これこそ診断医には必須
2018/01/14 01:36
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とろもん - この投稿者のレビュー一覧を見る
発達障害に関して、これほどまでに理路整然とした内容の書籍は今までに出会ったことがない。発達障害が何たるかを知る、また他の類似した症状を呈する別の疾患との明確な区別、おそらく混沌としていたこの範疇の疾患?の詳細が必要十分に呈されおり、少なくとも発達障害を診断できると自負している医師には必ず読んで欲しい本。
知ってるようで知られていない「発達障害」。 本人も、家族も、まわり人々も、そして行政、医療関係者が、実態を正しく捉えて対処していくことが肝要なのだと。
2023/03/24 09:51
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mitu - この投稿者のレビュー一覧を見る
名探偵シャーロック・ホームズ。
映画「風立ちぬ」の堀越二郎。
ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の津崎平匡。
「少し変わったところがあるが、特定の分野におちて驚異的な能力を発揮する天才タイプ」として、アスペルガー症候群の人たちが好意的に取り上げられている。
ここ数年「発達障害」という言葉は、ポピュラーなものになった。
だがその反面、誤解も多い。
裁判で採用された精神鑑定ですら、臨床の専門家の著者などから見ても明らかな誤りであるケースが散見されるという。
少年事件における被告人の刑罰減免のために「発達障害」という病名が濫用されている実態があるのだと。
毎回同じことをし忘れる、目にしても気づかない。
話し出すととまらない、話がとぶ。
ものの置き場所にこだわる。
著者は、昭和大学烏山病院長として、発達障害の人のためのデイケア、リワークプログラムに取り組んでいる。
一筋縄ではいかない状況なかで、トライ&エラーを繰り返し、生活の中で感じる「生きづらさ」への対処、どのように本人の個性を生かした生活をしていくかを検討するのが目標だという。
本人も、家族も、周りの人々も、そして行政、医療関係者が、実態を正しく捉えて対処していくことが肝要なのだと。
知ってるようで知られていない「発達障害」。 本人も、家族も、まわり人々も、そして行政、医療関係者が、実態を正しく捉えて対処していくことが肝要なのだと。
2022/01/20 11:39
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mitu - この投稿者のレビュー一覧を見る
名探偵シャーロック・ホームズ。
映画「風立ちぬ」の堀越二郎。
ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の津崎平匡。
「少し変わったところがあるが、特定の分野におちて驚異的な能力を発揮する天才タイプ」として、アスペルガー症候群の人たちが好意的に取り上げられている。
ここ数年「発達障害」という言葉は、ポピュラーなものになった。
だがその反面、誤解も多い。
裁判で採用された精神鑑定ですら、臨床の専門家の著者などから見ても明らかな誤りであるケースが散見されるという。
少年事件における被告人の刑罰減免のために「発達障害」という病名が濫用されている実態があるのだと。
毎回同じことをし忘れる、目にしても気づかない。
話し出すととまらない、話がとぶ。
ものの置き場所にこだわる。
著者は、昭和大学烏山病院長として、発達障害の人のためのデイケア、リワークプログラムに取り組んでいる。
一筋縄ではいかない状況なかで、トライ&エラーを繰り返し、生活の中で感じる「生きづらさ」への対処、どのように本人の個性を生かした生活をしていくかを検討するのが目標だという。
本人も、家族も、周りの人々も、そして行政、医療関係者が、実態を正しく捉えて対処していくことが肝要なのだと。
投稿元:
レビューを見る
【なぜあの人は「空気が読めない」のか?】『逃げ恥』の津崎、『風立ちぬ』の堀越、そしてあの人はなぜ「他人の気持ちがわからない」のか? 第一人者が症例と対策を講義する。
投稿元:
レビューを見る
マスコミで取り上げられことが増えてすっかり市民権を得た感のある「発達障害」。法改正でこれから大学にもどんどんやって来そうなので自分ごとに感じまずは知識と思って手に取ってみた。本書では「発達障害」とは何なのか、その歴史、正確な定義、分類、診断基準、いくつかの事例について、専門家であり医師である著者が自身の経験も含めて解説してくれています。まず「発達障害」という名称が分かりにくいのだが、どうも当初は”神経”発達障害と呼ばれていたようだ。原因は不明だが脳神経か伝達物質などの脳機能の障害であると見られており、現在は先天的なものと認識されている。自閉症なんかもそうだが、当初考えられていたような親の養育環境などによるものではなく、遺伝性もあることが濃厚のようです。つまり、単なる性格の歪みとかいうレベルじゃなくて(精神)疾患をもたらす障害であり、現在では一部の症状には薬物療法も可能なようです。これは「うつ病」なんかとも通ずる。学術的に発達障害には主に、ASD(自閉症スペクトラム症候群・これにアスペルガー症候群も含まれる)とADHD(注意欠如多動性障害)に分けられるそうで、しっかりと区別できる判断基準があるようですが、精神科医でも大部分は診断が難しいそうです。本書はそう言う意味で、医師や世間への啓蒙書のようになっており、詰め込みすぎでやや専門的な情報が多すぎるような気がした。できるだけ幼児期に親や周囲が気付いてあげて正確な診断のもと対応するのが望ましいし、本人も自覚して対応していれば不幸になりにくいようです。終盤、著者が院長をしている病院における発達障害の成人に対する取組例などが紹介されますが、教育機関とか職場とかで、実際にそのような人を受け入れて上手くやっていくために具体的にどのようなことが必要なのかについては全く読み取れなかった。それはこれからそれぞれが考えて取り組んで行く必要がありそう。
投稿元:
レビューを見る
ADHDとASDについて詳しく書かれており、世の中的に色眼鏡で見る対象となった事件なども書かれていて、関係者以外は知る機会のない内容を知る事はできる。でも事前に治療できたら防げる内容なのかとか、もう少し救われるような記載がいいような気がする。
並行して読んだサイコパス話と違って、治療がある程度効果がある分野ですから。
投稿元:
レビューを見る
具体的な症例が多く紹介され、ときに読んでいるだけでこれは大変だと苦しく感じることもありました。子供も大人も、あれ?と思うことがあったら、専門医と相談をした方が良いと思いました。がまんが足りない、集中していない、口が悪い、と言われつづけているよりは。特に症状を持つ可能性のある子供がそのように大人に叱られているのは気の毒に思いました。
投稿元:
レビューを見る
ASD(自閉症すペクトラム障害)かADHD(注意欠如多動性障害)について記述した一冊。
ごく一部の天才がもてはやされる反面、大抵の人は仕事どころか日常生活にも苦労するような状況で、これと付き合うのは当人も周囲も並大抵ではないことがよくわかった。
投稿元:
レビューを見る
事例を交えた内容は、分かりやすく興味深かったです。
ASDと犯罪の関係が取り沙汰されていますが、生育歴が関係している場合も。
ASDだから、という考え方は安直過ぎ。マスコミ報道に踊らされたくないです。
投稿元:
レビューを見る
最近、NHK等で発達障害関連の番組が多く放送されている
ように思います。書籍も多くでていると思います。
また、内容にもありましたが、やっと最近青少年の犯罪が
なんでも発達障害に関連して報道される風潮も少しは
なくなってきたのではないかと思います。
豊川の事件も佐世保の事件も実は、発達障害ではなかった
のだということがこの本に書かれていました。
誤解がなく、生きずらさが少しでも和らぐ世界になれば
といつも思います。
投稿元:
レビューを見る
大人も含めた発達障害、とくにASDとADHDについて、数多くの様々な症例とともに紹介している。事例は具体的かつ切実なものばかりで、興味を持続したまま読み進めることができる、
ADHDが甘えや怠けではないのだということを、周囲の人ももちろん、本人が理解しておかなくてはならない。
投稿元:
レビューを見る
いささか我田引水気味の論法や主張も散見されるが、臨床経験が多い医師の視点から捉えたASD、ADHDの定義や現状がよく分かった。
もちろん私自身そうであることは言うまでもないが、この本の中で繰り返し紹介されているASD、ADHD患者の持つ特徴を読んで、丸っきり自分のことではないか…! と戦慄する読者は少なからずいるだろう。
個人的には、先天的・後天的な脳器質の明らかな差異は別として、発達障害は陰か陽かバチッとラインを引いて峻別することができるものだとは思っていないし、各々の人格が持っている個性のブレに過ぎないんじゃないかと考えている。
昔のように「あいつは変な奴だ」の一言でつき放し、世間から爪弾きにすることがいいとはもちろん思わないが、「障害、病である」とカテゴライズして、それ相応のスペシャルな扱いが必要なのかと問われれば、そうでしょうとも答えられない。
さも当たり前のことのように、投薬によって症状は治まった、という例がいくつも書かれているが、もちろん当人及び家族等周囲にいる人たちにとって深刻なケースは少なくなく、"治療"によっていくらかでも救われている人も多いという事実は理解するものの、それは本当にベストではないまでもベターな方法と言えるのだろうか?
そういえば、ADHDを提唱した張本人の医学者が、晩年に「ADHDは作られた病だ」と告白したとかいうニュースを読んだ記憶があるのだが、あれはどうなったのだろう?
投稿元:
レビューを見る
題名通り、代表的なASDとADHDについての一般向けの解説本。特に成人の発達障害を専門にされている著者ならではの成人発達障害に対しての解説はわかりやすい。ASDとADHDは合併しやすいが、その鑑別などについてもわかりやすく解説。診断についても常識的。障害が偏見や誤解を生む元となった犯罪についても診断の重要性について説明。現在の成人発達障害の臨床を知るには入門書として良いと思った。
投稿元:
レビューを見る
このところ多忙につき、読感を書いている時間がない。
とりあえず、読みましたということで、読了日と評価のみ記載。
投稿元:
レビューを見る
良くも悪くも、広範囲に発達障害を知れる本。入門書としては良いと思う。
うちがええと思ったんは、「発達障害の今」を反映しているところ。
日本において、発達障害の扱いは結構ぞんざい。精神科医やカウンセラー、個々人の見解に任せられてるところも少なくない。そんな現実を実例織り交ぜて紹介しているところが良かった。