40年前にタイムスリップ
2016/03/06 15:33
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みどり次郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ねじめさんの作品はよい意味で昭和臭ただよう「ほっこりさ」がある。
昭和は、今みたいにモノが溢れている時代と違い、ひとつのことに集中できた時代かもしれない。ノブオ(長嶋少年)も長嶋選手にハマっている少年だ。
ちょっと複雑な家庭環境であり、問題、苦難が山積みだが、一つのことに打ち込んでたくましく成長していく姿に「ほっと」し、明日もがんばろうと思わせてくれる作品である。
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【すべての野球少年に捧げる、渾身の成長物語】「僕はサードです。背番号はもちろん〈3〉です」逆境にありながら、ひたすら長嶋に憧れ野球に打ち込む少年の成長を描く傑作長篇!
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長嶋が好きすぎる小学生が主人公。
少年目線で話は進むので、簡単な言葉で読みやすくさらさら読んでいける。
いろいろ悩んだりして、辛い思いもするけど周りにはいい大人や友達に囲まれていて幸せだと思った。自分の思いをしっかり口にできる彼は立派だと思った。
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今の時代にも長嶋少年はいるんだろうか。こんなにも何かに憧れる子は。
というよりも、長嶋のように時代を象徴する存在が、子供たちからの憧れの対象となる存在が少なくなったのかもしれない。
何かに憧れることで子供は成長できるのだ。その憧れの対象を目指すことで。子供は何にでもなれる、その意味が分かった気がした。
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今よりもっと貧しい時代を生きる、今よりもっと心の強い子どもたちの話。
大人の都合で逆境に立たされ続ける彼らにとって、プロ野球選手「長嶋茂雄」はいつもヒーローだった。
自分たちの中にある「長嶋」を信じて生きていく。
長嶋という大きな心の支えが、子どもたちを真っ直ぐに成長させる。それはまさに、当時野球がエンターテインメントではなく、彼らの人生そのものであったということなのだ。
豊かな心と厚い友情はこのように形成されるのかと、当時の環境に驚き、また羨ましくも感じた。
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2015年10月7日読了。
面白かった!なんか淋しい時に淋しいとか言わないのね。悲しい時に悲しいとか言わないのね。なのにノボルの気持ちがぐいぐい来る感じ。
ノボルが大人になったとき、幸せになってくれてるといいなぁ。
西原のぼくんちに何となく雰囲気が似てる。
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まっすぐな思い、ライバルの存在。野球を、長嶋茂雄を通して成長してゆく少年。誰もが持ってた純粋な気持ちを思い出させてくれる。
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芸人の又吉さんが勧めていたので購入。
長嶋茂雄が大好きな野球少年ノブオ。
父親が崖から落ちて死んでしまい、母親は息子に無関心。
さらに左目に大怪我を負ったり、好きな女の子に失恋したりと、不幸の連続が続く。
その中で、葛藤を繰り返し、もがき苦しみながらも、長嶋茂雄に自分を投影し、なんとか前向きに生きようとする姿に勇気付けられます。
昭和の香りがする人間臭い雰囲気も、なにか吸い込まれるような気がしました。
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野球が好きな自分にとって、読書芸人で名前を聞いたときからずっと気になっていた作品。当時の子供たちにとって、長嶋茂雄という存在がいかにスーパースターだったのかが全身にしみ渡ってくる一冊だった。
全編通して少年の語り口調で綴られているので、子供ならではの感性の瑞々しさに胸を揺さぶられたり、自分の少年時代を懐古させられてしみじみとしてしまったり。お世辞にも恵まれているとは言えない過酷な生活環境に置かれた少年は、それでも自分の中にいる長嶋を信じて、迷ったり落ち込んだりしながらも突き進んでいく。その姿勢が本当に素敵だし、それだけの希望として光り輝ける長嶋茂雄が……なんかもう、スーパースターって言葉すら安っぽく感じちゃって、他に何も思いつかないや。
長嶋世代どストライクなはずなので、今度父親に勧めようっと。
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野球選手長嶋を慕う小学生のぼる。
ネグレクトでお金に執着する母や
野球友達、父の友人やおばさん、
などの登場人物と関わりながら
小学生としての様々な困難を
『僕は長嶋です』と心で唱え
ひたむきに乗り越えていく彼を
応援しながら読み進めると
最後はとても泣けてしまった。
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長嶋茂雄に憧れて、自分を重ね合わせるノブオ。
「僕は長嶋です」の気持ちで、野球もうまくなるし、勇気をもって行動できる。
昭和、今以上に自分の気持ちを親に伝えるなんて難しかっただろうし、理不尽もたくさんあったんじゃないかなと想像します。今だったら児童相談所のお世話になっている案件がたくさん。母親よ…。
思春期のモヤモヤと、そこから這い出ていく様がよく分かります。はじめはなかなか入り込めませんでしたが、気付いたら夢中でした。
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小学生の絵日記のような文章が、微笑ましくていつしか引き込まれ、読み終わってもずっとこの先も読んでいたくなる。
巨人の長嶋が大好きで大好きで仕方ない野球少年のノブオくん。昭和30年代の日本にはノブオくんみたいな男の子がたくさんいたんですよね。今のジャニーズアイドルもかなわないくらいの国民的ヒーローだった長嶋茂雄さん。そんなヒーローを胸に抱え、ノブオくんは何度も何度も傷ついて、何度も何度も長嶋さんに助けられ、そして「借り物ではない本物の男の子」になっていきます。
ノブオくんの母親は、今なら児童相談所の案件になるレベルの人だけど、ノブオくんの心にいる長嶋が、折れた心をグワァーんと元の位置へ戻していく過程が素敵です。
『僕は長嶋です。闘うときは闘うのです』
その言葉が胸を打ちます。