エンタメと史実の追及の違い
2023/11/19 12:10
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投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
高校生のトリオ、姫之、亜沙日、ナスチャが歴史雑誌の懸賞小説の応募の内容を語り合う。本能寺の変、ヤマトタケル、春日局、弓削道鏡。史実重視の姫之、エンタメ方向の亜沙日、日本のアニメやゲームが大好きなナスチャの三者三様の意見展開が面白い。
最後に雑誌編集者が出てきて、歴史の研究とそれを下敷きにしたエンタメの違いを説明。
ウケを狙うのと史実の追及は違うよというまとめ。
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歴史の謎に対する討論で成される連作短編集。
あらすじから想像したのと違い、ひとりの登場人物による独壇場な要素が強かった。
知識量としては同等レベルを与え、もっとディベード的な面があればよかったと思う。
そしてまた想像以上に、マニアックに過ぎた。苦痛ではなかったが。
3-
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正統派歴史押し、根拠のない異説は認めない派の姫之。
武将、剣豪大好き派の亜沙日。
日本のアニメ、ファンタジー、歴ゲー大好きな交換留学生、ロシア人のアナスタシア。
3人の女子高校生が、歴史の謎について、喧々囂々、意見を戦わせる物語。
彼女たちは『ジパング・ナビ』という、歴史マニアのための雑誌の「歴史の新説」の原稿募集に応募することになるが…
「漂流巌流島」に続く、歴史ミステリー連作短編集。
喫茶店のテーブルにふけを落とすむさくるしい男どもが歴史を語るより、きれいなセーラー服の女子高校生3人が語る方が楽しいに決まっている(笑)
歴史好きといってもタイプが三人三様なのがまた面白い。
最後の方で編集者が語っている、
『史実や資料を事細かに検証してあっても、読者は読んでいるうちに飽きてしまう』
『はっと目を引くようなインパクトがないといけない、上げられる歴史上の人物の名前が地味だと喰いつかない』
みたいな意味の言葉の数々は、実は作者が実際に編集者に言われてるんじゃないかな~
…などと勘繰りながら読むのも面白い。
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鯨統一郎の「邪馬台国はどこですか」に連なる歴史ミステリ。
史実と俗説を並べ謎を謎で無くす。いかに世の中に俗説がまかり通っているかが解る。エンターテイメントと言ってしまえばそれまでだが、自分の知識も俗説が多いと感じた。地味な真実よりも派手な創作を好むのは仕方ないが、調べる事をもっと重視していきたい。
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先月から奈良時代をみっちり勉強している
だから八幡宮神託事件のくだりがよ~く理解できた
何事も勉強ですね
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高校生の歴史愛好家の扇ケ谷姫之と歴女の朝比奈亜沙日と交換留学生で日本史ゲーム・アニメオタクのアナスタシア・ベズグラヤの3人が、歴女向け雑誌の懸賞原稿募集のテーマについて、ああでもないこうでもないとやり合う話だ。突飛な発想も出てくるが、結構まともに歴史資料を駆使して本格的な論じ方をする。おいおい、どこが高校生なんだ!とんでもない奴らだぜ。知らない日本史上の人物がてんこ盛りで、いやはや凄い。勉強になりました。「本能寺の変」「ヤマトタケル」「春日局」「道鏡事件」