文体のテクニックで読ませる。
2021/11/19 11:57
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
太宰治の筆力が存分に発揮された作品である。ストーリー内容は年頃の女生徒の一日の出来事 気持ちの変化を丹念にバカ丁寧なほど几帳面に描き出している。何よりも読んでいて身悶えしてしまいそうなこの文体が特徴の本である。
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女生徒は多分、銀河鉄道の夜と同じくらい、何度も違う装丁の本で読んだ。
この本は丸善で見つけるまで知らなくて、見つけた瞬間に即買い。太宰で一番すきだ、間違いなく。こういう綺麗な、独特なイラストに飾られた女生徒も、悪くない。
放っておいたら忘れ去られてしまいそうな物語が、こういう形で甦るのはすごく嬉しい。
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不安定な女生徒時代。
もうそんな都市ではなくなったが、
同年代でも共感することはなかっただろう。
感受性が強いのか?
絵の世界が素敵。
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ゾクゾクしていた。
あんまり素晴らしいから。
視覚の効果が大きいと思う。
よくこんな文句のつけられないようなものが出来上がったなって。
が、
原作を知らないまま読んだため、
今から原作読んでも、この絵を知らなかったときには戻れない。
たぶんイメージは先行してしまうだろうなって。
先に読んでおきたいところではあった。
でも文章だけだどまた違う味わいを味わえるのかもしれない。
どちらにしても素晴らしくよくできた一冊だ
と感じたことに変わりない。
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女の子はお砂糖とスパイスと,素敵な何かでできている(マザーグース)。
しかしその成分は,子どもから大人になるにつれて,変容していくものだろう。
しだいに素敵な何かはこぼれていって,醜い何かとなって堆積していることに気づく。
太宰治の『女生徒』。
以前から読みたいと思っていたのと,表紙のイラストが気になって手にとった。
可憐な少女の絵と,描写ごとに変わる文字の色が,女生徒のうつりゆく心情を表しているようで引き込まれた。
それでいて,あまりにもリアルな描写が,少女の私生活をのぞき見たようで,どうも後ろめたく感じる。
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美しい文章に今井キラの繊細な絵がぴったりで、この先ずっと本棚に並べておこうと思った。原作となった有明淑の感性には厭というほど共感を覚えた。文章越しに垣間見える彼女には憧れずにはいられない。
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水かさが増し勢いよく流れる川のような主人公の心の声。
勢いに追われ、猛スピードで読み終えびっくり。
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読み始めた時はつい太宰の顔がちらついて、その文章とのギャップに身悶えなかなか入っていくのが大変だったりしたが、さすがにうまい。この潔癖でつらつらと頭でっかちな感じ、残酷だったり感じやすかったり両極端な感じ、外国に憧れる感じとか、こういう状態だった時の自分を思い出させられて素直に関心した。今井キラさんのイラストが作品を引き立てていて、とても良かった。
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若い頃の1日っていろんなことを考えたし、目まぐるしく考え方や物事の捉え方が一寸の出来事で入れ替わること、それをうまくまとめられないこと、深い理由があるようなないようなモヤモヤした感じを思い出した。こんな濃厚な1日を日々送りたい。
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太宰治の名を伏せたまま、この作品の執筆者を問われれば、十中八九女流作家の名が挙がると思えるほど、ひとりの少女の朝の目覚めから刻々とうつり変わる思いの変化を、繊細で瑞々しい文体で書き連ねてあります。この少女が細々と思い煩うことが違和感なく感じられるのは、太宰治の心理描写が時代を越えて息づいている証しなのかも知れません。昭和14年発表の短編作品に端麗なイラスト挿画による<立東舎・乙女の本棚シリ-ズ>からの一冊です。
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今も昔も思春期の子というのは変わらないのですね。
冒頭から最後に向けて少女が大人になっていくようなそんな感覚がこの一冊に詰まってます。
少女の気持ち何となく自分も10代に感じていた気持ちのような気がして自分に置き換えながら読みました。もっとこの少女の気持ちを知りたい。ご縁があれば元の本読もうと思います。
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太宰治ってこういう乙女な文章も書くのね。ぼんやりしている今井キラさんのイラストはマッチしている。「ロリイタ」って感じ。
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自分しか知らないと思っていた感覚が沢山描かれていて、恥ずかしくなった。今井キラさんのイラストが可愛くてページをめくるのが楽しかった。心に残る一冊。
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イラストが華やかで、ロリィタワールドの様な雰囲気はなかなかいいなと思った。主人公を取り巻く環境、主人公の考えが想像つく。
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もうね……挿絵が可愛すぎて………
いや内容もちゃんと読んだけど、この挿絵が無かったら全部を読む気にはならなかった。次の挿絵を見たくて読み進めていたよ。
思春期の女の子をこれでもかと表現したような作品なのだろうが、いや私はその年頃でも流石にこんなに忙しくコロコロとあっちこっち考え散らかしたことは(少なくともそんな自覚は)無いな…と、どこか呆れた気持ちが入り混じった状態で、語り手とは最後まで距離を置きながら読了。
文章としては、やはり、一番最後の、眠りに落ち、夢の世界に入るシーンが好きだな。あとは、夕暮れの美しい空気に包まれるシーン。次点で、見飽きた帰り道に初めてきた都会の少女ごっこのシーンと、お風呂から見える星空のシーン。