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そういえばなかなか感情移入し難い主人公やった記憶が。
あと、、内容にしては長い。もうちょい削れそう。
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カージャック事件、しかも後部座席には子供が乗っていた。誘拐になる事を恐れ子供はすぐに解放されると思われたが予想に反して1日が過ぎ、犯人からの嫌がらせが始まる。
面白いサスペンス。犯人は読めるし、トリック的な要素は少ないが、ストーリー展開はスピーディーで読みやすい。もう少し短くても良い。後半は少しだれてしまった。
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面白くなかった。もっと、優秀なミステリ、警察小説はたくさんある。
受賞作品だからって信用しちゃダメな典型的な本。読むのに時間掛かったし、その時間が無駄な気までしました。
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シリーズ第五弾。順番に読んだ方が面白さを実感できるのだろうと、読書中に何度も思った。
私の読み方が悪いようで、ストーリーもキャラも何ひとつ頭に入ってこない。とっ散らかった印象があり、拉致・監禁というネタもこのボリュームでは小粒すぎ、と言うより、よくもまあここまで話を引っ張ったなあという感が強い。停滞してるのか前進してるのかさえわからない。早い段階で見失うと悲劇だなあ。
刑事の勘で犯人を見極めたりとか、肝心な部分はお粗末でげんなり。推理のプロセスよりも、寄り道の方にウエートが置かれてるように思えてならない。雑多な要素が押し込まれてるようにしか見えないのだが、見る人が見れば傑作ってことか。
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上手い、上手すぎる!
シリーズ物とは知らずに本作を読んでしまったが、
シリーズ的背景、人物相関を知っていればより楽しめたのかも。
2012 年 エドガー賞長編賞受賞作品。
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途中、プロットを大旋回させる作者の手並みはみごと。
今日、日本でもしばしば登場するテーマが大掛かりなエンターテイメントになっている。
日本だったら小さく小さく収斂していくような書き方をするんじゃないかと思われる。
冒険小説的な部分もいい。
ただ、シリーズ物を途中で読む辛さも。邦訳未刊行の前2作が読めれば、なおよし。
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内容(「BOOK」データベースより)
当初は単純な窃盗と思われたカージャック事件。だが強奪された車の後部座席に乗っていたはずの少女はいっこうに発見されない。捜査の指揮を執るキャフェリー警部の胸中に不安の雲が湧きだしたとき、今回とよく似た手口の事件が過去にも発生していたことが判明した。犯人の狙いは車ではなく、少女だったのか!事件の様相は一変し、捜査に総力が注がれる。だが姿なき犯人は、焦燥にかられる警察に、そして被害者の家族に、次々と卑劣きわまる挑発を…屈指の実力派が、MWA賞最優秀長篇賞の栄冠を射止めた力作。
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2012年度アメリカ探偵作家クラブ賞(MWA賞)受賞作。
2012年度MWA賞は東野圭吾「容疑者Xの献身」がノミネートされ日本でも話題なったのですが最優秀長編賞を受賞したのは本作「GONE」(邦題:喪失)です。
著者は1962年生まれのイギリス人で15歳の時に学校を辞めてアルバイト生活を転々とし東京でもホステスとして働いた経験もありアメリカに渡ってからは大学で修士号を取得している多彩な人生を歩んでいる女性です。
作品はロンドンから西へ200キロ程の小さな街のスーパーの駐車場で幼い女児を乗せたままの車がサンタクロース覆面の男にジャックされる事件が発生し当初は金品目的の盗難で子供はどこかで返されるとの憶測で捜索が進むが次々と同一手口の犯行が行われ被害者の女児が2人が帰ってこない上に3件目は途中で犯人が逃げ切れず車ごと放棄して逃亡した。
重要犯罪捜査隊は何度もの包囲網をかいくぐる手口から警察内部情報に詳しい人間と犯人を特定し追い詰めて行くが第一容疑者は自殺を図り手が掛かりが消えてしまう。
次々に発生する事件と被害者家族の悲壮な気持ちや行方不明の女児の安否、更に重要犯罪捜査隊の必死の捜査活動はミステリーの醍醐味を十分に味わせてくれますが、、、
行動派の女性警官の殺人遺棄容疑やウォーキングマンと呼ばれる主人公に予言的な助言をする浮浪者の存在や更には簡単に第一容疑者が亡くなり真犯人があっという間にあぶり出される展開はちょっとガッガりでした。
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自動車盗から子供の誘拐そして親への復讐
という事件の構図が変質していく過程は見事
喪失というタイトル
犯人像,動機も面白い
シリーズだからウォーキングマンとか
そのへんのどういう役割?みたいな部分があった
うーんでも思っていたほどでは・・・
翻訳になれていないせいだろうか
なんとなくハリウッド映画原作という雰囲気
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とても面白くて一気読み。緻密なプロット、厚みのある人物造形、サスペンスに満ちた語り、どれをとっても一級品。MWA賞受賞もむべなるかな。是非シリーズを順次邦訳してほしい。
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2012年度のMWA賞には東野圭吾さんもノミネートされたため、日本でも話題になりましたが、著者は東野さんなどを破り、当年のMWA最優秀賞を受賞。
本書はその受賞作となります。
連続幼女誘拐事件を題材にしたストーリーは主人公と準主役の2人(あるいは2人の主人公)を中心に話が進んでいきます。
また、主人公を導くシャーマンの様な存在も登場し、少なくとも前半はどことなく「スピリチュアル」な印象を受ける内容となっていました。
では前置きはこの位にして以下であらすじをご紹介。
重罪犯罪捜査隊を率いるジャック・キャフェリー警部のもとにカージャックの一報が入る。
奪われた車には幼児が乗っており、その身の安全が懸念されるも、統計的に3時間以内に解放されると見られていた。
しかし、潜水捜索隊隊長、フリー・マーリー巡査部長の越権的な口出しにより、これは単なるカージャックではなく連続幼児誘拐事件の内の一件であることが判明。
事態は急展開する。
子供が殺害される前に救出できるか否か。
内心絶望しながら捜査の指揮を取るキャフェリー警部。
そんな彼を嘲笑うかごとく、犯人は次々と警察の裏をかいていく。
犯人の動機は?
被害者たちの共通点は?
すべてが謎に包まれる中、捜査陣は真犯人を探り当て子供たちを救えるのか。
読んでいる途中で真犯人は自然と想像がつく様になっており、謎解きと言う観点では楽しみが少ないかも知れません。
しかし、登場人物たちの個人的側面
・マーリー巡査部長:弟が飲酒運転の末にはね殺した女性の死体を隠匿
・キャフェリー警部:この死体遺棄をマーリーが殺人を犯したと誤認し、自らが指揮したこの事件の捜査をあらぬ方向へ誘導
・(上記のシャーマン的存在)ウォーキングマン:かつて殺された自身の子供の遺体を探して放浪中のホームレス
が良い刺激となっており、これに犯人とのニアミスも加わりストーリーが深みを増しています。
主人公たちがヤバい秘密を持っている。
この不安定感が独特の雰囲気を醸し出しているのを感じながら読了。
尚、訳者の後書きによれば、本書はシリーズものの5作品目との事。
しかし、(実際私がそうであった様に)この事を知らずに本書から読み始めてしまっても充分に楽しめる内容です。
最も、シリーズ1作目「死を啼く鳥」と2作目「悪鬼の檻」は和訳版が出ていますのでこれらを読んでから本書を読むという読み方も出来ます。
とは言え、現時点(2013年4月8日)では3作目と4作目の和訳はなされていない様ですので、結局、シリーズを順番通りに読む事を気にする必要は無いのかも知れませんね。
いずれ折を見て1作目と2作目を読んでみたいと思います。
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読み応えのあるスリリングなミステリ。
車が強盗され、後ろの席には11歳の少女が乗ったまま。
カージャックが目当てなら、足手まといになる子供はどこかにおいていかれ、まもなく発見されると思われたが‥?
子供は見つからず、緊迫した展開に。
キャフェリー警部シリーズ5作目だそう。
評価が高いので、初めて読んでみました。
この作品からでも読めます。
ブリストルのジャック・キャフェリー警部は、重大犯罪捜査隊の指揮を執っている。
スーパーの駐車場で、車が奪われた現場の緊迫した様子から、一気に引き込まれます。
フリー・マーリー巡査部長が、キャフェリーがロンドンから赴任する前に、似た事件があったことを指摘します。
フリーは小柄な女性(フリーは通称)だが、潜水捜索隊隊長。
冒険家で万能だった父の血をひいている。
じつは前作で、弟の起こした重大な事件の証拠を隠匿していた。
以来、仕事に身が入らず、仲間に心配されている。
キャフェリーとは内心惹かれあった仲だったが、今はキャフェリーの目には苦い失望しかない。
その理由がフリーにはわからなかったが、実はフリーのしたことに気づいたキャフェリーは、フリー自身が罪を犯したと誤解していたのだ‥
キェフェリーは子供だった30年前に、兄が誘拐され、ついに見つからなかったという経験がある。
ウォーキングマンというホームレスの男は、娘を誘拐した男を殺した過去がある。
互いの過去を知る二人は、時折顔を合わせ、ウォーキングマンは謎めいた言葉で啓発し、キャフェリーはそれにすがるような思いを抱くこともあった。
警察官の地道な捜査と、被害者家族らの必死の思いと意外な人間関係、やがて出来上がる力強い連携が、きめ細かく描かれます。
その背景に、警察内部のキャフェリーとフリーが抱えている問題も濃い陰影を落とすのがユニーク。
フリーは土地勘を働かせて、少女のいそうな地点の捜索を主張。
大掛かりで危険な捜索が不発に終わったため、それ以上の主張が通らなくなる。
見落としがある可能性に気づいたフリーは、単独で捜査に。
犯人の魔の手が迫る‥?!
作者は15歳で学校をやめ、バーメイド、英語教師など、さまざまな仕事を経験。
2000年、「死を啼く鳥」で作家デビュー。
1、2作は翻訳されていますが3、4作はまだ。
4作目は相当、暗そう。
その重さを知る読者には、この作品でのスリルと大転換がさぞ読みごたえあったことでしょう。
それもあっての受賞だったかなと思います。
東野圭吾の「容疑者Xの献身」も候補に挙がった2012年度のMWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞の最優秀長編賞受賞作です。
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一気読み。途中で筋がわかってしまうところはあったし、あまりスッキリとした終わり方ではなかったが、なかなか面白かった。
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ローズ・ブラッドリーの車が、とある男に奪われた。その車には、幼い娘マーサを乗せたままだった。突如起きたカージャック事件だったが、重大犯罪捜査隊警部であるキャフェリーは、同時に連れ去られた子供に関しては、すぐに戻されるだろうと見ていた。
しかし、24時間経過してもマーサは見つからず、事件は複雑な様相を呈する。
ジャック・キャフェリー警部、フリー・マーリー巡査、ジャニス・コステロの視点を移りながら物語は展開していく。その他、ニック、ウォーキングマン、ポール・プロディなど魅力的なキャラクタが作品を彩る。
なんだかよくわからない関係性をたいして説明もなくさくさく飛ばして行くな、と思ったらこれシリーズものだった。これが五作目らしい。ええー。
なんだか、アヤシイ部分がこれ見よがしに提示されているので、最後の犯人は割と早い段階で気付く。親を罵倒して車を奪っていることから、親がターゲットなのだろうとうすうす分かるようにしているし。
ミステリとしてすごく出来がいいとは思わないけれど、好きな終わり方だった。
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英国の警察には潜水捜索隊というものがあるのか。エイボン・アンド・サマセット警察の潜水捜索隊長である女性刑事フリー・マーリーは、そのクール・ビューティぶりで、どこかキャロル・オコンネルの印象的なシリーズ・ヒロインであるマロリーを想起させる。そしてその陰の部分の深さでさらに印象を深める。まずこの作品を分厚いものにしているのは、多くの脇役たちのキャラクター造形なのだが、このフリーという女性にはとても惹かれるものがある。ザイルをセットして独りケイビング捜査に果敢に挑戦する捨て身の冒険シーンなどは血湧き肉踊るスリルの基本形みたいで、喝采を送りたくなる。
一方で、動というより静のイメージが強いシリーズ主人公のジャック・キャフェリーだが、この人にも陰影がある。小児性愛者に兄を殺された過去があることで一家は離散し、自分は生き延びたことの現在を背負って生きており、それがゆえに小児性愛者をひどく憎んでいる。
キャフェリーのシリーズは今は絶版となっている第一作『死を啼く鳥』、第二作『悪鬼(トロール)の檻』(ともにハルキ文庫刊)の長編5作目であるそうだ。三作、四作に関しては邦訳されていなく、いきなり五作目となっており、しかも二作目でモー・ヘイダーはシリーズ中断を決意し、三作目でウォーキングマンという放浪者を登場させることによりキャフェリ-の世界をより深くしたいと思い直したらしく、このウォーキングマンは、過去に娘を殺害された未解決事件被害者の遺族であるというのだ。本作中でも、野で焚き火を囲む孤独な放浪者であるウォーキングマンにキャフェリーが相談にゆくシーンがあり、その他のシーンでもこの謎多きホームレスはシリーズの重要なキャラクターであるようだ。
本作以外が未読であるゆえにシリーズ全体を見渡せいない歯がゆさが本書を読むのに一番痛いところである。事実、フリーの犯したある秘密の犯罪については前作を引きずるものなのかどうか、最後まで不明である。シリーズはやはり最初から順を追って読むことで、100%味わいきれるものなので、翻訳出版のこのようなあり方は改善願いたい。
警察組織の中での組織内葛藤は、昨今の警察小説にはつきものだが、ここでは部下の若い刑事プロディとの対立構造が浮き彫りにされ、同時に刑事たちはそれぞれが孤立してゆくような印象がある。秘密を抱えるフリーと、その秘密をなぜか知っているキャフェリーの間の微妙な関係が、本筋である事件の捜査以上に気になりもする。心の内外の葛藤がとても人間関係を複雑にしており、その中で警察に挑戦するがごとき犯人の嘲笑が常に聴こえてくる。
真犯人と真実への隘路を辿る道は暗くとても険しい。読者にもそれはわからない。伏線がたっぷりあり、行方不明の少女たちと、過ぎ行く時間が痛いほどに完成を削り取る。そしてあまりにも意外すぎるクライマックス。嘘で塗り固められた真犯人の顔。同時にクリアされてゆくいくつものサブ・ストーリー。謎だらけで不信まみれで、孤立してゆかざるを得ないキャフェリーが、この暗いトンネルを抜けるのはいつになるのか。
先に言ったように英国冒険小説の流れを汲んでもいるフリーのアクションが、一足早く犯人の巣に辿り着く。不思議な土地であり、不思議な地形である地獄のような暗闇と、その底に潜む敵。本作品は、東野圭吾『容疑者Xの献身』がノミネートされたことで話題となった2012年のMWA賞最優秀作品賞受賞作である。これを機に、過去の邦訳作品の再刊や、未約作品の改めての出版が実現されることを願ってやまない。