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前作が女性テロリストの過去との訣別を描き、本作では同様に元警官の過去との訣別を描く。多分、次回作は白髪の傭兵ということで話を紡ぎ、最後に見えない敵との戦いを描くことになるのであろう。話としては良くできているが、過去との訣別が、そうそう今の敵に置換されて都合よく、過去の因縁の登場人物が全て現在に揃うかというと、少々、非現実感が否めない。また、最初から物語のガジェットとして登場する人型ロボット兵器と警察小説との融和に必然性が無く、兵器としての火力が圧倒的なだけに、警察抑止力との拮抗性が無いので、何のために警察がいるのか、また、何のために制約が大きい警察でロボット兵器を使うのかが分からない。ロボット兵器を犯罪に使う相手に合わせてということなのかもしれないが、犯罪に使うにしても足がつきやすく、幾ら強くても最終的に逃げられなければじり貧となってしまう犯罪に、投資に見合うリターンが得られそうにないので、知能犯罪には向いていない。物語の飛び道具としてはあるのだが、主役には成りえず、このままでは局地戦の物語になるだろう。脇を固める警察官が最終的に解決に何の寄与もしないのが良く分かる。
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やっぱりすごいわ。機龍警察シリーズ。
今、これほど「次」を待ってるシリーズは他にない。
今回もヤラレっぱなしで一気に読み終えた。
この世界観、空気感、雰囲気がいい。
ここまで、警察小説とSFを質高く融合させている小説は他にないでしょう。 政治や経済も絡んできて、重さも申し分ない。
外交上の駆け引きも、息詰まる展開。
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警官達の生き様を描いたSFポリスアクションの傑作
ロシアの「最も痩せた犬達」の生き様が涙を誘います。
是非お薦め。
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シリーズ3作目。
今作はユーリ・オズノフが主人公です。
突入班の三人の中では最もメンタルも技術も未熟にみえるユーリですが、泥臭く捨て身で戦う姿が良いです。まさに「痩せ犬」。
冒頭からいきなりユーリが辞職しているという展開になっていて何事?と思うわけですが、今作は作戦が始まる1部、ユーリの過去が明かされる2部、そして現在の作戦も過去の真相もすべてに決着が着く3部と分かりやすい構成でした。
故に展開も結末も意外性はないのですが、囮捜査の緊張感と駆け引きや、機甲兵装による戦闘のおもしろさもあって全く飽きることはありません。とにかくボロボロになっているユーリが可哀想。そして同時にひたむきさが可愛らしくて、ユーリ頑張れ!の気持ちで一気読みでした。
姿俊之とライザは全く違う世界の人という感じがしますが、ユーリはどこか甘さがあって親近感があります。
天才肌の2人とは違い、些細なしぐさや言葉からの堅実な推理は良かったですし、脆そうな精神は人間臭いです。
ご都合主義な感じもするラストですが、清々しさがあり気持ちよく終えました。
しかしこのシリーズはやっと分かり合えた!という人物が次々死んでしまいます。この先大丈夫なんでしょうか。
本作でようやくプロローグが終わったという感じです。次作から本格的に「敵」との戦いがはじまるのかもしれません。沖津さんの過去も気になるところです。
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『機龍警察』、『自爆条項』に続くシリーズ第3作。今回の中心となるのは元モスクワ民警のユーリということで前作、前々作にもまして警察小説色が濃厚。彼の壮絶な過去と現在の事件が絡みあうスリリングな展開から目が離せない。腐敗した組織の中で自らの正義を貫く男たちの矜持にも涙
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シリーズ第3作。「自爆条項」は未読。
SF的な部分があっても、立派に警察小説として読ませます。ユーリのロシア時代のエピソードは、トム・ロブ・スミスの一連の作品を思い起こさせます。
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文庫になるまで待つつもりだったのに、サインにつられて単行本購入。
読んでよかった。ユーリ繊細。可哀想萌え。
犯罪の国際化に日本警察がついていけてない、というベースは幾多の警察小説でも使われてるけど、これもまた未来予測の範疇。現実はSFをどこまで超えられるだろう。
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堪能した。文庫化されるのが我慢できずに買ったわけだが、よかったよ。
辛かったなユーリ。まっすぐ生きるんだぞ。
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見開きを使った登場人物の多さに腰が引けますが、読み終わるまで殆ど「これ誰だっけ?」と思う機会は有りませんでした。今回はユーリ・オズノフ警部がメインなんですが、現在の捜査、ロシアの回想がはっきり分かれており思考があっちこっちに飛ぶような展開になってないんです。まぁいつもの描き方と言えばその通りですが。前2作に渡って暗い翳のある屈折したオズノフさんが描かれていましたが、なるほど物凄い過去です。よく挫折しないでまた警官になったものです。その過去と綺麗に決別する為の今回の事件、また上手い具合に過去の事件の主役たちが勢揃いしますが、まぁそれを言っちゃあお仕舞いよ!と言う処でしょう。壮絶な対決で事件は解決、これで3人の龍機兵操縦者の紹介は終わり。個人的には非情の暗殺者、ライザ・ガードナー編が一番かなぁ~。次回から新展開?
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面白いんだけどこの次も、次の次も出るだろうからそこでもっと唸らせてもらえそうだから☆5じゃなくて4。
このシリーズはなにかアクション(アニメ化とか)があれば一気にバカ売れすると思う。実際に面白いし凄い。
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機龍警察シリーズPart-ⅲ:今回は〈龍機兵〉パイロット、ユーリ・オズノフの過去(モスクワ警察時代)と、武器売買のブラックマーケットを絡めながら、一級の警察小説として展開。前作の首都高速ノンストップアクションのような派手さはないものの、ストーリー的には更に練られた構成です。泣けます。
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文庫になるまで我慢できずにとうとう読んでしまった。相変わらず物語を読ませる力が半端じゃない。無印は過去と現在が頻繁に入れ替わるのでやや分かりにくかったけど、自爆条項からは過去エピソードがまとまっているので集中できる。あと、やっぱり脚本家出身だからか映像映えするだろうなあという印象。
痩せ犬そこまで魅力的に思っていなかったけど一気に株が上がった……。痩せ犬の七ヶ条……。事件自体はやっぱり前と同じ上層部に巣食うと思われる強大な敵がエンドだけど、過去の闇と決着をつけたからラストシーンがすごく清々しくて、ユーリがんばれ……まっすぐに生きろよ……と震えた。
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ユーリの過去が紡がれ、物語が展開していきます。
物語の二重構造、関係性の相似と、話の巧さに、
夢中になって最後まで一気に読んでしまいました。
影と灯火、この二人の一つ一つのエピソードが繋がります。
現代で再び相対したとき、二人はどのような感情を抱いたのでしょうか。
それは最後までわからない感情であったのでしょうか。
物悲しくなりつつも、清々しい終わり方で、読後感が良かったです。
相変わらず沖津部長が謎ですね。
続きがとても楽しみです。
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燃えた!これは燃えた!!ユーリとダムチェンコさんの絆が熱い!敵役のティエーニことゾロトフも最後まで最強なダークヒーローでカッコいいし、クライマックスまでの盛り上がりがもうたまらん…しかも舞台は宮城県閖上というリアリティ溢れるロケーション!沖津さんの静かな力強さも相変わらずぐっときます。ユーリの命を救った鈴石警部補の頑張りにも泣けました!
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機龍警察第三作。間に過去編を挟む話の流れは共通してるけど、このユーリ主役のエピソードが一番気に入った。