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なるほど、たしかに、これはSFだ。
いや、ロボットも、宇宙戦争も、スチームパンクも、なんもないよ。
普通の街の、普通の人たちの物語に見える。
でもこれは紛れも無く、いやなんとなく、たぶん、もしかすると、SFだ。
SFと数学って、似ているんだ。
この本も、どことなく数学で成り立っている、そんな気がするんだ。
詩羽の行動決定も、数学。
衛星が見える時間も、数学。
善も悪も、数学。
人の幸福さえも、数学に帰しているのかもしれない。
そう思った。
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人に親切にすることが仕事だという詩羽。
彼女の周りの人々は皆幸せになるという。
人と人を笑顔で繋げる夢物語。
SF作家っていうのはアイディア勝負なところがあって、わりとそれでだけで生きている人が多いように思います。
しかし、山本弘はアイディアだけでなく、キャラクターを描くのも上手いですね!!
そんな山本弘の非SF作品です。
現実ではありえないような理想論の話だけど、とても心に訴えかけられます。
人生、みんながこうすればきっと上手く行くのになーと。
自分の生き方に少し影響を与えてくれるような作品でした。
ちょっとしたことでいいから周りの人に親切にしてみようと。
是非是非是非読んでみて下さい!!!
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お友達が絶賛していたので読んでみました。
個人的には最後の章は釈然としない部分が多かったけど、詩羽のやることに引き込まれます。
人との繋がりを大事に思えるそんな一冊
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ちょっとした親切の連鎖が幸福を呼びこむハッピーでファンタジックな小説。
決して説教臭くはないが、私のように少しばかりヒネた性格にはアクが足りないような気がする。
しかしそこがいい部分である。『幸せ』を謳う物語にありがちな整合性のとれないツッコミどころが少ないし、わかりやすいストーリー・人物と明るい雰囲気。小中学生・高校生には読んでもらいたい。
「ペイ・フォワード」という映画を思い出した。
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詩羽さんの存在と言動がとても非現実的で「世の中そう上手くはいかないだろ…」とつぶやきたくなるしちょこちょこ説教めいてる。
それでも「いや、でも、もしかしたら」「私にだって少しだけなら」と思えてしまうのは、この作品のまっすぐさ故かなと。
漫画や小説の小ネタが散りばめられていておもしろい。
漫画家の苦悩が印象的でした。
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有川浩さんが解説の第1行に書いた
「詩羽に手を引かれて444頁を駆け抜けた。」
との言葉通り、小さな奇跡の連続に胸が躍って
頁を繰る手が止まらない本です!
人生に行き詰っている人を見つけてはデートに誘い
足りない何かを、足りているところから融通して
(これを詩羽が「ワラシベ」と呼んでいるあたりが好き♪)
ささやかな幸せのお裾分けをしながら生きる詩羽。
そのお裾分けの報酬がお金ではなく
数か月に1回泊めてもらうことだったり、古着であったり
レストランでのランチや、医院での診察であったりして、
お財布どころか、家も保険証も持たない彼女が
今でいう「地域通貨」の解釈を、もっとおおらかに拡げて
自由に生き生きと暮らしていることに驚きます。
秘めた可能性や能力に気付かずに空回りしている人たちの歯車を
築き上げたネットワークを駆使して噛み合わせ
やがては町おこしのイベントにまで繋げてしまう詩羽ですが、
彼女の生き方の根底にあるのが「愛」とか「理想」とかの
絵に描いたようなスローガンではなく
人が少しでも快適に生きるための「論理」だ!と言い切り、
奇跡を呼ぶためには、泥棒あがりの住職だの
元ゴミ屋敷の住人だのの協力も当然のように仰ぎ、
法律の網もかいくぐって、まったく天使然としていないところが素敵。
作中に登場する架空の漫画やアニメも
実際に読んだり見たりしたくなる面白さで、
カードゲーム好きの小学生のためにカードのトレードを
詩羽が鮮やかに取り仕切ったシーンで始まった物語が
街を舞台にしたアニメの「聖地巡礼」を兼ねた
キャラのカードを集めながらのオリエンテーリングで閉じられるあたりも
サブカル好きの読者には堪えられない魅力になっています♪
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有川さんの本の「あとがき」でこの本を知りました。著者も大の有川ファンと言うことで、気になって読んでみた。
有川作品に似た軽い読み心地です。これもライトノベルなのでしょうか?
(私が読んだのはハードカバー版でしたが、文庫も出てるらしい)
ストーリーの背後にある著者の「マンガへの愛」がしっかり感じられます。主軸となる、「詩羽」に巻込まれる人々の物語と、作品の中に出てくる「戦まほ」のプロットが巧みです。
一人の女性によって「変化を前向きに捉え、根拠の無い意地は捨て、論理的に日常を楽しくしよう」
と言う表と、
誰もが心の奥に密かに抱く気持ち。「人は本来、残酷で排他的。攻撃的な生き物であり、善意を持って生活している日常は本来の姿では無い。」
と言う裏を、
際立つように並べて表現し、それを分かった上で「それでも善意を信じてる」とお互いの間を飛び回る詩羽と、押され引っ張られる登場人物たちが、生き生きと描写され、私には少し眩しいほど。
私自信、ほとんどマンガは読まないのですが、この「戦場の魔法少女」は読んでみたい。もしかして実在するのか?と検索しましたが、やはり架空の設定のようです。
有川ファンである著者は、この本に有川さんの「レインツリーの国」を話の中で「そう言えば、こう言う本があったんだよね。」と登場させています。
プラスして、SFファンが「ナニナニ?メモしとこ」と思えるプロットもチラホラ見られる。
この山本弘と言う著者はSFも書くらしいので、この辺りも読んでみたい所です。
2001年宇宙の旅、私的にこの映画は退屈で見られたものじゃ無かった。何が評価されてるの?と疑問でしたが、小説版はもっと単純で分かりやすいらしい・・・
ああ、
こうやって、知らなかった著者や本にめぐり会って行くのも、また楽しいなぁ。ウシシ。。。
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<poka>
詩羽にこれからの日本の可能性を感じました。
<だいこんまる>
詩羽が大好きです。
ゲームのキャラに「しいは」と名付けました。
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あなたが幸せじゃないから―
マンガ家志望の僕は、公園で出会った女性にいきなり1日デートに誘われた。
確かにいっこうに芽が出る気配がない毎日だけど…。
彼女の名前は詩羽。
他人に親切にするのが仕事、と言う彼女に連れ出された街で僕が見た光景は、まさに奇跡と言えるものだった!詩羽とかかわる人々や街が、次々と笑顔で繋がっていく。
まるで魔法のように―幸せを創造する詩羽を巡る奇跡と感動の物語。
少し前に読んだ感想になるのですが...
(再び軽くは読み返してみました)
普通では出会わないような人間同士を結びつけ、思いがけない化学反応を起こさせることで双方に幸福をもたらす...
まるで触媒のような働きをする謎の女性・詩羽の日常を描く連作短篇集4作が収録されています。
一つ一つの作品が短いこともあり非常に読みやすく、すんなりと物語に入れる作品だと思います。
作中で起こる出来事や事件の内容が濃いので読み応えもあります。
収録されているのは全4話。
第1話 それ自身は変化することなく
第2話 ジーン・ケリーのように
第3話 恐ろしい「ありがとう」
第4話 今、燃えている炎
それぞれ詩羽以外のキャラの視点で物語は進んでいきます~
ボランティアでもなく、有償でもなく、ただ報酬として各々の出来る”ご褒美”を受け取る仕事人。
わらしべ長者だったり、地域通貨的なアイデアを、彼女は自分の行動を通して体現してしまう。
人と人とのギブアンドテイクを繋いでいく主人公の詩羽のバイタリティは痛快で、巻き込まれる登場人物一人一人と同様に読者の自分も彼女の魅力に引き込まれていくそんな不思議な話。
ほのぼのしたファンタジーだけではなく、善と悪の狭間で苦悩する人や社会の闇も取り込んだストーリーで読者に問題提起していく手法は見事だと思います。
何気に生活している私達の世界...
少し見方を変えれば違った世界が広がっているのかもしれないっと言う夢と希望も与えてくれます。
個人的にはドラマが大好きなので、このお話もドラマや映画にもなって欲しいなぁ~っと感じました。
その時、主人公詩羽は誰が適役なんでしょうかね...
と少し考えたのですが(年齢/謎めいた役柄/味のある人など)難しいです(+_+)
長澤まさみさん?いやもっと若い設定なのかなぁ...
(読まれた方は誰が適役だと思いますか?)
私は好きな作品なので全員にオススメしたいのですが、心が病んでいる方?には少しツラく感じるかもしれません。
そうでない方は是非一度読んでみて下さいね☆
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一言で言えばとても説教くさい小説という感じでしょうか。
恐らくこの作品を読んで、感動したという人と辟易したという人に大きく分かれるのではないかと思うのですが、私自身は辟易したくちです。
とてもいいお話だと思うのですが、あまりにもあざと過ぎて私のようなひねくれた人間にはスゥーと入ってきません。
ただ、著者お得意の役に立つうんちくが沢山散りばめられていますから、とても役に立つファンタジーであることは間違いないと思います。
純粋な心根をお持ちの方にはお薦めです。
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この本はわたしを作った本の一冊です。「ねぇ、デートしない?あなたが幸せじゃないから。」物語は、公園でぼーっとし ていた青年に詩羽という女性がこう話しかけたところから始まります。言われるままに彼女と 1 日デートをする羽目にな った僕は、街中を連れ回されます。お金も家も持たない詩羽は、街の人同士を結びつけていきます。そう、詩羽は困ってい
る人を数珠つなぎにしてみんなを幸せにしていたのです。彼女の起こす幸せの連鎖は彼女の手を 離れ大きな連鎖になっていきます。
わたしがこの本に出会ったのは高校生の時です。当時学校の図書室にいた司書さんに進めても らった 1 冊で、わたしが教師になりたい、あわよくば図書館司書もやりたいと思ったきっかけの本 です。作中に「本のソムリエ」と呼ばれる司書さんが出てきます。彼女は話を聞いて、相手にぴった りの 1 冊を選びます。わたしにとって高校の図書室にいた司書さんはまさに「本のソムリエ」でし た。わたしもいつかなりたいものです。
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あなたが幸せじゃないから。マンガ家志望の僕は、公園で出会った女性にそう言われていきなり1日デートに誘われた。確かにいっこうに芽が出る気配がない毎日だけど・・・。彼女の名前は詩羽。他人に親切にするのが仕事、と言う彼女に連れ出された街で僕が見た光景は、まさに奇跡と言えるものだった!詩羽とかかわる人々や街が、次々と笑顔で繋がっていく。まるで魔法のように――。
有川浩が解説していることとブクログで評価が高かったことで気になって手に取ってみたんですが、いやー予想外な話だった。マンガ家志望のニート、自殺願望の女の子、人を困らせるのが趣味の教授。彼らに出会い、まっすぐに向き合いながら「親切にする」ことで物事を変えていく詩羽の姿は、こんな上手くいくわけないと思うのに、でも同時にこんな子がいてくれればいいのにとも思う。私の街にも一人くらいいるかも、と信じたくなる。ファンタジーだけど地に足をつけた小説。気持ちよく読み終えました。
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詩羽みたいな子と出会ってみたい。自分も前向きだと思ってたけど、さすがに詩羽には負けます(笑)有川浩さんの解説にもある通り「私たちはこの物語を読む前より少し幸せになれるに違いない」ですね!
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詩羽の言葉で長年の疑問に一つの答えが見出せた気がします。
難しいことに悩んでいる方、だまされたと思って読んでみてください。
押し売りでも、なんでもなく、きっと何か、見つかります。
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この物語の中で起こることや、詩羽の言動は「そんな上手くいくか?」と思うことが多いし、説教臭いと感じることも多い。
でも、気づかないうちに自分から可能性を閉じていることは確かにある。現実問題に対して、自分のワクを広げることで解決の可能性を提示するスタンスは心に残った。