投稿元:
レビューを見る
『僕が愛したすべての君へ』と同時刊行の作品。
本書『君を愛したひとりの僕へ』から読み始めました。
何とも切ないお話でした。
栞を救うために、並行世界の研究を重ね、あらゆる手立てを試す暦だけど、最終的に暦が見つけた「栞を幸せにできる方法」があまりにも切なく、またその方法にたどり着くまでに要した歳月が途方もなく長くて…。
本書読了後に、並行世界の暦の人生を綴った『僕が愛したすべての君へ』のラストを読んで、本書の世界を生きた暦の人生が報われた気がして、少しだけ心が軽くなりました。
本書だけでも十分読み応えはありますが、同時刊行の2作品を併せて読むことで、物語の世界観がぐっと拡がります。
是非、セットで読むことをオススメします。
投稿元:
レビューを見る
同時刊行の「僕が愛したすべての君へ」の裏にあたるような作品。スタート地点、主な登場人物、マクロな歴史が全て同じで、全く異なる物語を描いている。
2つの物語はそれぞれで完結していますが、始まりと終わりでは繋がっています。どちらから読んでもいいけど、どちらから読むかで印象は変わりそう。
投稿元:
レビューを見る
誰もが意識することなく『並行世界』を揺らぎながら生きている、ということが常識となった世界。
両親が離婚したあと父と暮らす10才の暦は、ある日、愛犬のユノが事故死した世界から、ユノではなく、祖父が死んでしまった世界、自分が父ではなく母と暮らしている世界へとシフトする体験をする。
そのきっかけとなったのは、父の勤める研究所の所長の娘、栞。
二人は、双方の親が再婚を考えていると知り、お互いが兄妹にならず結ばれる世界へシフトしようとするが…
シフトに失敗した栞を救いたい、その事だけを望む暦の人生。
同時刊行の『僕が愛したすべての君へ』を読了した後なので、ほんの小さな一点からかけ離れていった暦の幸福と不幸に、幸福に気づかない不幸に、やりきれない気持ちになった。
けれど…本作を読了して、もう一度『僕が愛した…』に戻ると、その不幸も幸福なのだと…、たぶん、そうでなきゃ、と思う。
どの道を選んだ暦も、深く愛する事、愛される事を知っていた、幸福な人間だった。
こういう設定の物語は、伏線を後で見返してフムフムと考えるのも楽しみの1つ。それを2冊の本で、さらに楽しめる。
投稿元:
レビューを見る
どうりで、伊坂幸太郎の『ガソリン生活』が自宅に無い理由がわかったよ(嘘)。
並行世界の自分の仕業だな。
などと、パラレルワールドの自分も感想を、あれあれ、でも、この本は買ってないかも。
実際、別日に2回手に取りながらも購入を見送り、3回目に購入したわけで。
まぁ、そんな話です(ウソ)。
と言うか、
僕が愛したすべての君へ
から読んでるかもね。
投稿元:
レビューを見る
前作よりも物語に起伏がある分、好みは分かれるかもしれない。私はこっちのほうが好みだなぁ。ただのハッピーエンドじゃないところがいいなあ、と。
2冊でテーマが対になっていて、上手く出来ているなと感じた。(細かいツッコミが入りそうな展開の粗さはあったが)セットで読んで良かったと思う。
投稿元:
レビューを見る
栞が不幸にならない世界の定義。それはもう、ずっと前から分かっていた。「俺と栞が、絶対に出会うことのない世界」
投稿元:
レビューを見る
フォロワーさんが推してたのでなんとなく気になってもう片方と一緒に購入。
「僕が…」→「君を…」の順に読んだので。2冊読んでからの感想は主にこちらで。
“日高”暦のストイックさというか人間の乾きが痛々しくその差に心が痛む。と同時に、「共感するならこちらの暦だ」とも思い知らされた。
仄かで器用に表せなかった恋心は控えめで、その後の「栞を救うため、駆り立てられる執念」が物語の主であり、「自己満足だけの自己犠牲をを嘲る男の悲劇」とでもいうか。
愛する人を不幸にした世界を、なにより自分を許せない“日高”暦のその痛々しさが苦しい。
とことん自らの幸福の希求を放棄した“日高”暦、彼が選びとった「平行世界」が「僕が…」の世界であったのは読者の救いであったろう。故に大団円派はこちらの方を先に読んだ方がいいのではないかと。
「僕が…」よりもSFらしさは増してると思うが、文系脳故あくまで雰囲気で。
2冊を並べてみると、やはり「僕が…」の方が一般的に好まれるのかもしれないと思う。
「僕が…」の幸福に満ちた物語に癒されはしたものの、何かの物足りなさを感じた私には、「君の…」の、悲劇による魂の浄化 が酷く胸に刺さる。カタルシスを求めるのであれば、是非「君の…」から読むことを勧める。
蛇足:ポルノの「カルマの坂」、バンプの「Ever lasting lie」が好きな人には合うかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
僕が愛したすべての君へ と対を成す本。
この世界の暦は離婚した両親の父親についていった。
父の研究室にて現れた白服ワンピのストレートの黒髪。
暦と決して交わってはいけなかった存在の栞。
暦と栞が幸せになるために、一生をかけて暦は研究を続け。
そこに参加する和音。
和音は何も言わずに研究者同士として居続ける。
研究三昧の末、暦と和音は栞を助けるために奔走する。
果たして。
その世界にシフトして、本当に幸せになれたのだろうか?
一抹の不安を残しながら。
交差点の幽霊になってしまった栞は。
暦は。和音は。
微妙にランダムで、ちょっと不安定だけど。
非常に安定してない着地だけど。
これで、ハッピーエンドとなって欲しい。
前作の雛形があるので、続けて読んでみました。
私的にはもう少しハッキリ落とし込んで欲しかったかな?
これではちょっと物足りない。
想像出来うる可能性が多すぎる。
そして、確定要素が少なすぎる。
できれば。
暦視点だけではなく、和音視点も欲しかったかな?
投稿元:
レビューを見る
二冊で1ストーリーの本の悲しい方。自分はこちらを後に読んだが、この順番で良かったなって思ってる。
平行世界の事象によって悲劇が起こる話。あまり報われる話ではないが、もうひとつの方で書かれていた伏線が回収されていく感じは読んでいて気持ちが良かった。
愛する人のために別れを決意する主人公が最後にちょっと救われる。あまり感情移入は出来なかったが、考え方として面白かったポイントはあった。
二冊読んだけど、一冊にまとめてほしかった。(イニシエーションラブ的な感じ) 売り方は面白かったけど、果たしてその売り方を活かせているかと言われたら微妙だった。
投稿元:
レビューを見る
うわああぁなにこれ、結局栞ちゃんを平行世界へ連れていけなかったの?
同時刊行パラレルワールド2冊目。佐藤栞の悲しい出来事を知ってからもう一冊を読むと栞のことが思い出されてしまうので、本書をあとに読んで正解だと思った。ただ最後まで読むと逆に読むのもありだと思ったので、記憶を消してこちらから先に読んでみたい。
栞ちゃんが14歳にして友達づきあいをあまりせず男の子と毎日一緒にいる点は現実感を感じなかった。作者男でしょ。中学生の女の子はそんな単純じゃないよ。いろんなしがらみがあるよ。
悲恋というか、和音の痛ましい表情がすべてを物語っている。
投稿元:
レビューを見る
さぁ、世界を消し去ってしまおう。こんな、愛する人のいない世界なんて。並行世界の隙間で幽霊になってしまった恋人、出会う前の過去にもどるための研究。
ペア本、先にこちらを読んでよかったです。
投稿元:
レビューを見る
僕が愛したすべての君へをの次に読みました。あちらが幸だとするとこちらは不幸な並行世界。
二冊目になるこちらを読んでいくと序盤から何でもなかった箇所が伏線として解消されていくのでスイスイ読むことができ一気に読めてしまいました!
それにしても僕が愛した〜が幸せな物語すぎてこちらの残酷さが際立ち、まさに天と地の差がありすぎて何気ない人生の選択一つでここまで差が出るのかと戦慄しました…
しかしながら物語は最終的に1つに収束するので結局はハッピーエンドなのだと個人的には解釈しましたが、最後の幕間が意味深で自分はうまく捉えられなかったのですが、あれはバッドエンディングだったということなのでしょうか…?あまりそうは考えたくないのですが…
物語的には二冊合わせて読んで文句なしに面白かったです!是非友人に勧めたいですね!
投稿元:
レビューを見る
2作とも読んでの感想。内容に軽く触れますのでご注意。
私は「僕が愛した〜」から読みました。そちらの読後感がいいなぁ。ほっこりだなぁ。だった為に、「君を愛した〜」の哀しさというか儚さというかそこが際立った気がします。記憶を消して反対から読み返したい。
投稿元:
レビューを見る
2冊セットの片方。
並行世界という概念が学問として確立し計測できる世界。主人公は幽霊になってしまった好きな娘を救うため幸せになれる並行世界を探していた。
ライトノベルらしい設定だが並行世界の理論は御都合主義の部分もあるもののよく考えられていると感じた。
もう一作がどうゆう風にリンクするのかが楽しみ。
投稿元:
レビューを見る
こちらから読んだ方が良かったな...。ゲームでいうと栞ルートのお話。栞はメインヒロインというかエアリスだったのか。
「僕が~」を先に読んだからか和音びいきになってしまっていて和音を妥協策にすんな!和音は暦のどこが良いのさ!とイラっとはします。
和音はサイコロを愛せる気質で暦は面を愛する気質だったと言うことなんですかね...。息子亡くした世界の行動もああでしたし。
暦の日常があまり描かれない分、人間味が薄いわりに言うほど狂人とも思えませんでした。14歳までの人生を伸ばして生きてるようなものだから薄いのは当然なんでしょうが「薄い」ところを読みたかったなあとは思います。
時間移動しても出会ってしまうかも、というところで移動後自殺する気かなーやだなーと思ったらもっと平和で気が長い話でした。研究者ってそんなものかしら。
高校中退でコネとはいえ研究員(のちに所長へ)というのが実際やってけるものなのかが疑問なんですがさかなクンみたいな一点特化型ならアリなの?