心あらば、この乙女らの雄々しさに泣け!
2005/01/22 09:33
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:にんぎょ - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画を見て、読んでみようと思った。そして、今まで嶽本野ばらを読んでいなくて、損をしていたと思った。
おかしい。下妻という田舎で思いっきり浮きまくりのロリータやってる桃子の一人語りの、世の中に背中向けちゃった部分と、実にシビアに現実を見る部分のよじれたギャグのおかしさは最高。レトロで良い子のヤンキーをやっているイチゴのアッパラパーな突き抜け感も笑える。
思いっきり笑えるが、泣けた。
桃子はテキヤ、バッタ屋の父と、不倫で家出の母を持つ堂々たる欠損家庭の娘であり、現実認識の鋭さは人並み以上。余計な甘えを持たない、人に期待しない彼女はどうしたって孤独。イチゴはクラス中から馬鹿にされ、自己嫌悪の孤独の中にいた。
しかし彼女たちは、卑屈に集団に擦り寄ることで孤独から逃れようとはせず、また世の中に対してすねることもせず、自分たちの美学を貫いて敢えて孤独に生きることを選ぶ。その美学がロココの世界であり、イチゴの「主義」なのである。それは傍から見て、いかにスットンキョウであろうと、眉をひそめられようと、自分をごまかすことなく、苦しさと闘う乙女なのだ。
見た目は違えど、二人はお互いを知る者なのだ。そして馴れ合いからは生まれない孤独を知る者同士の友情は、ここにこそ育むことができるのだ!
ちょっと痛いけど眩しい青春
2004/07/08 13:06
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:らせん - この投稿者のレビュー一覧を見る
四方八方田んぼだらけの茨城県下妻。そんな田舎で浮きまくりのバリバリロリータ少女・桃子は、大好きなお洋服欲しさに始めた個人販売で、これまた時代遅れなバリバリヤンキー少女・イチコと出会う。見た目も趣味も全く違うこの二人。わかり合えるはずはないのに、やがて不思議な友情が芽生えて…。
“乙女のカリスマ”嶽本野ばらさんの『下妻物語』が、2004年5月の映画化を機に文庫本として登場しました。全編桃子の視点で書かれたモノローグで、ロココを貫くロリータ少女の根底から、生まれは尼崎の関西テイストがほの見える語り口はとても面白いっ! ド田舎ヤンキー少女のイチゴ(本名イチゴだとヤンキーらしくないのでイチコと名乗ってる)も、往年の大映ドラマを彷彿とさせるキャラ(頭は弱いが心根純情)が実に良い!
誰しも生き方にはその人独自のスタイルがあって、スタイルとは人生哲学のようなもので、哲学がない生き方もまたひとつのスタイルで、大多数と違うスタイルをしてるからといって、人を色眼鏡で見るのは自分のスタイルを棚上げにした不遜な行為なのだという、ごくごく当たり前なことが、痛快で笑えるストーリーの中に巧みにさりげなく書かれた本です。
でも実際人は人を、自分と相違点が多いだけで区別し差別し誤解するものだから、ふたりの少女が己のスタイルを貫くことは、本当はすごくしんどいことなのが、大人の私にはよくわかります。それだけにふたりのCoolいやあえて言えば男前な生き方に惜しみない称賛を送りたいものです。ここに描かれているのは、ちょっと痛いけど眩しい青春です。
勝負に勝ったときのイチゴの捨て台詞「畜生! 覚えてろ!!」は、この本を読んで笑ってしまった私が、作者の野ばらさんに贈りたい言葉だわ。
切なく、繊細で孤高と抱き合わせのような乙女の生き方を書いた他の作品も好きですが、随所にギャグを散りばめたこの物語はとても楽しく読めました。深キョン主演の映画も評判が良いそうです。そちらも合わせて見たくなってきました。
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嶽本野ばらと言えば、言わずと知れた「乙女のカリスマ」。所謂ロリータファッションの女の子なんかに絶大な人気がある作家…という解釈でいいんだろうか。しかし、それじゃ何のことだかさっぱりわからない。一体どういう内容の小説を書いてるんだ?と、こういっては失礼になるのかもしれないが、怖いものみたさの興味があったのだがなかなか読む機会がなかった。昨年、「鱗姫」が文庫落ちしたのをきっかけに読んでみたのだが、これが真面目なのか不真面目なのか、大いに悩む内容だった。なんというか、こう、「そ、それって本気ですか?」と問いただしたくなるような、冗談としか思えないことが真面目に書かれていた。正直言って面白くなかった。いや、もちろん、あれは全部笑っていいんだよということであれば、面白かったということになる。と、何とも中途半端な読後感だった。
そして、今回の「下妻物語」。映画化と聞き、ちょっと興味がわいた。最初は、また乙女な内容なのかと思ったが、そうではなくギャグ満載らしい。それなら読んでみよう、と思った次第。笑って読んでいいと言われればとても気楽に読める。もう、のっけから快調に飛ばしてくれる。
主人公である桃子は、ロリータファッションに身を包み、ロココな精神で生活することをモットーに、友達も作らず、独特の思考回路を持って生活している。当然、田舎では目立つ、特異な存在だ。対するイチゴは、地元では有名なヤンキー娘。こちらも別な意味で目立ち、またヤンキー独特の不思議な価値観も持っている。もうこれだけで笑える。こんな2人が友達になっていく、その過程を、ご都合主義的ストーリー展開に笑いの種をあちこちに織り交ぜながら、さわやかに描いている。なんと言っても、この少女2人の会話がとてもかわいらしいのだ。お互いに相手の趣味を理解する気は毛頭ないが、相手自身のことは尊重している。2人で一緒の時間を過ごしながら、少しづつ成長していくのだ。ほのぼのとして暖かい話だと思う。
ロリータファッションを事細かに書いてあるところは、ちょっとよくわからないのだが、わからなくても十分に読める。手軽に読めるエンターテイメント小説を探しているなら、この本をすすめる。笑いだけで終わらない読後感が実にいいのだ。
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初めは少女小説なのかしら?ジュニア向け?でしたが、途中から加速度的におもしろくなります。
「好きなものは好き!嫌なものは嫌!」と信念を持つヒロインがいい!
続編もWeb上で読んでます。
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映画がサイコーにいい出来だった『下妻』。それもそのはず、原作がおもしろいから。
嶽本野ばらめっちゃ男やん!ってぐらい突き抜けたギャグ、そして理路整然としたロリータ&ヤンキー論。女には書けねーよこんなカッコイイ友情は!
ただ、ファッションのことを語りはじめると止まらなくなるのには辟易。
映画はこの面白さにキャスティングの巧妙さが加わって、よりイイ感じ。CM監督のデビュー作にはうってつけの素材だったのではないかと思う。
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超おもしろい!
まじめなんだかふざけてんだか全然わかんない!
でもたまらなくおもしろいです!
あたしは相当すき。
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面白い。こりゃー面白い。映画をDVDで見たけど、小説で読むのとはちょっと違った。すごいテンポ速くて、漫画見てるような感じ。それもそれで面白かったんだけど、小説は、何かこう、地味なところで笑わさせられたり、毒舌に皮肉でマイノリティなところがあったり(?)でウケるんだこれが。
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映画と脚本を読ませてもらいました。
友達が製作スタッフですから!
本は見てないけどテンポ良いです。
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「何だこれ、ロリィタとかひくし」とかこの小説読む前は思ってました。この映画見るまでは深きょんも嫌いでした。
でもこの小説見て変わったね。
ロリィタいいじゃない!って思います。
かなり内容も面白いです。
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とても奇妙な組み合わせ。けれどとても良いコンビ。自分の個性を消さずに、付き合える友達って本当に良いものだと思いました。
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大真面目に書いたらギャグになったみたいな(笑)面白かったです。下妻っていう設定も良かった。この2人が一緒に歩いたら目立つだろうなぁ。野ばら入門にはいいのでは。
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おもしろかったー!女の子の友情モノってあんまりない中で、これはストレートに心に響きましたよ。映画も見たいのに、近所のレンタルショップでずっと貸し出し中。悔しい。
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「御意見無様」で不覚にも電車内で吹き出してしまった。めちゃくちゃいいノリでした。映画も見てみたいなぁ。
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おもしろい!ロリータの始まりやらロココやら最初は難しい説明がたくさんあるけれど、それを過ぎると面白いお話が待ってます。桃子とイチゴの掛け合いが面白い!最後で桃子が関西弁でバイクを放り投げるシーンは爽快!
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読み始めは文章に馴染めなかったのですが、途中からは嶽本野ばらの世界にグイグイ引きこまれてしまいました。これは面白い!!
映画のほうはまだ見てませんが期待大です!