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現代の世界の縮図を見ている気分になります。本当の正義とは何なのか? いわれの無い差別と搾取が人間をこんなにも悲しい存在にしてしまうのか?? 古典とは思えない。。。
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市村正親シャイロック・藤原竜也バサーニオの舞台を見た後、細かい部分を確認したく購入。新訳ということで、現代的な言い回しで読みやすい。
おとぎ話のような物語の中、差別の当事者として登場するユダヤ人の金貸しシャイロックのなまなましい心情描写が圧巻。
シェイクスピアがどんな意図を持ってこの戯曲を書いたのかは知るすべもないけれど、「ヴェニスの金貸し」として読んでしまう人の数は少なくないんじゃないか、と思わせる。それくらいにシャイロックという人物は魅力的。
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シェークスピア作品特有の、たたみかけるようなクライマックスのシーンがすごくスカッとしますよ。すっきり~、そしてかなり愉快!
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財産のない情熱家バサーニオは、噂に名高い女相続人ポーシャに求婚するために金が必要だった。大商人アントーニオは、この若い友人のため、航海中の全財産を担保にユダヤ人金貸しシャイロックから大金を借りる。シャイロックは無利子で融資するといった――ただひとつ、「期限を破った場合は、アントーニオの胸から肉一ポンドをもらう」と条件をつけて。
2005年秋に映画『ヴェニスの商人』公開に合わせて出たもの。
すばらしい訳だと思います。シャイロック、アントーニオ、バサーニオ、ポーシャ、それぞれの人物像に口調がぴったり合っている。
これを小田島訳で読んだのは映画公開のころだったし、映画もこのところ観返していないしで、いい具合に中身を忘れていたので読んでいて楽しかったです。
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こういう新訳には「新訳」としての価値がじゅうぶんにあるのではないか、と感じます。(普及版である文庫だし)。アル・パチーノ主演の映画にも触れた訳者あとがきも興味深い(あとがき自体は映画公開の直前に書かれたものみたい)。「シャイロック」にどれだけ肩入れするか(できるか)で、この劇の印象が変わってくるというのは当然のこと。そのへんも勘案された、「上演を目的」ともされる新訳です。だから流れがいい。途中、まるでヴェネツィアのゴンドラに揺られているような(ヴェネツィアにもゴンドラにも詳しくはないが)リズムの「うた」が印象的です。私はやはり「詩人」としてのシェイクスピアもまた、とても好きみたいです。
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多分、なんだかんだでベニスの商人初めて読んだ。
こういう話だったのね。教養として、知っとかないとね。
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2021/2/16
『ヴェニスの商人』初読は岩波の中野訳だったが、一年越しの今回は河合役で。
初読の時は裁判の畳み掛ける勢いに圧倒される印象しか残らなかったが、今回は「正義を行使する悪魔となるのか、それとも慈悲を与える天使となるのか」という問題に着目した。河合先生があとがきにも書いているが、これは今日的な意味を持っている。
例えば企業の正義が利益をあげることだとすれば、経済的合理性を追求して環境破壊という悪事をなすのか、それとも経済的合理性を犠牲にしてでも環境保全に努めるか、という問題に置き換えることができるだろう。
また警察が連続殺人鬼を逮捕した場合、国民の安全という正義のためにその人を殺してしまうべきか、それとも慈悲のために更生保護を行うべきか、というある種死刑制度的な問題に置き換えることもできるだろう。
この問題についてはポーニャの結婚クジでも触れられている。金の箱を選んだ者は表面だけを見て中身を考えないという理由から、彼女と結婚できない。これは正義というお面を被った悪魔の否定と呼応する。
今回はこんな発見があって面白かったので、また折に触れて読んでみようと思う。
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キャラクター、ストーリー、セリフ、戯曲を読むだけでもシェイクスピアを堪能できる作品だけど、今読むとユダヤ人差別が強烈なところがきっつい。許される条件の一つがキリスト教に改宗すること、とは…