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ここ数年来、トップマネジメントの人たちの生態というのに関心があるのですが、こういう視点の本はあまりなかったと思って、購入してみた。大変面白く読み進めました。著者の冨山さんの指摘は面白く興味深かったです。特に、彼自身が産業再生機構のCOOとして活動する中で考えたこと、感じたこと、そして実際に成し遂げたことなどを交えながらの論理展開を行っているところが、現実の話として凄く印象深かったです。中でも、「プロとしての意識の持ち方」や、「本当に人を動かして成し遂げるために必要となる覚悟」といったところには、大変共感しました。一度一緒に仕事してみたいと思っちゃいました。
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産業再生機構OBの富山氏の著作です。事業再生にかかわるものとして心意気、心構えをどのように持つかについて参考になります。
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年末年始に読んだ本のなかでは、一番ハラに落ちた本。
MBAを取得したコンサルタントが机上の空論を振り回すのではなく、
自分の会社をつぶしかけた経験と、産業再生機構で手がけた企業再生から
得たご自身の話なだけに、理論的かつ納得感高い。
従来の経営システムの問題点を、
「『カイシャ幕藩体制』における人材登用・育成システムにある。」と
論じてあるところから引き込まれてしまった。
「そこには善も悪もなく、言い換えればインセンティブと性格の
奴隷となる『弱さ』にこそ人間性の本質の一つがある。性悪説
でもなく、性善説でもない、『性弱説』に立って人間を見つめ
たときに、はじめて多くの現象が理解可能となってくる。
(中略)
それを理解し、どう対処すれば『弱さ』を克服して、組織の腐
敗を防げるのか、さわには弱さを強さに転化して、企業体とし
て強い集団と成し得るのかに経営の本質的な課題があるのだ。」
「昔から『組織は戦略に従う』のか、『戦略は組織に従う』のかと
いう論争があるが、あえていえば、組織も戦略もそこで戦ってい
る生身の人間の本性に従うというのが正しいと思う。」
これからもう1回読み直します。
★★★★★
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2008年最初のビジネス書。
30歳になるまでに、
泥臭くお金を稼ぐ環境に、
もう一度身をおこうと改めて決心した。
安定
を求めることは裏切り行為に近い。
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成功の誤謬 経営のリアリズム となるほどと思うところも多々あった
経営層というよりはこれから経営に携わろうとしているものへの教訓的なものか
やはり経験がものをいうな と思った。
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トップが社内政治にのみ類い希なる才能を発揮していた会社にいた経験から、読んでる間中膝を打ち続けましたよ。
経営に携わりたい人は自己を律するための指南書として読んでおいた方が良いかも。経営を学ぶというより経営に携わるときの心構えを学ぶというか。
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基盤の面接対策で一応読んだ。産業再生機構のトップを務めた方なので、非常にリアルに再生の現場が描かれていると思う。ただ、話が大きすぎて経験のない私には理解するが少し難しかった。
以下要旨。
1.経営は全て人に依存する。人の行動は自らのインセンティブと性格に規定されるため、個人・組織・社会の動機付けを同期化させることができないと、組織は機能しない。
2.戦略は解ではなく仮説であり、たえずフィードバックが利く構造をとって、修正を繰り返していかないと意味がない。戦略とは「何をやるか、いかにやるかで」の前提要素として?自らの市場の理解?競争ポジションの理解?基本的な経済構造の理解、という3要素で成り立っている。この3つを認識、把握した上で自社に当てはめ、何をすべきであるか、戦略を立てるべき。このように戦略は、個々の違いを前提として取捨選択して策定していくので、100%はありえない。絶えず実行しながら、修正していくべきな理由もここにある。
3.日本の衰退は、80年代より前の繁栄を支えていたゲマインシャフト(共同体)を守るために、ずるずると既得権益を守ろうとし続けたことによる。西欧のゲゼルシャフト(利害社会)に飛び移るのも不可能で、日本ならではの強み(現場にあるとしている)を生かした、新たな方法を模索すべき。
4.産業再生機構での事例紹介。どのような前提条件を提示してスタートしたか(組織、意思決定プロセス等)
5.日本の資本市場に適した、企業統治のメカニズム(ガバナンス)を構築が必要。日本にはそのプレーヤーも少なく、それを評価する基準も未整備な状態だ。株式の長期保有を前提にしたM&Aを主体にしたガバナンスを提案している。
6.強い経営者と、経営人材の選抜・育成が日本社会を救う鍵になる。事業と財務は一体的、整合的に再生されるべきものであるから、金融や財務の言葉を知らない経営者などもっての外。リーダーは30歳で組織の外に放り出し、這い上がってこれたものに権限を与えてはどうか。
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修羅場って言葉が好きなのと、以前冨山さんの講義を聞いて好感が持てたので読んでみた。
会計の話はちょっととばしました。
どんな人が最後の最後に粘れるかはその時になってみないと分からないらしいです。
ちょっと、そんな状況に憧れてしまうのが平和ばかの証かしら。
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「人はインセンティブと性格の奴隷である」という言葉が印象的でした。
強い現場の重要性を強調しており、実務的な一冊でした。
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今年読んだ本の中では間違いなくNo.1。
数少ない、自分の人生の指針に影響を与えうるレベルの本。
以下、読んでて共感したところ。
・日本の力の源泉は現場力、それも本社に戻るようなことしか考えていない高学歴エリートよりも、必死で目の前の問題に取り組んでいる子会社社員こそが支えてきた
・真のリーダーとなるには、修羅場を潜り抜けて、自分が死ぬような覚悟を持っていないとダメ
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産業再生機構のマネージャーの話。腐りかけている会社は多いんじゃないだろうか。うちだけは大丈夫なんて絶対いえないね。経営者の方、読んでくださいっ。それにしても題名にインパクトがありすぎて「これいいですよ」とは薦められないけど。
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タイトルから手に取りました。実際に読み進めてみると「なるほど」が多く、ついYahoo!と比較してしまいます。Yahoo!はまだ腐ってはいませんが、「転地」が必要なときがまもなく訪れると考えます。そのlife engineになれれば幸甚かな。。
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ゲマインシャフト(共同体):日本。集団でいることが自然。集団への帰属。
ゲゼルシャフト(利害社会):日本の外部から。律令制、資本主義経済、近代法体系。合理で律する体系。
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性善説でも性悪説でもない、『性弱説』。
胸にストンと落ちる言葉だ。
経営の課題とはこの人間の「弱さ」と向き合うことなのだと、この本では語られている。
「弱さ」を「強さ」に転化する会社の体制づくりをできるかで、企業が成長するか否かが
決まるのだという。
確かに、人は『弱い』生き物だと思う。
いや、正確には、『弱い』と解釈することが重要なのかもしれない。
時に他人の『弱さ』、自分の『弱さ』を認めることで思いやりや絆が生まれて、
時に他人の『弱さ』、自分の『弱さ』を忘れることでエゴに走ったり、独善的になったりして。
まずは、『弱さ』を認めること。
前に道を開くためには必要なこと。
そして、認めた上で、何をするか。
ビジネスに限らず生きていく上で重要なテーマですね。
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タイトルを知ったのは、大学四年の時。
その時に「会社は頭から腐る」というタイトルを見て、ふむ、まさしくその通りだな、と思ったのは、
当時所属していた研究室が、トップである教授から腐っていくように組織全体に閉塞感が漂っていたから。
人はインセンティブと性格の奴隷になる「弱さ」にこそ人間性の本質がある−性善説でもなく性悪説でもなく、性弱説である。
これが一番印象に残った言葉である。
そもそも、インセンティブがあるからこそ人は動機付けられ、行動を起こす。個人レベルでも、組織レベルでも。
このフレーズから、当時の研究室の組織としての力学が分かったような気がする。
研究室の教授は、確かに研究者としての実力はあった。が、人の上に立つタイプではなかったのだと俺は今でも思う。
それは彼にとって、「自分が目立ち、相対的に相手をけなし、相手を下げる事で自分の価値を認識する」事がインセンティブになっていたのではないか、とさえ今は思う。
おれはアホーバカーボケー、お前なんてもう研究室にいらん、とか毎週のように言われてたしww
そのインセンティブを持つことが悪いのではなく、そもそもそんなインセンティブを持つ人が教授になってしまう大学のシステムに問題があるのだが、まあそれは置いておこう。
すると、組織の末端を構成する学生としては、研究室生活を「教授に目を付けられず、怒られず、目立たず」過ごす事がインセンティブとなるのである。
そして困ったことに助教授や秘書などの研究室を構成する上層部までもがそう思い始めるもんだから、閉塞感はさらに漂いはじめる。
これは研究室を構成する人々が悪いのではなく、それが人間としての弱さなのである。
おれが大学院受験で自分の研究室に願書すら出さなかった、など、周りから見たら「教授に逆らう」行動が取れたのも、「逆らうことがインセンティブになった」だけのことにすぎない。
修士以上の大学院生や助教授、秘書には「自分の力で研究室を抜け出すことはできない」という前提条件があったため、「教授に目を付けられず、怒られず、目立たず」に過ごすことがインセンティブとなった。
しかしおれには大学院受験で「自分の力で研究室を抜け出す」という前提条件があったからこそ、「教授に逆らうことがインセンティブになった」のである。
もしおれに「自分の力で研究室を抜け出す」という前提条件がなければ、「教授に目を付けられず、怒られず、目立たず」に過ごすことがインセンティブになっていただろうし、どこまで強くあれたかも分かりはしない。
そして社会構造も同じであるという。
ゲマインシャフト型の社会構造では、大企業や中央官庁の試験エリート制、終身雇用、年功序列制のもと、それらの企業・官庁に入ることがインセンティブとなった。
しかしその前提条件として、欧米からのキャッチアップ、人口増加と均質なマス市場による日本経済の安定的な成長があった。
その元では、人々は大企業・中央官庁に入り、一生会社について行く事がインセンティ��になった。
そしてめでたくそれらの会社に入った人は、一度手に入れた既得権を守ることがインセンティブになった。
問題を先送りにする、終身雇用を守るための冬どもり春待ち成功体験。
就職氷河期に多くの日本企業は会社内の終身雇用を守るために新卒採用を絞り、その結果ロストジェネレーションが生まれた。
(今年の就職活動もそうだったな。)
しかし、前提条件が崩れれば、制度疲労は起こるもので、
人口増加やマス市場が牽引した日本経済の安定成長という前提条件はもはや崩れた。
さあどうする日本企業?
といった問題意識が投げかけられていたから、なかなか本質的な本であったと思う。