人は自然のなかにいた
2008/05/25 15:06
7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る
遠野物語 柳田国男 角川ソフィア文庫
考えてみれば日本各地にそれぞれの遠野物語があると思う。妖怪は人間の化身である。古くからの言い伝え、短文表記、明治以前の日本人の暮らしがよみがえる。日本の「ナルニア国物語」であり「ハリーポッター」でもある。この本にある話は幻想的だ。
木の坐像の話は意外であり興味深い。こどもたちが坐像をひきずったり川へ投げ込んだりする。それを見た大人たちがこどもたちをとがめる。すると坐像が怒る。坐像はこどもたちと遊んでいたと理由を述べる。
いわゆる道徳に対する反発で創造がある。私は坐像はこどもにとっていじめの対象になってくれた人間の代替品だと感じた。魑魅魍魎(ちみもうりょう)と妖怪の出現は「トトロ」のようでもあり宗教的だ。昔の日本の暮らしというよりも、一人ひとりの登場人物が個性的だ。動物、山、樹木、海、人は昔、自然のなかにいた。
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柳田国男が遠野郷(東北地方)で採集した民間伝承、昔話、怪異譚などの記録。独特の文体から文学作品としての評価も高い。
そんな小難しい話はさておいても、民俗学ネタが出てくる小説では大抵柳田・折口の名前が出てくるので、好きな人はとりあえず読んでおいて損はないと思う。
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柳田国男さんの遠野物語です。
遠野にある伝承を集めた話が書いてあります。一話一話が短いのでとても読みやすいです。河童伝説の話など、面白い本です。
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柳田邦夫によって、岩手県の一地域の説話をまとめられた作品。
ある意味現代の「都市伝説」に通じるような内容ではあるが、魅力的で妙にリアリティが感じられる。
この限られた地域で生まれた伝説がなぜ日本各地に伝わったのか、
どういった経緯でこんな伝説が生まれたのか…考え出すと疑問が尽きない。
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愛読書はなんですか? と訊かれたら、
「遠野物語です」
と答えたい。(希望)
具体的なきっかけはなかったんですが、ある日ふと、
「あたしは今日遠野物語を読まなきゃいけない」
と思い込みましてな。なんだかよく分からないまま本屋に走って買った一冊。
この言葉遣いにびびるなかれ。おっもしろいよー!!
そして部屋で一人で読んでいたら、途中で猛烈に怖くなり、階下にいた母の隣りに座って続きを読んだりもした。
遠野に旅行に行ったりもした。
河童捕獲証を作ったりもした。←関係ない。
角川のは拾遺も付いていてお得感があります。
拾遺は折口信夫が書いているのだ。
この人もおっそろしく文章の上手い人なのに、あえて先生に似せた文体にしなかったのが、「ははー」と考えさせられました。
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日本人ならば、読む価値あり。
今でも生き続ける、民話・伝承の数々。
妖怪やら昔話やらが好きな人は必読。
遠野という地には、死ぬまでに是非行ってみたいものです。
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美の巨人たちで宗像志功の「飛神の柵」が取り上げられていました。
もともとのタイトルは「御志羅の柵」だったとのこと。遠野だけでなく青森までオシラ様の物語、信仰は生きていたんだなと。
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前に遠野を訪れたときに語り部のおばちゃんの話がとても良かったので購入。お風呂読書でチマチマと、ようやく読み終えました。
やっぱり聞く方が面白いな〜読むのはちょっと飽きてしまう。
でもまあ日本の田舎風景が見えてくる感じはあります。
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亡くなった明治生まれの祖母から時々子供心に今では迷信で片付けてしまうような不思議な話を聞きました。その話には昔の人の生きていくうえでの大事な情報が織り込まれていたのでしょう。今祖母が生きていればもっと様々な話が聞けたのでしょうが、それも無理な話ですね。
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民俗学研究の基本中の基本。
純粋に面白い!
妖怪や信仰の話だけでなく、なんかちょっと不思議だったねーというお話も、民話と押して十分に機能するのね!
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日本の民俗学の原点と呼ばれている本だそうです。不思議な出来事が次から次へと日常的に起き、それをさも当然のことようにあっさりと語っているのが面白いです。特に狐による悪事はなかなか強烈なものが多く「狐につままれた」なんてもんじゃないですね。
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お噂はかねがね、でしたがこんな内容だったんですねーへええ。
民俗学ってどうなのなう?と思っちゃいました。ありていにいってツボ不明。
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遠野地方の伝承・民間信仰などを土地の人から聞き書きしたもの。山人や河童・神隠しに会った娘などとの遭遇譚が多くを占める。
ヨーロッパの昔話で不思議なことが起こる場所といえば森であるが、日本では断然、山。本書は、異郷との境に暮らす人々の物語である。常ならぬものを身近に感じる生活。われわれが失ってしまった豊かなものがそこにはありそうだが、その一方で、自分でコントロールできないなにやら恐ろしいものに取り巻かれた暮らしはさぞたいへんだろうと思う。助けてくれそうなものならなんでも信心してしまいそうだ…。
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岩手県遠野村に伝わる伝説を書き記した書。
序文に「願はくはこれを語りて平地人を戦慄せしめよ。」とある。
忘れてはいけない日本の昔話が語られている。
読んだのは文庫本の方で
古い文体で書かれていて、多少読み辛い所はあるが、
淡々と進む物語の中には、
夜中、一人で読んでいると鳥肌が立つ事もしばしば。
中には聞いた事がある物語もある。
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2011/7/8読了。明治くらいまでは生活スタイルを全く異にする、山の民がいたんだろうな。狼がまだ山々を跳梁跋扈していたのも浪漫がある