名画画像収録が良かったです^^
2013/04/06 12:20
11人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
小説自体は読んでいたものの、登場する作品の画像が収録されているのがよかったです^^
マティス、セザンヌ、ドガ、モネ…画家がこの絵画を描いたとき、どんな気持ちだったのか…に焦点をあてて描かれている物語なのだけど、取り上げられているのが、どれも、その画家の渾身の作品なだけあって、読後なんともいえない切なさがこみあげてきます。
物語が終わったあと、章末に収録されている絵画を観ると、今まで何気なく観ていた絵画を、また違った視点で鑑賞することができ、新鮮な気持ちに。
美術が好きというものの、一般的な程度なので、ドガが彫刻作品を発表していただなんて、もちろん知りませんでした…が、渾身の想いで作り上げたその作品の画像からは、並々ならぬドガの執着が感じられ、すえ恐ろしくさえありました。この少女が…と思うと、再度、小説を読み返したくなりました。
個人的には、物語を読み終えてからの絵画鑑賞がおすすめです^^
わたし的には直木賞の価値が充分あると思うのですが。
2018/11/10 14:11
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る
少し前の話になります。
楽園のカンヴァスが直木賞候補となり、かなり善戦しましたが
受賞にはなりませんでした。山本周五郎賞を取っていたので、
残念ながら予想どおりではあります。
そんな原田マハさんの画家シリーズ二作目です。
題名はジヴェルニーの食卓。めっぽう面白かったです。
四つの短編集です。題材となった画家も併記します。
「うつくしい墓」 マティス
「エトワール」 ドガ
「タンギー爺さん」 セザンヌ
「ジヴェルニーの食卓」モネ
本が好きな人は、美術館が好きな人が多い気がします。
読書好きと美術好き、気持ち的にどこかで
つながっているのかもしれません。
文化的なものとしてくくることもできますし。
書評を書くにあたり、どの話に絞るのか非常に迷います。
いずれも素晴らしい出来です。
画家の日常を見せようとする短編集です。
家政婦、画商、娘など、画家の近くにいた人たちに
スポットを当てながら、画家の個性を浮き立たせています。
迷ったあげくドガを取り上げます。
中学生のとき美術の教科書で出会った衝撃はいまでも
鮮やかです。印象派と呼ばれる人たちが大好きなのです。
この本を読むと、印象派というのは果たしてどこまでを含むのか
分からなくなりますが、それもまた面白いです。
ドガがどうやって踊り子を描いていったか。
あの一瞬を切り取るために何をしたのか。
なぜ踊り子にこだわったのか。
そんな秘密を味わうことができました。
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印象派の巨匠、マティス、ドガ、セザンヌ、モネをそれぞれで取り上げ、実際の作品を絡めつつ描いたフィクション4編。
著者のキュレーターとしての経験が存分に発揮され、どのお話も、ある程度の事実を混ぜながら書かれているのでリアリティがある。歴史上の人物としての印象ばかりだった巨匠たちに生身の人間を感じ、人物も作品もより身近に感じられる。
そしてどれもがすこぶる美しい。
中でも、マティスとピカソの交流を描いた一編めの「うつくしい墓」がとにかく秀逸。決してそんなつくりにはなっていないのだけれど、なぜだか涙する私がいました。
この作品だけなら文句なしの星5つなんだけど。
ドガの「エトワール」も、セザンヌの「タンギー爺さん」も、モネの「ジヴェルニーの食卓」もどれも素敵なのだけれど、あと一歩迫ってくるものがほしかったかなあ。
でも、実在の絵を眺めながら読んだらより楽しいと思うので、まだの人はぜひ、画集を手元におくか、タブレットなどで検索しながら読むべし。
そしてどうやら本作も直木賞候補になっているらしい。
だけど個人的には前作『楽園のカンヴァス』で獲ってほしかったし、断然好きだったな。
ということで、本作で受賞してもしなくても、残念な気持ちには変わりなし。
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マティス、ドガ、セザンヌ、モネにまつわる短編集。それぞれの挿絵があったらもっと良かったのになあ。ドガの「十四歳の小さな踊り子」像ぐぐってみたけどすごいインパクト。実物を見てみたい。話自体もなかなかに衝撃的だった。マティスのヴァンスの礼拝堂はニースからバスで見に行ったけど、絵というより空間すべてが作品。セザンヌは「タンギー爺さん」の絵を先に見ておくと、物語を楽しめるかも。トリはモネ、一番楽しみにしてたんだけどちょっと退屈だった。
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カテゴリをミステリにしちゃったけど、どうなのかなぁ。
『楽園のカンヴァス』と対になっているようで、視点は異質なのかな。
こっちのスタイルの方が、通常のマハさんのスタイルに近いような気がする。
取り敢えず思ったのは『楽園のカンヴァス』を読了しておいてよかったということ。
この2冊はセットで読んだ方が絶対面白い。
マティス、ドガ、セザンヌ、モネと、今となっては高名な画家たちを描いた連作短編集。
それぞれの画家の晩年、しかも関わりのある人たちの視点で語られることで
マハさんが持っているこの画家たちへの愛情、
そして作品たちへの愛情がよりくっきりと描き出されていると思った。
『楽園のカンヴァス』に出てくるルソーとも時代が被っている。
この時代の、特にフランスの画壇がお好みなのかな。
この感想を書き終えたら、
まず最初にここに出てくる画家たちをWikiってみようと思う。
印象派は個人的にあまり詳しくないので(ルノアールくらいしか知らない)
逆に興味をそそられた部分もあるのだが
どこかに寄稿されてたフェルメールの話も面白かったので
19世紀末よりもっと前の画家の話もマハさんの筆で読んでみたいと思った。
中世の宗教画とか、フランスやスペインの宮廷画家の話とか。
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キュレーターでもある原田さんらしい作品。絵画を見に行きたくなりますね~w 昔、お兄さんの宗典さんの作品が面白くてよく読んでたんだけど・・・マハさんの方が、断然有名になってしまったなぁ・・・。
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マティス、ドガ、セザンヌ、モネを描いた4編。
美術に詳しくなくても楽しめる。
美術部だったのを今思い出した。く、詳しくない。
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読んでよかったと思える小説でした。
触れてよかったと思えるものでもありました。
何でしょうね…面白いかどうかと聞かれたら、
それはどうかなーと思ってしまうんですよ(笑)
忠実過ぎると言うか、静か過ぎるというか、
大きな流れの中、闘っていたのであれば、
もう少し起承転結のあるドラマは欲しかったですね。
起承で終わってしまったような感じがします。
もっと言ってしまうと本人たちの内なる声、
叫び、そんなものを聞きたかったです。
好みの問題ですけど。
彼らの絵を観るたびに、魂を鷲掴みされる感覚になるんですよ。
何か生き様や魂みたいのぶつけてるなぁーっていう鳥肌ものの
感覚。
つまり、何ですかね〜…
彼らを部屋の外からではなく、真っ正面から
対峙したかったってことなんですけどね。
でも、読んでよかったんですよ。いい小説です。
ミレーとかも読みたいですねー。
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小説を読みながら、美術館を歩いているような感じ
不遇だった画家たちと、力となる人たちの
狂おしいまでの絵に対する気持ちが心に痛い
1編1編が短編であることがもったいないような
もっともっと小説のなかにいたいような
そんな気持ちにさせてくれる小説でした
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画家を巡る4編の美しい物語。
マティス、ドガ、セザンヌ、モネ… 彼らの制作風景・人となり・情熱が、彼らの周辺で生きる第三者の目を通して書かれている。非常に透明感のある、美しい物語だと感じた。
私はフランス文化に憧れ、2年ほどをフランスで過ごした。読んでいて、物語の舞台となっているフランスの町や時代が、透けてみえてくるような感覚を持った。花の香り、風、草花のざわめき、そしてフランス独特の強くて白っぽい光線…そういったものがページから漂ってくるのを感じた。
美しいものを愛する人たち。響感した。
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モネ、セザンヌ、ゴッホ、など印象派絵画を代表する画家たちの姿を描いたお話。
史実をもとにしたフィクション、とのこと。
どこがフィクションでどこがノンフィクションなのかさっぱりわからない、知識なしの私でも、物語として楽しめた1冊です。
モネの睡蓮、全作品観たら圧巻なんだろうなぁ。
一度観てみたい気もします。
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大好きな画家たちが、今生きる人のように感じられる
いきいきとしたストーリー展開。
この作者ならではの、丁寧な時代背景、
そして、アーティストたちの暮らしの描かれ方。
読んでいて、一つひとつの絵画が、彫刻が、
生まれようとするようなワクワクとした想いが
胸いっぱいにひろがった。
大好きな画家たちが、読む前によりも好きなった。
素敵な作品をありがとう・・・
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「この花をこの花瓶に活ければ、先生が恋をなさるのではないかと」一度言われてみたい!
っていうのは冗談として、マティス、ドガ、セザンヌ、モネと4人の有名画家の、これまた有名なエピソードで、展覧会のパンフや解説には必ずといっていいほど載っているお話で、元キュレーターの作者にとってはおなじみのストーリーでしょう。まるで、主人公の元(^_^;)娘達が、思い出の場所で、巨匠達への憧れを懐かしく語っているかのようなすばらしい描写でした。ビジュアルでカラフルで、濃い水色の雲ひとつない地中海の夏空、白い平屋建ての開放的な別荘、色とりどり花でいっぱいの庭。まるで展覧会のオープニングビデオを見ているかのようでした。美術史のことは隠し味として、本筋はミステリーとライブストーリーとした楽園のカンバスがベストセラーとなったことで、彼女の本当に書きたかった、美術史に基づいた小説を書くことができたのだと思います。永遠の少女にとって、尊敬と憧れと恋心は一体なのかなぁ。
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史実・伝記をもとにした小説。マティスのエピソード(女性を花になぞらえる)がかっこよくてますます惚れる。
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画家の生きた時代に想いを馳せる。
新しい表現に飢えていた時代。
美術がより人びとに近づいたのは、
当時は無名だった巨匠たちの確かな感性と
枯れることなき情熱の軌跡あればこそ。
静かに文字を追うだけで、立ち上がってくる
情景は、静かな美術館に佇むような気持ちに
誘われます。