雷嫌いの話 みんなのレビュー

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投稿者：あられ　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

作者は、戦前の1938年に直木賞を受賞し、戦争中は満州で暮らし、戦後は日本に戻って文筆活動を再開して、1959年に亡くなった作家。電子書籍がセールになっているので、どういう文章を書く人だろうかと「おためし」で青空文庫に入っている文章を読んでみたら、これが、抱腹絶倒、すこぶるおもしろいです。

この「雷嫌いの話」は小説ではなくエッセイで、筆者の橘外男がいかに雷が嫌いであるか、雷嫌いゆえにどのようなことがあったかを書いた文章。海外との貿易の仕事をしていたときに、仕事そっちのけで世界各国の取引先に「そちらでは雷はよく鳴りますか」と質問しまくっていたり、雷雲の気配を感じるや電車に飛び乗って雷雲から逃れようとしたものの、行く先でさんざんな目にあったり、気象台に問い合わせて雷の少ない土地を調べて家を建てようとしたり。

そういったドタバタが、非常に歯切れのよい軽妙な文章で綴られています。全然知らない作家さんでしたが、ひょんなことで知ることができてよかったです。

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