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イランという国は、石油関連の事業を中心に意外と日本との関係が深い。しかし、革命後のイランとなると殆ど国の行ききがなくなり情報もアメリカとの軋轢に終始したものになってしまった。それ故に本作品の躍動あるストーリーは、目新しくまた、
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想像以上の作品だった。文句なしの星5ツ。
私がまだ若い頃、パーレビ国王、ホメイニ氏、イランイラク戦争などなどの単語はテレビのニュースでよく耳にしていた。でもそれだけだった。
中東情勢については全く不勉強だったし、興味もなかった。
この作品を読んで全てが繋がり全体像が見えた。
昔から気になっていた作品であったが、読み始めは難しく失敗だったかも。。。と思った。
ところが少し先に進むともう止まらない!先が読みたくて仕方ない!おもしろすぎる!
パーレビ体制からホメイニ氏を指導者とするイスラム革命後のイラン現代史の中での物語
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2017.1.10〜 2.4 読了
物語を通じてイランのイスラム革命、クルド民族紛争の実態が伝わってくる。今更ながら西洋の植民地主義の罪深さが感んじられる。いつになったら中東に平和が訪れるのだろうか。
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もうお腹いっぱいです。
文庫上・下巻で合わせて1210ページの大部。
本書は1991年に毎日新聞社から単行本として刊行されました。
25年も前の作品ですから、割と古い作品といえましょう。
ただ、決して色あせないのは、本書の内容と同様、今もなお宗教、民族、その他の問題で、世界中でおびただしい量の血が流れているから。
しかも、かつてのような国家間の戦争・紛争というよりは、テロという形で世界中に脅威が拡散しており、より困難な時代に直面しているといえましょう。
さて、本書はイスラム革命後のイランが舞台。
世界中に2500万人という人口がいながら、迫害されてきたクルド人が、聖地マハバードで独立国家樹立を目指して武器の調達を目論みます。
そのクルド人ゲリラの指揮官が、清廉潔白なハッサン・ヘルムートという男。
武器調達を請け負ったのは、目的のためなら殺人もいとわない冷酷な日本人武器密輸商人で、「ハジ」と呼ばれる駒井克人です。
イスラム革命後に腐敗した革命防衛隊を正すため、実力行使に打って出るのが、若き革命防衛隊小隊主任のサミル・セイフ。
そして、かつては非スターリン主義的マルクス主義組織フェダイン・ハルクに所属し、ある事情によって隻脚となった、これもまた「ハジ」と呼ばれる日本人の男。
物語はこれらの登場人物の視点で多元的に展開し、マハバードであいまみえて壮絶なラストを迎えます。
読み終えた後は、歴史に翻弄された者たちの哀しみがひしひしと胸に迫ってくるでしょう。
余計な感傷を極力排し、乾いた筆致で感動を呼び起こす作者の力量にも感服する次第。
日本人にとっては複雑な中東情勢の一端を理解するための一助にもなりましょう。
おススメです。
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壮大なスケール。
イラン革命やクルド人の武装蜂起といったイスラム圏の物語の中に2人の日本人がいるという不思議な設定にワクワクする。
この設定の発想が堪らなくいいのとそれに見合った構成力が素晴らしい。
日本人だけでなくイラン革命防衛軍やクルド人ゲリラの視点でも描かれ、どっちが敵でどっちが味方ではなく、それぞれが信念に基づいて行動しそれが大量の殺戮の歴史を繰り広げている哀しさも感じる。
後半に期待。
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上巻を読み終えての感想は、誰かが主人公という簡単な物語ではないということ。イスラム革命後の大きなうねりの中で登場人物たちが翻弄されていく。一体どうなっていくのか?
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小説の舞台の全容が見えてきて、登場人物も一箇所に収束してきたみたい・・・。 物語は、いよいよ核心に突入するのだろう。下巻が楽しみ