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ジャケ買い。
高知の夏を彩る「よさこい祭り」。都会から高知の大学にやってきた青年の友情と恋愛の物語。なんとなく、ミステリーなのかと思って買ったら、青春物語でした。真っ直ぐキラキラの青春ストーリー。
子供の頃から夏休みに父親の故郷である高知に遊びにきていた主人公。4年前、中学生だった時に1度だけ参加した「よさこい祭り」。そこで抱いたほんのりとした恋心。4年後、大学生になった彼が高知に戻ってきたのは、その心に決着を付けるため!?
ストーリーは、ちょっぴり平坦だったけれど、「よさこい祭り」の楽しさが伝わってきて面白かった。
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祭りに燃える青春。よさこいの描写も躍動感溢れていてとてもよかった。土佐弁と脇を固めるキャラクターの個性も大好き。最後はちょっと物足りない気もしたけれど、また夏になったら読み返したい。高知のよさこい祭りにも行ってみたいと強く思った。
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土佐の高知のよさこい祭りを舞台に、
東京から高知の大学に来た主人公の
一夏の成長を追った作品。
主人公の篤史は、東京出身だが
毎年長い休みは高知の祖父母宅に来ていた。
地元の同い年の従兄多郎に誘われ、
中学三年生の時に一度だけ参加した
「よさこい祭り」の踊り連で年上の女性に一目惚れ。
だがその彼女は、祭りの二日目には顔を出さず...
中途半端に断ち切られてしまった彼女との絆。
果たせないまま四年間引きずっている約束。
当人はなかなかそうとは認めないが、
その宙ぶらりんな気持ちに整理を付けるべく
高知にやって来た主人公。
だが、彼女を探して、会えたとして、
果たして自分はどうしたいのか。
年上の彼女はもう結婚しているのかも。
大体、正確な名前さえあいまいで...
彼女に会いたいと同時に、同じくらい会いたくない。
会うのが怖い。自分の気持ちに自信がない。
ゆらゆら揺れながらも、おせっかいな周りを巻き込み、
時に自分でも想像していなかった行動力を見せて
徐々に「幻の彼女」に近づいていく主人公。
果たしてその結末は...というメインのストーリーを、
四年振りに参加したよさこい祭りの「熱さ」「濃さ」が
大きく飲み込んだまま時間が流れていく。
最初は多郎に半ば無理やり参加させられたよさこい。
上達しない踊りに苦しみ、人間関係に悩み、
時にぶつかり、時に人を助け、助けられながら、
徐々に祭りの興奮に飲み込まれていく篤史。
このよさこい祭りの描写が、とても丁寧で、
祭りを知らない人でもどんどん引き込まれて
観客ではなく「参加する側」に感情移入できる。
そして私は、実は「参加する側」として
とさではないがよさこい祭りに絡んだことがある(^ ^
具体的には、某さいたまの踊り連に
踊るための音楽を提供したわけで(^ ^
当然本番も何度か見に行った(^ ^
道路っぱたで一観客として見たこともあるし、
本番前の打ち合わせなど、インサイダー目線で
参加させてもらったこともある。
一度など、ぜいたくにも地方車に乗せてもらい、
自分の作曲した音楽に合わせて
百人からの人間が踊るのを高みの見物、
なんてなこともさせてもらった(^ ^
あれはもの凄い快感(^ ^
作曲家冥利に尽きるってもんで(^ ^
...ということで、私はおそらく
一般人よりもよさこいへの思い入れが強い(^ ^
自分で踊った経験は無いが、練習、準備、前日、
当日の本番前の緊張、いざ踊り始めた熱狂など、
もう篤史たちの気持ちが手に取るように分かる(^ ^
さらに、主人公以外の登場人物も魅力的。
それぞれにそれぞれのストーリーがあり、
それぞれが迷い、悩み、挫折し、乗り越え、
うまくいったりいかなかったりしていく。
それらもすべて、よさこい祭りを太い縦軸に
同じ時間を共有しながら進んでいく。
そして、皆悩みや迷いを抱えたまま���がら、
よさこいの本番の大きなうねりには逆らえず、
それぞれなりに祭りに集中し、楽しんでいる。
ただ、一日何回も会場を変えて踊る、
その合間の時間になるとまた悩み出して...
それが解決しないうちに次の踊りが始まり...
小説的に「じれったさ」を演出してるのかも知れないが、
でもこの流れはもの凄くリアルだ。
どんなに気がかりなことがあっても、踊らねばならない。
祭りは今しかないし、他のメンバーに迷惑は掛けられない。
が、「ねばならない」で踊り始めても、
仲間や観客の熱い視線に煽られて、いつの間にか集中し、
のみならず「熱狂」してしまう。これが祭りの魔力。
作者は、よさこい祭りのことをよく知り抜いていて、
動と静とのコントラストを見事に描き切っている。
読者も、登場人物と同様に悩み、はらはらしながらも、
熱い祭りの描写には一時それを忘れてしまう。
読後感は、本当によさこい祭りに参加したような(^ ^;
そして、大きくストーリーが動き出す前の
静かな導入部分で光明に張られた伏線が、
徐々にほぐれ、結び直されてゆくクライマックス。
エンディングでも、「まだまだ終わらない」祭りと、
「新たなる始まり」を匂わせる人間関係と、
本の最終ページを過ぎてもまだまだストーリーは続く(^ ^
いや〜、本当に読んでて気持ちのいい一冊でした(^o^
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夏真っ盛り。
強い日差しも、人々の熱気も最高潮に達するこの季節。
よさこい祭りに思いを込める人々がいる。
祭りの本番を目指しながら、そこまで作り上げる人々の悩みや友情や夢、そして成長。
4年前に会った少女と再会を夢見て祭りに参加する篤史。
今年も会えるだろうか。
人々の夢を乗せた暑い祭りが始まる。
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いや~~~面白かった。久しぶりに感動した。高知よさこい祭りの熱さが紙面から伝わってきた。鯨井町のよさこいチームが中心舞台だけど、主人公の篤史だけでなく、登場人物それぞれが人間味たっぷりで、各々の青春や恋愛が描かれていて良かったなぁ。人にお薦めしたくなる一冊です。
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一度本場のよさこいが見たいと青春18キップで乗り込んだ。
同じ阿呆なら踊らにゃそんそんを地で行く自分が、ただただ通り過ぎる隊列に手を叩いて歓声を上げた。
行き当たりばったりなスケジュール、
踊ってる最中に腕を掴んで無理矢理メダルを掛けたり、
かと思ったら踊り子も手を振って列から抜けたり、
最後尾からは団扇のサービス。
賞がらみのソーラン系を踊ってばかりだった自分には驚く事ばかりで、
でも純粋になんて楽しいんだろうと思った。
これが祭だって。
本当は夏の真っ盛り、ギラギラな酷暑のど真ん中で
読みたかったけど、なんとか残暑には間に合ったかな。
昼間の原色の鮮やかさ、
夜の幻想的な艶やかな深み、
抜群に派手で明るいのに、どこか哀しいんだよね、まさに。
未来は、決まってないことの方が多いよ。
南国高知には恋以外の花も咲くよ。
次は何して踊ろうかな。
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高知のよさこい祭りと篤史。
この本を読んでると、よさこい祭いきたくなる。
まだ一度も見に行ったことがないから、今度、来年見に行く!
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主人公の探す「いずみ」という女性の正体や、周囲の人々との関係など、腑に落ちない点は多数ある。
しかし、よさこい祭りを描いた青春小説としては秀逸。
よさこいの熱気や興奮をリアリティをもって感じる事ができる。
それだけに「少女探し」という一番の芯の部分に物足りなさが残るのが残念。
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よさこいの説明が多く、ちょっと飽きそうになったけど…、爽やかな恋愛小説。
憧れの人を探す過程は、推理小説のようでもある。
自分には甘酸っぱ過ぎるけど、良い話でした。
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青春全開な本でした。「かも」を大事にせぇ。青春だからこそ実行できるのかもしれず、羨ましい限り。
憧れの彼女の正体は少し分かりやすかったかもしれませんね。
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青春小説。がんばれおとこども。
おとこのこ、じゃなくておとこども。
男共、って書くと複数形だけど、おとこども、だと、男であり子供でありついでに複数形、のようなニュアンスになって面白い。男っていくつになってもバカばっかりしてるんだろうないいなあ、みたいな。
夏とよさこいの描写が秀逸で、その場に一緒にいるかのような臨場感で溢れてる。無理くりよさこいのチームに入れられた篤史の戸惑いとか、覚悟とか、決意とかが生々しく伝わってくる。もちろんよさこいの楽しさも!
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青春小説の醍醐味といえば『ボーイ・ミーツ・ガール』は外せない。
本書はそんな王道、といってもすでに四年前に出会った彼女との約束果たすために彼女を探すという物語。
そこに夏のよさこい祭りが舞台装置として描かれる。
よさこいにかける人々の想いや、そもそもこのお祭りは各チームすべて自分たちでプロデュースして自腹を切ってプログラムを制作し、祭りの運営側もすべて手弁当で踊り子たち各チームを支援するこのお祭りの情景がいきいきと描かれている。
2年前から数ヶ月の間に何回か高知を訪ねて、高知の姫たちと語り飲んだ街の景色を思い出す。
もう、前回訪ねてから早いモンで一年も経ってしまった。
そもそも本書を知ったのは、ちょうど今年のよさこいの最中に高知の姫から紹介してもらったのがきっかけだった。
前に住んでいた池袋でも毎年夏になるとよさこい祭りをやっていたが、それほど興味を引くモノでは無かったが、今年はfbを通じて流れてくる本場高知のよさこいの状況や本書を読んでみて、本場のよさこいの空気を自分も肌で感じたいと思わせる、暑い夏の日の二日間の物語であった。
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たった2日間、その2日間に自分たちの夏 すべてをかける
よさこいについて予備知識なく読み始めたこともあって、文章だけでなく絵や映像で見たいと強く思った
主人公がよさこいに本気になっていくにつれこちらも物語に入れ込んでいけるのが読んでいて心地良い
たった一瞬のために力を尽くし、その一瞬を迎えたときに味わえる快感と感動と寂しさ、それを経験したことが誰しも一度はあると思う
読書中、そんな自身の青春時代を何度も思い出せた
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夏に読んだら、よさこい祭りの熱気がもっと伝わってきただろうなー。こんなにも大掛かりなものだと初めて知りました。でも思ったより話にハマれずに読了。題材はいいけど登場人物にあまり魅力を感じなかったのが原因。特に篤史にはほとんど共感できなかった(主人公なのに)。初恋の人を探すっていうのも、そんなに好きなように見えなくて「ふーん」としか思えなかったです。
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ここしばらく、大崎梢氏の旧作を連続で読むことにした。
いつもながらに…細やかな描きこみに心打たれた。人によれば、ひと夏の祭と淡い恋…の取り合わせをありきたりのテーマだと思うだろう。でも私は、大崎さんが描く限り、上っ面を舐めただけで終わる青春ドラマにはならないだろうと確信していて、まさに期待通りだった。
登場するのは、それぞれの人生の輝きの中でそれぞれの思いを抱え、時に壊れそうになりながらも歩き続けるたくさんの主人公たち。互いが時に重なり、繋がり、反発しあい、強く結びつき、それぞれの夏を完結させてゆく。
篤史もそのひとり。篤史にしかわからないこだわりと思いを胸に、因縁のよさこいに加わる。
チームの絆は、互いを思いやり労わるだけでは生まれない。なぜなら、それぞれが目指すところは向きも高みも異なっているからだ。それはそれぞれの生きる道の違い。だから、ばらばらなメンバーを結びつけるものはそこにはない。ただ、チームの踊りが最高の瞬間を極めることを刹那の願いとして集う。ひとつのことに全員で打ち込み、成し遂げたという実感と揺るぎない自信、はじける笑顔と爆発する喜びをお互いに認め合った時、それこそが絆となる。
絆は刹那。そのような強いものは、人の一生を貫き続けることはない。でも確かにそこにあった。みんなではじけた。輝いた。それこそがそれぞれの人生をやがて動かしていく力になる。
賞を獲ったチームの後夜祭、それにそのあとのチーム解散が描かれていないところにこそ、綿密な取材を通じてきっと生まれたに違いない、作者のよさこいへの愛を感じた。描きたくなかったのだと、私は思う。
強い力と清々しさに、私もひととき酔わせてもらった。