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初期の電子書籍で紙になったものということで記念碑的な意味合いで読んだ。なんというか、レイモンクノーの『文体練習』を20人でやったみたいな感じの面白さがある。黄昏ホテルという同じ世界観で20人様の事件が起こり、解決する。個々の文体に特徴がある文学的な意味を求めた感じというよりは、最初期の電子書籍で方向性も暗中模索な中でみんな作家が集まってやりたいことをやったアンソロジーな意味合いでの個性が発揮されていて、そこは面白さだと思った。企画してこれだけの作家を集めるのは苦労したと思う。ただ、ここに収録された作家が"We Are The Worldの呪い"のようなことになっていないかどうかが個人的には気がかりでならない。