いまいちなスリラー
2017/05/16 08:40
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投稿者:J・P・フリーマン - この投稿者のレビュー一覧を見る
世界中には若者を中心としたアナーキズムが蔓延していた。彼らが崇拝するのは「若きジークフリート」と呼ばれるヒトラーの息子と目されている男だった。しかしその「若きジークフリート」も黒幕の駒に過ぎなかった、なんてかなりの大風呂敷を広げれていますが、風呂敷をたたみ切れずに終わってます。主人公がアナーキストに対抗する組織に入ってスパイ活動を行うかと思いきや、その後特に目立った活躍をすることはありません。主人公がいないところでストーリーが進んでいるのが原因ですね。最後の裏切り者を捕まえるシーンも主人公不在って……。
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アガサ・クリスティー作品。
ポアロもミス・マープルもトミー&タペンスも登場しません。
ジャンルとしては、スパイものなのかなぁ?
主人公(らしくないけど…)は、外交官のスタフォード・ナイ。
空港で、ある女性と出会ったことから国際的な陰謀に巻き込まれます。
巻末の「クリスティーで読むイギリス使用人事情」は、森薫さん書き下ろしマンガです♪
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話を読んでいると、「フランクフルトへの乗客」ではなく、
「フランクフルトでの乗客」というのが妥当なように感じた。
霧で着陸できなかった飛行機が、フランクフルトで乗り継ぐ。
ドイツのルフトハンザのハブ空港はフランクフルトだ。
飛行機の話題があって、アガサクリスティが生きている頃に、
飛行機も利用されていたことが分かった。
話の筋としては、政治的な事項、経済的な事項、旅行、貴族、芸術など、
いろいろあるが、やや気になるのは政治的な事項だろう。
時代を感じさせる物語の一つだ。
解説の森薫さんが、漫画の解説にしているのは出色。
ps.
日本からのヨーロッパへのハブ空港は、アムステルダム、コペンハーゲンが有名だった。最近は、フィンエアーがアジアからヨーロッパへの玄関口としてヘルシンキをハブ空港にしようとしている。
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世界的陰謀を阻止しようと奮闘するスパイものです。
謎のある魅力的な女性や好奇心あふれる主人公も好きだけど、田舎に住む主人公の叔母さんが一番好きです。
彼女は田舎で隠居生活を送っていますが、世界を動かす人々となぜか面識を持っていて、要所要所で登場してきます。
彼女の存在のおかげでストーリーが引き締まって、面白くなっていると思います。
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あんなにミステリーをワクワク書いてくれるんだから、スパイ物もうまい筈!!
・・・期待を盛りすぎました。
あれ?という感じ。
背後の闇組織とかは凄く凝っていたのになー。バラバラでまとまりなくて残念なものになっっちゃった感が。
そりゃ巻末でもう一つの楽しみ方の提案、あるよなぁ。。。
かく言う私も古き良きイギリスの風俗風景たのしみにしている一人ですが。
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ポワロ、マープル、おしどり夫婦とは無関係のスパイ物。推理はない。
他のクリスティ作品を予想して読むと期待を裏切られるかも。
個人的には、シリーズ以外を読むならこの作品より「そして誰もいなくなった」「チムニーズ館の秘密」だと思う。
クリスティはスパイ物より推理物が好き。
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死への旅とかと同じ陰謀ものでも
ちょっとわかりにくい作品。
色々広げてたたみ切れなかったような気がするのは気のせいか。
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うーん。。。。。。
クリスティらしさみたいなものがあるとして、この作品は唯一そこから外れているかも。
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図書館で。
なんて言うのか世界のどこかに悪い組織があって色々な陰謀を抱えているというのは存在がわからないからこそ薄気味悪く物凄い強大な悪として思えるのであって○×機関とか名前を付けた途端になんとなく矮小な存在に見えてしまうというか。やはり具体性は避け曖昧にしておいた方が怖いんだよな、なんて思いました。人間の想像力ってすごい。
というわけでここに居る悪い人、とわかってしまうとソウナンダー、で、この人はどうやって失脚させるの?みたいになってしまうのでちょっと残念。大叔母さんは素敵だったけど主人公二人がいつの間にか空気になってしまい、アレレ?と思いました。
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私には難しすぎたのか、物語がどんな方向性で進んでいるのか全然わからず、結末もよくわからなかった。
若者たちはどこへいってしまったのか、
メアリ・アンとスタフォード・ナイの絡みまではよかった
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…うーむ。やっぱりクリスティはサスペンスには向いてなかったね、ということで。
導入はいい感じなんだけど、中盤からぐだぐだに。
一応トミー&タペンスの世界観なんかな。そこでの登場人物が色々。
解説は(「エマ」の)森薫が描いていて、クリスティものに出てくる
メイドについて熱く語っているのだけど、肝心のこの本の内容に
ついては全然触れられていないのが面白い。まあ困るわな。
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2004年発行、早川書房のクリスティー文庫。解説は森薫。スパイものだが、結構結構面白い。アクションはなく茶飲み話で真相が明らかになる感じ。主人公二人の仲よくなり方もクリスティらしいかな。ラストは意外といえば意外だが、唐突といえば唐突。エピローグはいつもどおり。
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怖い物見たさ(読みたさ)で読んだ本書。霜月蒼さんの「クリスティ攻略本」で散々な酷評であったが、まさしくそのとおり。エスピオナージュ物として、これほど退屈な本は今までにお目にかかったことがない。
霜月蒼さんには⭐️五つを進呈したい笑
少しでも期待を持たせたのは冒頭のエピソードだけ。後は、延々と老人たちの若者批判、当時の社会情勢に対する不安がダラダラと垂れ流される。物語の筋もよく分からない。登場人物もさしたる説明もないまま新手の人が次々に登場して勝手なことを話していく。果たして訳が悪いのか私の頭が悪いのか、物語が全く見えないまま話は進む。そして最後は取ってつけたようなハッピエンド。
一体クリスティは何を書きたかったのだろう。本作を書いたのは最晩年、もう大作家の誉を恣にしていたのだろう。編集者は何か言いたくても言えなかったのかな。ある意味ここまで緊張感のないスパイものはすごいと思う。人格改造やらネオナチやら道具建てはすごいので料理次第では面白いものになったかもしれないだけに残念、と言いたいが、期待を上回る駄作ぶりに感動した。
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再読。
のはずだが、まったく覚えていなかった。さらにどうにも読みにくい。クリスティの作品でこんなにも理解しにくいなんて。
とにかく話が拡散するばかりで、ちっとも収束しない。風呂敷を広げて、広げっぱなしという他ない。主人公もおよそらしくない。弱ったもんだ。
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イギリスの作家アガサ・クリスティの長篇ミステリ作品集『フランクフルトへの乗客(原題:Passenger to Frankfurt)』を読みました。
『愛の探偵たち』に続き、アガサ・クリスティの作品です。
-----story-------------
その日、サー・スタフォード・ナイをフランクフルト空港の通過客待合室へ追いやったのは、ジュネーヴ上空を覆う濃霧だった。
マラヤでの調査任務を終え、ロンドンのわが家へ急ぐ足を止められた、この中年の外交官はいささかうんざりしていた。いつもこうだ。
魅力のない仕事を終えたばかりなのにいまいるのは騒々しい待合室。すべてが退屈だった。
先が見えた任務、きまりきった空の旅。人生さえも。
せめて、なにか心躍らせるもの、未知の事件が自分を待っていたら……? 冒険への扉は突然開かれた。
一人の美女が、とてつもなく奇妙な願いを訴えてきたのだ――危険が迫っている。
別の人間になりすましてロンドンに入りたいので、パスポートとマントを貸して欲しいと。面白そうだ。
やってみる価値があるかもしれない。
彼は、眠っている間の盗難に見せかけるために、女の残していった睡眠薬入りのビールをゆっくり飲みほした……。
なにくわぬ顔で、ロンドンへ帰ったサー・スタフォードを待っていたのは、イギリス諜報部の異常なまでの関心だった。
そして、彼をつけ狙う何者かの影。
二度も轢き殺されかけた時、彼は謎の女にもう一度逢おうと決意した―― 《フランクフルトへの乗客、至急連絡乞う》! 一外交官が巻きこまれた国際的大陰謀―― 現代文明への諷刺を盛り込んだクリスティーのスパイスリラー!
解説:森薫「クリスティーで読むイギリス使用人事情」
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1970年(昭和45年)に刊行されたノンシリーズ物のスパイ・スリラーです。
■まえがき
■ 第一部 中断された旅
・1. フランクフルトへの乗客
・2. ロンドン
・3. クリーニング屋からきた男
・4. エリックとの夕食
・5. ワグネリアン・モチーフ
・6. ある貴婦人の肖像
・7. マチルダおばの助言
・8. 大使館のディナー
・9. ゴドルミング近郊の家
■第二部 ジークフリートへの旅
・10. 城に住む婦人
・11. 青年と美女
・12. お抱え道化師
■第三部 国内で、そして国外で
・13. パリ会議
・14. ロンドン会議
・15. マチルダおばの温泉治療
・16. パイカウェイは語る
・17. ヘル・ハインリヒ・シュピース
・18. パイカウェイの解説
・19. サー・スタフォード・ナイの客
・20. 提督、旧友を訪問する
・21. ベンヴォ計画
・22. ジュアニータ
・23. スコットランドへの旅
■エピローグ
■解説 クリスティーで読むイギリス使用人事情 森薫
パスポートとマントをかしてほしい……空港で出会った謎めいた女性の申し出は、外交官スタフォード・ナイを国際的大陰謀へと巻き込んだ、、、
帰国した彼をつけ狙う何者かの不気味な影、世界各地で起こる暴動、そしてドイツ山中の巨大な城に潜む謎の老嬢……一外交官が巻きこまれた国際的大陰謀とは? 諷刺と奇想に富んだ女史得意のスパイ・スリラー。
外交官のスタフォード・ナイがフランクフルト空港で謎の女性と出会い、危険が迫っているのでパスポートとマントを貸してほしい奇妙な願いを聞き入れたことから、国際的大陰謀に巻き込まれる序盤の展開や、ヒトラーが生き延びていて、その息子が存在しているのでは……と思わせる展開、人間を情け深い性格に変えてしまうガス兵器を開発しようとしたベンヴォ計画等、興味深い部分はあったものの、気持ちが物語に入り込むことができず、途中から集中力を欠いてしまいましたね、、、
風呂敷を広げ過ぎて、収拾しきれていない感じ……アガサ・クリスティの作品にしては物足りなかった印象です。
以下、主な登場人物です。
スタフォード・ナイ
外交官
マチルダ・クレックヒートン
スタフォードのおば
ゴードン・チェトウィンド
スタフォードの上司
ミルドレッド・コートマン
アメリカ大使の妻
ネッド・アルタマウント
イギリスの有力者
ロビンスン
謎の人物
ヘンリー・ホーシャム
保安にいる男
メアリ・アン(レナータ・ゼルコウスキ)
フランクフルト空港で出会った謎の女性
ジェイムズ・クリーク
ロード・アルタマウントの補佐
マンロー
大佐
パイカウェイ
陸軍大佐。特捜部主任。
フィリップ・ブラント
提督
ロバート・ショーラム
マチルダンの友人。物理学者
リーザ・ノイマン
ロバートの秘書
マカラック
医者