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特大オビの代わりにリバーシブルオビ。既刊のオビなしを持っているのに、オビ付も一通り買った私は、リバーシブルじゃなくなった後に再び買うのでしょうか。はてさて。
新勧の謎解きに始まり、新入生が、と思ったら、退部。しかもなんだかもやもやする。ホータローはマラソン大会を歩き、休み、走りながら考える。果たして、退部の本当の理由は。
それぞれに日常の謎的な謎解きもありながら、最後にそれらの過程がひょいひょいと摘み上げられてゆくのがすごく気持ちよかった。
それにしても、あれこれ食べたくなる、深夜には危険な小説です。(真夜中にクリームとジャムたっぷりでスコーンを食してしまった。)
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文庫版で再読。
奉太郎の心の変化が、良い方に転がっていけば良いなと思える一作だった。
早く新しい古典部の話を読みたい。
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内容(「BOOK」データベースより)
春を迎え高校2年生となった奉太郎たちの“古典部”に新入生・大日向友子が仮入部する。千反田えるたちともすぐに馴染んだ大日向だが、ある日、謎の言葉を残し、入部はしないと告げる。部室での千反田との会話が原因のようだが、奉太郎は納得できない。あいつは他人を傷つけるような性格ではない―。奉太郎は、入部締め切り日に開催されたマラソン大会を走りながら、心変わりの真相を推理する!“古典部”シリーズ第5弾。
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さよなら妖精やボトルネックといった、米澤穂信の他作のように、青春の不安や絶望、劣等感を色濃く描いた作品でした。全体に暗いトーンで話しが進み、良い意味での氷菓シリーズの軽さが少なく、読後の後味も悪く、作者の考えが色濃くでた第5巻でした。最後のお団子やさんのシーン、良かったですね。5月末の気温28℃の昼下がり、日差しは真夏ほどではなく、湿度も低く、心地よい風が吹き抜けている。マラソンコースから外れてお団子屋さんの店先の木製の背もたれのない長いすに腰掛け、女の子と並んで草団子を食べている。えるが目撃したら…しばらく口きいてくれないかもしれませんね。私はてっきり大日向さんの横恋慕だと思い込んでました(^^ゞ
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古典部シリーズ、二年目のスタート、春の物語。
それはちょっとしたボタンの掛け違いからはじまりました。
意外にその底は深く、でも、青い友情であればありそうな。
ちょっと学生のころを思い出しました、とある想いと共に。
- だから、違うと思った。
外からだと見えない(見ない)ことも、
内に踏む込めば、だいぶ見えるようになるのでしょうか。
ふたりの距離の概算も、少しは精度が上がってきたのかも、知れません。
さて二年目の物語は、どのように綴られていくのでしょうか。。
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氷菓から比べると若干テンポが軽くなった気がする。
今回は全体的に憂鬱な空気だった
マラソンの間という限られた時間で回想を含め騒動を展開する構成はさすが。
やっぱり構成とタイトルの緻密さとセンスがとても好きです。
後輩ちゃんがさよなら妖精のマーヤ思い出す感じでした。
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古典部に仮入部していた1年生が本入部直前にやめると言い出し、その原因が部長の千反田にあるらしいが何があったのか、ということを主人公の奉太郎が推理する話です。マラソン大会を走りながら、ここ最近の出来事を思い出したり、後からくる部員に話を聞いたりしながら、推理をしていきます。仲間のすれ違いが話の主題になっていたり、マラソンをしているため基本的に奉太郎一人で話が進んでいくからか、今までの〈古典部〉シリーズよりも少し暗い感じがしました。
暗いばかりではなく、いつも通りのとぼけたやり取りなどもあったし、最初の何章かにも短編的な推理の話があって面白かったです。
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古典部5作目。
新入部員が突然部活をやめる、と言い出した謎を解く話。
表題の「ふたりの距離」が文中に2回でてくるけど、表題となってるせいかもしれないけどそこはかとない違和感を感じた。
話の途中、格言や諺がいくつか登場するけど高校生の一般知識?とちょっと首をかしげる…。
作品としては纏まってるんだけど、多分魅力あたりがいまひとつ。
登場人物たちにとっちゃ重大な謎かもしれないけど、
読み手からしたら発端から解決まで、盛り上がりに欠けるかな?
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古典部シリーズ第5段。今回の日常ミステリも相変わらず面白かった。走りながらあんなに色々と考えられるほうたろーが羨ましい。お姉さんの不思議さも健在。
次回作を楽しみに待ちたいが、いつになることやら。
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ミステリには、問題編ではもやもやとしたものだったのが解決編で一気に晴れ渡るような感覚があります。自分の目には見えてなかったものがすっと見えてくるのはなぜかわかりませんがおもしろいです。
伏線をどれだけ拾って、そこから想像力を広げれるか、僕はそういう才には恵まれていませんから、いつもあぁそうだったのかあって感じですが、ミステリを楽しめるのは逆にそういう人なんでしょうね。
伏線の回収と、文章の起伏がとても上手にできている作品でした。
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古典部シリーズ5作目。
『やらなくてもいいことならやらない。やらなければならないことなら手短に。』のフレーズに最近共感できなくなっている自分あり。
でも、米澤穂信さんの本は面白いので、いつも読みきってしまうな。
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古典部シリーズ第5弾。2年生になっても相変わらず省エネ主義を掲げる奉太郎ですが、今回は自発的に疑問にぶつかっていきます。
えるとの出会いで少しずつ出てきていた奉太郎の変化が大きく描かれた話でした。心情の揺れ動きが高校生らしくて、つい見守りたくなる主人公というのが古典部シリーズの魅力のひとつだと思います。
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同じ米澤作品だと、さよなら妖精、ボトルネックの流れを汲む、青春時代の苦い内面心理描写に基づいた謎解き。
ただ異国情緒やファンタジックな要素が無い分、前例に挙げたものより地味な印象。
マラソン大会の日に問題を解決するという意外性と細かい心理描写が個人的にはたまらない。特にこれまで古典部シリーズを読んできて、4人のキャラクタを十分に把握した段階で読み込むに相応しい内容だと思う。
ところで最初に出てきた「ふたりの距離の概算」って、まさか物理的な距離とは!本当に速度と時間をかけて求めるとはね。
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待ちに待った《古典部》シリーズ第5段、文庫化!!
ということで、さっそく発売日に一気読みしました。
『遠まわりする雛』から、高校2年生になった奉太郎たちの成長を感じられる1冊でした。
特に、えるちゃんをはじめとした、古典部メンバーに対する奉太郎の姿勢は素直になったなぁと思いました。
入部受付での他愛ない会話を聞いたら、私も古典部に入部希望だします。
ところどころの、わかりにくいジョークや突っ込み、言葉遊びが軽快で心地よいです。
いつもどおり、気付かないうちに散りばめられた伏線が、最後に回収されて行くのはさすがでした。
米澤先生の作品の魅力のひとつである、切なさが残るさわやかな読後感は健在です。
1年生の時にクラスメートだった何某くんと奉太郎の間で、なにがあったのか、私、気になります。
いつかのための伏線だったらいいな。
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米澤穂信の古典部シリーズ第5作目の文庫化。「日常の謎」を取り扱ったミステリー小説です。最近アニメ化されたので、このシリーズを本屋で見かける機会が多くなって来ましたね。
今作は「新入部員が部活を突然辞めてしまったのはなぜか?」という謎を解き明かしていくのですが、見所は、ストーリーの進め方。ミステリーなので、やはり関係者から事情を聞いて、それを元に考えて、を繰り返してストーリーが進んでいくのですが、それをマラソン大会と上手く組み合わせているのが面白い! クラスごとに出発時間が分かれているというマラソン大会独特のプログラム設定が生かされていて、後から走ってくる部員に話を聞くために遅く走り、さらに次の部員に出会うまでの時間を推測しながら考えを練り……そうして「ふたりの距離の概算」をしながら、最後に走ってくる新入生に真相を迫ります。途中で挿入される回想シーンでの謎解きがクライマックスの謎解きにちゃんと反映されているのはお決まりですが、そこで期待を裏切らないのが米澤穂信らしさでしょうか。
今はアニメで注目されていますが、そこから米澤穂信のミステリー作品がもっと広く読まれるようになると個人的には嬉しい所。アニメで興味を持ったという方は、次に「さよなら妖精」か「春期限定いちごタルト事件」(どちらも学園モノの「日常の謎」作品)を手に取ると楽しめるかもしれません。と言っても、私自身全てを読んでる訳ではないのですが……頑張ります(^_^;)