ファラデーとマクスウェルの生涯
2021/02/02 06:01
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投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
電磁気学の基礎を実験で築いたファラデーと数学で理論づけたマクスウェルの生涯を描いた本。科学史や科学者の人柄についても書かれており伝記物として面白い。
ただ電磁気とは何かといった科学の話は少なく科学史の話が中心ということに注意。
(私は電磁気についての詳しい説明の本だと勘違いして買ったので。ただ私が思っていた内容とは異なっていたが本書の内容が面白かったというのは間違いない)
ファラデーとマクスウェルという二人によって成立した電磁気学の発展過程を分かり易く教示してくれる一冊です!
2020/02/11 15:32
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、電磁気学という分野が生まれた歴史を分かり易く辿っていく科学歴史書です。実は、電磁気学は、ファラデーとマクスウェルという二人の科学者の貢献によって成立した学問分野です。しかし、その歴史を見ると、ファラデーは貧しくて満足な教育を受けられなかったて青年期を過ごし、マクスウェルは大地主の跡取りでケンブリッジ大卒のエリートという身分でした。この社会的に大きく異なった二人の競演が作り出した電磁気学を楽しみながら、理解していける興味深い一冊です!
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電磁気学なくして、相対性理論は生まれなかった! 自然界のすべての力を説明する究極の理論への第一歩、電気と磁気の統一はどのように成し遂げられたのか。
貧しく満足な教育を受けられなかったにもかかわらず、天性の実験センスで科学を切り拓いたファラデー。大地主の跡取りでケンブリッジ大卒のエリート、若くから数学に特別な才能を発揮したマクスウェル。育った環境も、科学へのアプローチも対照的な二人の天才の共演によって、電磁気学が完成されていく過程をたどる。
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もうちょっと、電磁場についての記載があるのかと思ったら、時代背景とか、科学史みたいなんが中心。
そう興味は持てなかった。
ちょっと、読む本間違った。
本としての出来とはまた別。
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原論文や書簡から、電磁誘導を発見した実験家のファラディと数学を駆使して電磁気学を構築した理論家のマクスウェルが考えたことを追う。どちらも天才のファラディとマクスウェルが実験と理論の立場で電磁気学を完成していくことがわかる。
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電磁気学を創設したファラデーとマクスウェルのいわば伝記。
高等教育を受け、微積分や微分方程式を巧みに操ったといういかにも優等生なマクスウェル。
一方で子供の頃から貧乏で製本所で働き、高等教育を受けられなかったファラデーは数学が全く使えず、論文に数式が全く出てこなかったというのには驚かされました。実験の腕と真理を見分ける目を武器に素晴らしい発見を次々としたのは本当に驚きです。
ファラデーは高校物理で出てきますが、こういったバックグラウンドの話が何一つ教科書には描かれないのは、もったいないですね。科学というのは歴史ありきだと思うんですが。。。
ファラデーとマクスウェルには関係ないですが、進化論で有名なダーウィン先輩が、ウェッジウッドの創業一族に属してるというのは驚きでした。金持ちのボンボンだったから、一度も働かずに研究ばかりしていたらしいですよ。羨ましい!
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製本屋に奉公に出るような厳しい境遇ながら、天性の実験センスで数々の成果を出したファラデーと、裕福な家庭に生まれてエリート教育を受けた優等生マクスウェル。対照的な2人の天才により電磁気学が確立されていった過程を興味深く読みました。
2人の主役もすごいけど、どこにも発表せず密かにすごい発見を連発していたキャヴェンディッシュもすごい。
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読んで良かった。
サブタイトルにあるような電場と磁場について学びたくて読みはじめたが、そのための学術本ではなく、ファラデーとマクスウェルを中心とした「科学史」の本であった。
しかし、今まで触れたことのないジャンルだっただけに新鮮な気持ちで読み進めることができ、これから学ぼうとする電磁気学の先人達の経歴や思いを知ることができ、モチベーションが高まった。
マクスウェル方程式ただの数式として捉えるだけでなく、その背景を知ることができたのは、貴重な経験だった。
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ファラデーは製本のために預かった本を読むだけでなく、そこに書かれている記述にもとづいて、自ら実験装置を組み立てるようになり、科学への関心をさらに深めていった。 そうしたファラデーの知的好奇心溢れる姿に感心したダンスというリボーの顧客が、一八一二年、王立研究所で催された当代一の化学者デイヴィーの公開講座の切符をファラデーにくれたのである。これは科学の魅力にすっかりはまっていた若い製本職人にとって、まさに〝プラチナ・チケット〟であった。こうして、ファラデーは胸の 昂りを抑えながら、王立研究所の大講堂に足を踏み入れたのでです。
これに対し、二〇〇〇年にわたって受け入れられていた思想を否定することになる実験を行った一人に、さきほど名前をあげたヘンリー・キャヴェンディッシュがいる。この人物、科学史上、 稀 に見る奇人として知られ、奇人であったが故に、ファラデーそしてマクスウェルと深いかかわりをもつようになります。
キャヴェンディッシュはきわめて内気な性格で、人と口をきくことがほとんどなかったという。王立協会の例会とバンクス邸の集まりに時折、顔を出す以外、人の前に姿をみせることはなく、もっぱらクラパムの邸内の実験室で研究に没頭する毎日を送っていた。隠者の如く世俗に背を向けた、沈黙の科学者でありました。
実際、キャヴェンディッシュ氏は、私の知る限り、数学、化学、実験哲学のすべてに通暁する唯一の人でありました。
無口で社交を嫌い、おどおどした挙動とは裏腹に、キャヴェンディッシュが時代を代表する自然哲学者であることを、人々は彼の論文を通して知っていたのです。
ところが、キャヴェンディッシュは発表にはまったく 無頓着 であった。他人の評価などいっさい求めもせず、気にもしなかった。自己顕示欲など皆無であった。引き籠もりに近いような生活を送りながら、一人、ひたすら科学実験を楽しむだけで満足していたのであろう。そして、たまに気が向くと、実験の一部を論文にまとめ、王立協会で発表していたというわけです。
〝奇人〟が未発表のまま残した電気学の実験ノートをキャヴェンディッシュの死後、半世紀余を経てから発掘するのが、他ならぬマクスウェルになる。発掘したマクスウェルは驚愕の念に打たれる。そこには、クーロンの法則(一七八五年)、オームの法則(一八二八年)、ファラデーが発見した静電誘導(一八三七年)などに相当する歴史上の発見がすでに記述されていたからである。おそらく、マクスウェルはこんなことが有り得るのかと、我が目を疑ったことであろう。
猫を一匹、〝地獄の機械〟と一緒に鋼鉄の箱に閉じ込めておく。地獄の機械とは、放射性物質とガイガー・カウンターとハンマーとビンに詰めた青酸ガスを電気系統で連結させた装置である(ただし、猫がこの装置に触れないようにしておく)。 量子力学に従うと、放射性物質が一時間以内に放射線を出して原子が崩壊するか否かは、確率でしか表せない現象になる。したがって、原子が崩壊したのか、あるいはしなかったのかは、一時間後、箱を開けてみるまでわからない。 もし、崩壊が起きたとすると、放射線を検出したガイガー・カウンターから出る電気信号を受け、ハンマーが打ち下ろされ、ビンが割れて、青酸ガスが箱の中に充満する。そうなれば、猫は即死である。反対に、崩壊が生じなければ、猫は生きている。 したがって、箱の中には、同じ一匹の個体でありながら、死んだ猫と生きている猫が同じ割合で混在していることになる。ところが、箱を開けたとたん、混在していた猫の生死がどちらかに決定されるわけです。