投稿元:
レビューを見る
"料理もまたその手順の一つ一つが科学的に研究されるべきであり、決して成り行きまかせの人生の一コマなどと見なされてはならない。"
冒頭からいきなり暑苦しい。にも関わらず、実際のレシピでは "精いっぱい工夫して、ひたすら巻きあげる"(オムレツ)などアバウトな表現が見られるし、果物をもいでくるところから料理が始まるわんぱくなものもあるし、 "お茶の時間のためのポケットブックス(みんなの大好物)" なんていうお茶目な名前の料理も。
とにかく全体的に突っ込みどころ満載の最高に面白い料理読本。小泉八雲の新たな一面と出会える。
投稿元:
レビューを見る
作家・民俗学者として知られる、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の料理本。ハーンがアメリカで新聞記者をしていた時代、今から134年前に著したクレオール料理指南書の復刻版です。ディナーに登場する料理ひと皿ごとに、どのような種類のお酒を合わせていくべきか、順番まで明確に言及しています。人生と料理とお酒は、本当に奥深いです。
投稿元:
レビューを見る
ラフカディオ・ハーンがニューオーリンズで暮らしていた時期に出版した料理本の再編集版。
四方田犬彦の『ラブレーの子供たち』で触れられていた本!邦訳があったとは。
挿絵などなく、文字がびっしりの昔の料理本。レシピも「台所に立つ人ならわかるよね」というノリがあるので、画像検索しないと正直なかなかピンと来ない。逆に、19世紀の料理再現動画で見たことあるものに再会できたりもした。
ソースやドレッシング、保存食の紹介数がめちゃくちゃ多くて手厚い辺りにハーンの学者魂を感じる。これらのレシピをどんなふうに学んでいったのかは書かれてないけど、訳者が推測するように家庭の主婦や料理番の女性たちから教わったのだとすれば、そこを透明化して更に読者の主婦に説教するような口調なのがウザくはある(当時の料理本はみんなこのノリだから仕方ない)。自分で料理をするような書きぶりだけど、実際ハーンはどのくらいの腕前だったのか。時たま「(美味)」とか「(極上)」とか書いてあるのが可愛い。