余曲折あったんだろうけどねぇ。ラストで、男が選んだ道はなんだか切ないけれど、彼が幸せならそれでいいのかもしれないと思う。
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なかなか核心に迫らない会話も退屈しないで楽しめた
家も家族も仕事も持たず考えることを拒む椎葉が不幸だとは思ってないけど、それでも社会へ戻って元の生活をと願ってしまうのは、椎葉が生きることを選んでいるからなのかな…
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一家惨殺事件と、女子高生殺人事件をめぐるミステリー。
関係の無さそうな人も無関係ではなく、一見何の問題も無い家にも複雑な事情がある。探偵役(?)の椎葉は際立った名推理をするわけではないけど、間違えたりしながらもじわじわと真相に迫っていく。
疑わしい人は何人かいるものの、最後の方まで誰が犯人なのか予想できませんでした。長編だけど読みやすかったです。
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タイトルに惹かれて初めて読みました。この方の作品。
登場人物の言葉のやり取りがなかなか面白いです。
そして主人公の椎葉がいい。元刑事で現ホームレスなんだけれども、一本筋が通っていて、何だかかっこいい。
二転三転していくすとーりー展開で飽きさせません。
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「誰もがなりたくないと思い、それでも誰もがなれてしまう。そこがホームレスの面倒なところだな。」
元刑事のホームレスが現職刑事に日当で雇われ、一家惨殺事件の推理に乗り出す。
そんなありえそうも無いお話ながら、人物描写が優れている為、いつの間にか作品世界に没頭。
表紙の写真に惹かれて良かった!!
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会社の先輩に借りて読んでみたけど、なかなか面白かった。
二転三転して犯人が誰だかわからない感じで、次が気になるのでサクサク読めます。
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矢口敦子の『償い』を読んで、ホームレス探偵という設定に興味を持って、こっちにも手を出してみた。この主人公は元敏腕刑事で、やっぱり過去に家族を亡くすなどという過去を持っていて、ホームレスになったっていう設定。このホームレス探偵のうちが面白いと思うところは、ホームレスらしからぬ言動に、まわりがびっくりしたりするところですかね。まぁホームレスらしいって何やねんっていえば、そうなんですが。話の展開も、二転三転し、ぜんぜん犯人がわかりませんでした。事件が二つあるんですけれど、どっちもなかなか確信持てなくて。そんな犯人でいいんか!?っていうのが正直な気持ちですがね。会話も面白いし、けっこう一気に読めてしまった。
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「たった一度ぐらい…」
「一度ぐらいの失敗なら、起きあがって、飛び直せばいいか」
「椎葉さんなら、飛び直せます」
「なんの話だ」
「べつに…、ただの、言葉のあやですよ」
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ミステリーです。
内容は殺人事件を女刑事と浮浪者の元刑事が解決する
というもの。
椎葉さんカッコよすぎです。
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刑事が単独行動はしないから、ホームレスに仕事を依頼ができるわけないとかいわないの。
前提が多少違っててもいいじゃん。
推理が組み違い前後賞的に外れてみたり、今までぜんぜん出てこなかった人がイキナリ犯人だったり、
多少無理はあるような気がしたけど、それをさっぴいても十分あたしは楽しめた。
考えるホームレス、と、名付けられた主人公はひねくれた言い回しながら、ときに鋭く、ときに醒めていて、なかなか面白いキャラ設定。
後半一気に加速するからね、途中で止めようってのはあきらめて。
開いたら最後まで行った方がいい、この加速度はなかなか、よいです。
最後がハッピーエンドじゃないという意見もあったけど、そうかなぁ。
すごく現実的でやさしい、あたしは素敵なエンディングだと思ったけど。
最後まで読んでタイトルを見返すと、ちょっとしんみり?
バイバイしちゃうの?
いやいや沖縄に、ブルーのまぶしい色にて展開希望。
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代々木公園のホームレスで元刑事の椎葉明郎は、女性刑事、吹石夕子に日当二千円で雇われ、一家惨殺事件の推理に乗り出す。考えるホームレス、椎葉の求めた幸せとは?ハートウォーミングな長篇ミステリ。 (Amazonより)
世をひねた男といい女コンビの作品が多い樋口有介ですが、今回の主人公は世をひね過ぎてホームレス。なんとまあ。でも女のほうは刑事なので、ちゃんとした(?)警察小説でもあります。推理というよりも地道な捜査によって浮かび上がる真実。終盤の少し強引な展開はアレですが、まあ警察小説なんだし、そんなもんですか。ドロドロした事件やホームレスの過酷さを描いているのですが、読後の後味はそんなに悪くありません。主人公は椎葉明郎。その名前から、「踊る大捜査線」などで有名な2文字違いのあの人のイメージで読んでしまいました。違和感まるでなし。
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ホームレス椎葉が、女性刑事に頼まれて一家惨殺事件の謎を解く。
椎葉の過去とかは、ちょっとネタばれになるのでひかえます。
最初に、エグイ惨殺事件の描写があって、うっとなるんだけどその後は、樋口有介らしくてよい。やっぱり、樋口有介は「オジサン」を描くのが上手い。「探偵は今夜も憂鬱」の柚木もそうだけど、軽口が、ちゃんと軽口になっててよろしい。普通のオヤジは、軽口が嫌味になってる場合がほとんどなんだよね。
でもって、へんに説教ぶらないところがなおいい。主人公と他の距離感が、とてもいい。こういう距離感を上手く描くのって、なかなかできるもんじゃないよ。
とってもよかったです。
樋口さん、これからもこういうオヤジを書いて欲しいです<切望
でもって、最後の一言が、すごーーーーーく効いてる。人は前むいて生きていくんだよ、って背中を押してくれるようだ。
考え見たら、人生から逃げたようなホームレスを使いながら、最後はここに着地したんだから、すごいよな。ウルトラCだ。
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未解決の殺人事件を担当する一所懸命だけれど空回り気味で上昇志向が強くやや自己中な女性刑事と、その事件で両親と妹を亡くしひとり生き残った女子高生美亜、不注意で我が子を死なせてしまい離婚し退職して代々木公園で暮らす元敏腕刑事の椎葉という全くバラバラの3人が、事件を巡りある種の不思議な信頼関係を築くお話。事件の内容も登場人物の抱える背景もしんどく重いし、椎葉の視点を介して作品全体に諦念が漂っているのに意外にも読後感はスッキリ。途中少々つらくなりましたが最後の事件解決のくだりは謎解きにも無理がなく、しかもテンポ良くトントンと展開するせいかも。読み応えありました。