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筆者のデビュー作で、ヴェルーヴェン警部シリーズ1作目。
評判だった『その女アレックス』を先に読んでいたのだが、細部を忘れていたので、個人的には「ネタバレ」は感じず、本書の読後感の後味の悪さは、この上なかった。
本書冒頭から始まる殺人事件が、これまた凄惨な描写。
(ここで読むのを止めてしまう人が多いかも。でも、少し我慢して読み進めて欲しい。)
また、物語の内容・展開のために、殺人事件(そのどれもが凄惨なもの)も多く出てくるので、こういうのが苦手な人は読みにくいだろうが、丁寧に展開を追っていくと、様々な伏線がきれいに置かれていることが、クライマックスを迎えるにつれわかってくる。
また、他の実在するミステリー小説も絡ませ(上記のように凄惨な事件)ているのも、巧みな仕掛けになっている。
小説の中の「新聞記事」「手紙」といった小道具もストーリーテリングに使われている。
『その女アレックス』よりも『悲しみのイレーヌ』の方が、はっきりいって、猟奇性、凄惨な描写が多い。
『悲しみのイレーヌ』も、『その女アレックス』と同様に、物語(事件・犯人追及)が、次々と「どんでん返し」されていき、思いもよらない展開に。
そして、結末…。
どんどん読み進められます。
ただし、繰り返しになるが、猟奇的殺人事件が多く出てくるのが辛い。
だが、それでも、ページをめくる手を止めさせないストーリーテリングはみごと。
なんといっても、実在のミステリー小説と架空のミステリー小説と物語を絡ませて物語を進行させる手腕が凄いと感じた。
長い長い、とにかく長い「第一部」と、まさに正反対に、短い「第二部」・「エピローグ」の差が激しい。
そして、この上ない後味の悪い読後感。
『悲しみのイレーヌ』は、単独のミステリー小説の作品として楽しめると思う。
「ヴェルーヴェン警部シリーズ」の未邦訳の作品が楽しみである。
ただ、多くの方が指摘されているように、やはり、原題の“Travail soigné”(『丁寧な仕事』か)を考えると、邦題はもう少し考え直した方がいいと思う。
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「その女アレックス」の前日譚。アレックスから読んだので、最終的にどうなるのかがわかってたのが残念ですたが、ストーリーも訳も読みやすかった(見返したら同じことアレックスでも書いてた)。
しかし、グロイのは平気だけど、救いが無さすぎるのはちょっと・・・ってことで、☆×4.
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その女アレックスの続編かと思いきやこちらが一作目だったんですね。
こちらも面白かった!
犯人は予想してなかったので驚いた。
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殺人の描写が残酷で読者を選ぶだろうけどそれでも面白い。
ただ「その女アレックス」より先に翻訳してほしかった。
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こちらがシリーズ一作目だが、先に「アレックス」を読んでいるのでオチが分かってしまうのは辛い。
ただ、それを差し引いても練られたプロットは見事で、1章から(異常に短い)2章に移ったところで景色がガラッと変わる辺りは本当にうまい。
オチが分かっていても最後まで読ませる、この文章力は見事で、比喩・暗喩・例えがうまく文章が洗練されている。
もう一度「アレックス」を読み直そうかなぁ。
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最後の最後での,この仕掛けに脱帽.本作の精神的土台が各種文学作品であり,文学に対するある種のオマージュを成そうもする姿勢も確かに感じられる筆致である.衝撃のデビュー作という宣伝文句に偽りなし.あなたが,先に刊行された“その女アレックス”を未読であれば,本来の刊行順である本書から読まれることをお勧めする.
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◆◇◆読後感が最悪です◇◆◇
『悲しみのイレーヌ』 ピエール・ルメートル
『その女アレックス』において日本国内のミステリーランキングを総なめにしたピエール・ルメートルのカミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズ最新作。実際は母国フランスではこちらが先に出版され第1作になっています。
『~アレックス』の中で最後が語られていることもあり、どうなるのか…は理解しながら始めましたが、その展開の素晴らしさに悔しいですが読み進めずにはいられません。根底に流れる異常な悪意、読後感の悪さ、そして、圧巻のどんでん返しなど、間違いなく心に残る作品だと僕は思います。
引き続き上司ル・グエン、金持ちのルイなど個性的な仲間達も登場し展開を盛り上げてくれます。できれば先にこちらを読んだ方が主人公の苦悩などがよくわかっていいですね。
次回作が楽しみですが、なかなか覚悟のいる作品。早く、翻訳頑張ってほしいですね~。
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その女アレックスを読んだので購入した。
猟奇殺人の目的のために主人公の警部の身重の奥さんに
危険が迫る。
ストーリーは凝っていて犯人が判明したときそうかと思わせるが、比較してはいけないのだが、その女アレックスを読んだ後だと何か物足りない。
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読み応えがあり、面白かった。ただ、本の日本語タイトルはアカンような気がした。途中でなんとなくイレーヌの顛末が見えてしまった。
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『その女アレックス』で活躍したカミーユ・ヴェルーヴェン警部が登場するデビュー作。評価はやや甘めの星四つ。
アレックス既読者にとっては、登場人物がネタバレそのものになっているのだが、それでも面白い。二部構成の一部目が警察ミステリの王道のような展開で、犯行の異様さとチームワークの良さがそれに加わって、中断不可能なくらいハマってしまった。
見立て殺人だと判明してから事件は急展開するが、この元ネタにミステリファンならニヤニヤするのではなかろうか。そこまでほぼ完璧だっただけに、“掟破りの大逆転”には驚いた。いろいろ意見があると思うけど、私はマイナス評価に傾いた。破壊力はあるけど粗っぽいので、困惑した感が強い。こういう爆弾の処理は日本人作家の方が巧いようにも思えるが…。
なぜ次作のアレックスの方を先に刊行したんだと不満に思ったりしたけど、読後を考えるとアレックスが先で良かったのかなと。でもやっぱり凄い作者です。フレンチ・ミステリ、ブラボー。余談ですが、久々に犯人を当てられました☆
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内容紹介
『その女アレックス』の刑事たちのデビュー作
連続殺人の捜査に駆り出されたヴェルーヴェン警部。事件は異様な見立て殺人だと判明する…掟破りの大逆転が待つ鬼才のデビュー作。
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素晴らしい。第1章を読み終わった後の衝撃と興奮!「その女、アレックス」の方が評価されているのが納得いかない。こっちの方がずっといい出来。
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その女アレックス
を読む前に出会いたかったー!
今回も名前がタイトルになってるけど
もう、イレーヌが
どうなってるかは
知っちゃってるんだもん。
ふたりの会話が
ただただ愛しく悲しく心に沁みました。
早速
その女アレックス
の再読になります。
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読み終わった!
長かったけど全然飽きずに読めた
「その女アレックス」を読んだ後だったから、
イレーヌが登場するたんびにヒヤヒヤした
けど、アレックスの時にはわからなかった
カミーユの過去を知れてスッキリした
アレックス読んでるときはイレーヌについて
ん?って感じだったから、
悲しみのイレーヌ読んだ後のアレックスは
また違った感覚で読めるんだろうな!
アレックスよりも、死のドレスよりも
残酷だし、グロい。でも犯人を追って、次々に事件の進展してくのは面白かったーー!
ルメトールの作品5作中3作しか翻訳されてないらしくて、他のも早く読みたい!
カミーユの続編翻訳待ってます!
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後半のどんでん返しにはビックリした。とても意外ですごかった。アレックスよりもかなり緻密だと思う。さすが、ルメートル…と。残虐さは、すごすぎる。