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投稿者:もそ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ファンタジーという言葉からほど遠い、神話のような硬い語り口。
でも読み終えたとき、この本ほど深く心を動かす物語もない。
ただまっしぐらに生きている少年ゲドが、
真の自立した人間へとなっていく旅。
ときに冗長で、時に重苦しく、
戦いと言いながら、派手な場面があるわけでもない。
まさにこれって人生そのものではないだろうか。
だからこそ読む価値のある本なのである。
自分が自分であるために
2017/06/03 21:14
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
未熟なゲドが自分自身は確かに自分である事を、自分の足で立つ力を得るまでの物語。ここから探求の道を行く事になるのですね。
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ついに! 満を持しての岩波少年文庫化です!
しあわせすぎる…! 訳がソフトになったような気がします。
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人は愚かで傲慢で、でも美しい。
向き合うことを教えてくれる、この本の主役は貴方なんです。
でも、これを思春期に理解できちゃったら人生つまんないかもね。
(2009/4/28読了)
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高校生であった2006年に映画が放映されたことで初めてその存在を認知し、
翌年の大学一年生時に全巻セットを購入、読破した作品でした。
中村うさぎさんと同じ感想になりますが、もっと早い時期に読んでおきたかった作品でした。(by Smaria)
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映画とは全然違う内容の、原作のゲド戦記。
世界の広さや奥行きを感じさせる、深い話です。
死の影を呼び出してしまい、犠牲者を出し、自分自身すら信じられなくなった若きゲドに対する、朋友・カラスノエンドウのエピソードがものすごく好きです。
2巻の、生き神として祀られている少女との話も深いです。シリーズ全部お勧め。
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影との戦い。追われるものから追うものになること。向き合うこと。自分のなかの闇を見つめ、受け入れること。
ずっと追われて恐れていた。逃げても逃げても固い繋がりがあって逃げ切れないとわかっていた。でもこわかった。
向き合い受けいれ、まったき人間になりたい。すべてを引っくるめて「自分」としたい。形や名前を持たず、自在に形を変える影。それは自分の影。切り離すことはできない。
安息の地はないと思っていた。下手すれば永遠に、一生つきまとう影に怯えて暮らさなきゃいけないと思っていた。
でも、追うものになろう。他人に頼らず自分で繋がりをたどって、自分の中の闇と対面しよう。
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かつて、「竜王」と「大賢人」の二つの称号を手にし、その偉業は今日まで歌い継がれている「ハイタカ」と呼ばれた魔法使いがいた。これは、その大賢人が、己の才能に目覚めた少年期から、青年期にいたる成長の過程を描いたもの。魔法使いは、心の底から信頼できる者にしか本名を明かさない。「ハイタカ」の本名は「ゲド」。思春期特有の傲慢さから、彼は、黄泉の世界から「影」を呼び出してしまう。ジャンルとしてはファンタジーものだが、文学的酩酊を伴う傑作。(高橋節子先生)
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魔法の修業を積む孤高の少年ゲドは、同級生の挑発にのり、恐ろしい影を呼び出してしまう。アースシーという他島海を舞台に、影からの逃避行そして追跡が始まる。影を制するには、その名を知らなければならない。その名とは…。
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「自分でまいた種は自分で刈り取る」、自分との戦い。さらりと口に出来るが、実際そういう生き方をしている人は、少ない。迷いながら、矛盾しながらも、最期には勝利を手にする。自分を、追え。
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図書館から借りました
ファンタジー。成長物。魔法物。
強い力を持った少年、ゲドは名高い魔法使いオジオンによって魔法を習えるようになる。
オジオンの推薦で、魔法の学校にいった彼は、しつように突っかかってくる上級生に腹を立て、見返すつもりでとんでもないものを呼びよせてしまう。
そのため、ゲドは大けがを負い、成長するまでその影に怯えることになる。
描写が密で、ときとしてすっ飛ばしたいきもちになる。
地図が目眩しそう。
あんまりにも細かく名前が書き込んであるから。
真の名を重視する世界なので、仕方ないけど。
オジオンとゲドは、萌えそうです。(腐った目を向けてしまう
300ページだけれど、文字も大きい。 二時間半ぐらいで読み終わったはず。(何度か中断したからいまいちトータル不明
傲慢で、自己中だった少年が、痛い思いをして成長していく。
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ずっとずっと、その存在は気にしていたがこれまで手に取ることのなかった本。アメリカで刊行された1968年当時は、きっと現在のハリーポッターのような衝撃を読者は、覚えたのではなかろうか。
最近、小説においても児童書においても現代文学しか読んでいなかったので、数十年前に描かれたこの本を読み始めた当初はなかなかページが進まなかった。しかし、物語に吸い寄せられるうちに少し古くなってしまったその文体にも慣れ、ドンドンと読み進めていった。
光と影の関係は、現在様々な比喩に使われる。どんなにすばらしいものにも闇はあり、ときに人間はそれに脅かされる。たとえば、現在の原発問題がそうだ。安全に使えば低コストで多量の発電ができる便利な道具だが、一度問題が起きるとなかなか収束しない。地球の脅威にもなりかねない。読んでいる最中は、「まるで、ドラゴンボールに出てくるピッコロ大魔王と神様の関係のようだな」と思ってしまった。あるいは、ある魔法使いのエピソードは「山月記」の様でもあると思った。
先述したハリーポッターシリーズも含めて、その他多くのSF物語に影響を与えたであろうこの作品。続きを読むのが楽しみである。
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キャッチーではないし派手なストーリーでもないけど、読みやすいと思う。
主人公のゲドは前半では傲慢な若者として、
後半ではそれを後悔し、その償いをしようとする老成した人間として書かれている。
老成というと暗い言い方かもしれないけど、人生の中の大きな失敗をしたとき、人はその意味を考えずにはいられないだろうし、特にそれが若い時ならそんな感じになるのでは、と思わせた。
ゲドにまじないの手ほどきをした伯母や、最初の師であるオジオン、
無二の親友カラスノエンドウ、ロークの学園の賢者たち(特に守りの長)など魅力的な人物が多く、
大変そうだけどこんなに人間関係に恵まれているなら魔術師の人生も悪くないねw
悪者も、悪者すぎず、人を小馬鹿にするのが趣味だったり、騙すのが好きだったり、生きてると会わずにはいられない卑しい悪者でファンタジーだけど生々しかった。
日常生活の端々で現れる魔法の使われ方が、ただの便利なものとしてではなく世界の理や異世界との触れ合いであることが繰り返し表現されていて、そこはファンタジーらしくて素敵だった。
言葉遣いはそんなに古いとは思わなかったし、読書に慣れていれば10歳くらいから読めそう。
ずっと気になっていたけど、途中で飽きそうだと思って手を付けてなかった。でも全然退屈せずに読めました。続きも読もうとおもいます。
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It is over.ここで、ここでゲドが笑うときに、私の目からは涙がポロリ〜と必ずこぼれるのですよ。初めて、英語版で読んでみました。I am whole, I am free 感動は同じだ。
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金曜ロードショーでのゲド戦記放映を見て、かつ原作既読者の反応がおもしろかったので、原作に手を出してみた。
闇の左手を先に読んでいたので、文章に関しては特に読みづらいとは感じなかったが、文章自体が淡々としていることにあわせ、物語に起伏があるかというと首をひねってしまう展開なので、冒険活劇が好きな方は読みづらかろうと思う。一言でいえば地味である。
求道の物語、なのかな。影の名前は、物語を読むのに慣れている方はすぐにわかると思う。