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みなさんがちょくちょく感想あげていた憧れのクリスティーを遂に読む。
上流階級の優雅なお喋りと、ポアロの余裕綽々なゆったりとした推理が心地よく、実は夏風邪でしばらく寝込んでいたんですが、格好のお布団の友になった。
最近流行りの特殊設定ミステリも刺激的で面白いけど、古き良き名作ミステリも、やっぱりすごくいい。
他の物語も読んでみたい。
しかし、この結構大胆なトリック、荒々しい犯罪、体を張った隠蔽工作を、意外なあの人が澄まして実行してる様子を想像するとゾッとする。
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富豪の遺産を巡っての難事件。証拠を探すというより、相手に勝手に喋らせて論理的に推理してく流れに、毎度毎度驚かされる。今回も意外な犯人でした。
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クリスティの凄い所は傑作、良作が多い事だ。好きな作品を5つあげよと言われればある程度気分により候補が分かれるのだが、簡単にいえば90点以上の作品が物凄く多く、傑作をあげよと言われたら数十作程挙げられるのでは無いだろうか。
今作「葬儀を終えて」も紛れもなく傑作であり、導入部、少し風変わりなコーラという女性が兄の葬儀の場にて兄は殺されたのでしょ。と口走る。葬儀に参加していた人々はその言動を馬鹿にするが、心の中では疑惑を抱えている。そんな中、コーラが何者かに惨殺される。家族と昔から付き合いのある弁護士エントウイッスルは旧友であるエルキュール・ポアロに真相解明を依頼する。
イギリスの昔風の田舎の屋敷で起こるミステリーは現代の僕たちからしたら新鮮であり、優秀な執事、料理人やお手伝いさんを抱え、華やかなイメージだが、クリスティの時代背景にはそれらの栄光から消え掛かった、現代風の生活に変わってゆく過渡期が背景になる事が多い。今回の執事の嘆きにある様に、決して過去の栄光に戻る事はなく、そんな舞台が美しく抒情的に思てしまう。
今回はポアロ単独さくであり、ヘイスティングスもオリヴァも登場しないが、動機やトリックは秀逸であり魅力的な作品だ。少なからずクリスティ作品では、最も犯人と思えない人が犯人であり、最も犯人であるべき人がきちんと犯人になる。そのため、読了後作品に対して納得出来るし、幸せになるべき人物を幸せに描くためとても気持ちが良い。
僕は過去、この作品を初めて読んだ時(昔の文庫にはバーコードがついていない為、ブクログ登録が出来ないのが残念)動機とトリックにとても関心してしまった。現代であれば、科学的な見地から難しい部分が沢山あるのは事実だが、この時代であればアバネシー家を漂う数々の謎がミスリードになっており十分に読者を惑わせてくれる。
構成として、既に人が亡くなってからの、葬式から始まるという事がタイトルと相まって暗い印象を創っている。登場人物其々が叔父の死を喜んでおり、遺産によって救われる人達ばかりだ。
この時代背景も現代に通じる部分がおおく、読み進める負担がない理由だろう。
しかし面白い作品だ。探偵の登場が後半になる作品がいくつかあるがポアロの活躍を十分に見る事ができた。彼も既に歳を取っているが、灰色の脳細胞は健在であり、今回の事件のきっかけ(本筋の殺人の偽装)を見破った事は驚愕だ。
外国人としての偏見を理解し利用する様もかれの能力だと思う。
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これぞ隠れた名作。
初めて読んだ時「うわ、やられた!」と思った。
今回数年振りに読んだけれど、ホント上手いんだよなあ。
当主を亡くしたアバネシー家を動揺させた『だって、リチャードは殺されたんでしょう?』という一言。
その言葉を放ったコーラは翌日死体となってしまう。
「ポアロシリーズはメジャーな作品しか読んでいない」という人がいれば、ぜひ読んでくださいと言いたい。
ここまで見事にしてやられると、かえって気分が良いもんです。
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なんとな〜く、家政婦の証言を信じなければアッサリ片付きそう、とは思ったが、ここまで捻られているとは思わなかった。読み返すと確かにウキウキしているシーンではコーラと呼ばれてなかった。脱帽。
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1953年発表、エルキュール・ポワロシリーズの第25作。遺産相続の諍いから始まるオーソドックススタイルのミステリなのだが、仕掛けは決してありきたりなどではない。最初から最後まで手がかりは堂々と提示されているし、読者なら頁を遡って怪しい記述を探すこともできる。それでも欺されるのはやはり女王クリスティの類稀な力によるもの。時代の移り変わりにより、世間のポワロの認知度に差が出てきているのも良き。
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『疑う力』で、真山仁氏が必ず騙されると薦めていたので読んだ。
クリスティーは、若い頃からいっぱい読んでいるせいか、うーむ、個人的にはベストとは言い難い。普通。ただやっぱり文章も翻訳も上手いので、一気読み。きっと昔に既に読んでいて再読だったんだろう。
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「だって、リチャードは殺されたんでしょう?」
アバネシー家の当主、リチャードが病死した。彼の葬儀の後、遺言公開の座上で末の妹、コーラが口にしたのはとんでもない言葉だった。
ポアロシリーズ25作目
上手い……上手すぎるんだよ、クリスティは(笑)
最初から最後まで、とてもクリスティらしいお話。お金持ち一族の主人が死んで、財産分与で揉めるヤツ。
それぞれのキャラがやっぱり上手い。やなヤツあり、カッコいい女性アリ、怪しい人あり。
問題発言をした末妹のコーラの造形がまた良い。
そして安定のポアロ。この食えないオジ様がたまらん(笑)
オチにはしっかり驚いたし、安定感抜群なんよなぁ。女王はすごい。