人工知能の発達による将来の脅威なる社会革命を説いた書です!
2017/11/23 12:34
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、現代の急速な人工知能の発達によって、近い将来、人間社会がこれまでに経験したこともない、脅威とも言える、社会革命がおこるのではないかと予測しています。アメリカの未来学者カーツワイル氏の言葉を引用して、人類の知性を超越した非生命的な知性が登場して、私たちの知性を超えることによって、想像を絶する社会の大変革が2045年にも来るであろうと説かれています(シンギュラーポイント)。そして、その前段階として2030年にはプレ・シンギュラーが到来するとも説かれています。果たして、現代の資本主義は崩壊してしまうのか。私たち人間はどうなってしまうのか。まさに、近未来の現実を予測する驚愕の書と言えるでしょう。
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AIエンジニア 大学卒年俸30万ドル harvard,MIT,stanford,UCB卒で人工知能専攻は300万ドル
コールドマンサックス 2000年ごろ600人いたトレーダーがいま二人
日銀 実質年間60兆円市中銀行から国債を買い取っている。
クロッシングポイント 日銀の保有する国債残高が政府債務残高に追いつくとき
日銀が市中の国債をすべて買い取ってしまったら、それ以上国債を買い取る形のでの金融緩和は不可能になる
FarmBot Genesis
日本の量子コンピュータ 常温で可能
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・ピケティ
ピケティは、R>Gになることを主張した。
これは、投資家の利益の上昇率が労働者の給与の上昇率を上回ること。今後は、労働者の賃金はむしろ機械に代替されて、減り、資本家の収入がふえる。
→大格差が生まれる。
→このような機会だけで生産する形態を「純粋機械化経済」と呼ぶ
・シニフィエ(言葉の意味そのもの)
言語学者のソシュール
テクノロジーの進化により、シニフィアン(言語を表現する文字や音声)を介さず、シニフィエ(言語の持つ意味そのもの)だけを伝えるようになる。
感覚を伝えることができる。
・モノからの解放
奴隷制度から解放された人編は、次は労働やお金から解放される、。そして、モノからも解放される。生活に必要なものを自分だけでつくれるようになると、モノに個室することもなくなる。
・ビットコインの先
ビットコインが発展すると、お金の高機能化が怒る。
お金を使う人、使う対象、使う状況、タイミングによって、お金の価値が変わるようにする。
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昨年(2017)の後半頃から、人工知能や資本主義の終焉、というキーワードに絞って、本を読んできましたが、人工知能の発展により技術的特異点(シンギュラリティ)を迎える前に、資本主義の終焉が来る可能性があるようですね。
この本の第一部に書かれていた、お金の高機能化(誰に対しても同じ値段で商品を売るのではなく、お金を使う人・使う対象物、使う状況、タイミングによりお金の価値を変える)が、ブロックチェーン技術などにより可能である、ということが可能になる、という内容(p111)はとても印象的でした。
ついにお金も理想的な機能を持つのでしょうか、今から40年程前に、井上ひさし氏が「吉里吉里人」という小説の中で述べられていた概念でした。どうやったら実現できるのだろうと思っていましたが、その解決策が見えてきて良かったでしょうね。
以下は気になったポイントです。
・貨幣市場、財市場、労働市場の3つの相互作用の結果、一国のGDPがどれくらいになるのかを理論的、実証的に分析するのがマクロ経済学である(p14)
・人間が汎用人工知能やロボットに負けない、CMHの3つの領域がある、C:クリエイティビティ、M:マネジメント、H:ホスピタリティ(p17)
・技術進歩が継続しているにもかかわらず、経済成長がゼロとなる定常状態があるとすれば、それは労働者の労働時間を減らすことで実現できるはず(p56)
・日本では、人工知能、IOT(モノのインターネット)、ビックデータが、第四次産業革命を引き起こす3要素と言われている、データをいかに収集するかということが大事(p59)
・ピケティの言っていた、R>G(資本利益率>経済成長率)は、資本家の取り分が労働者の賃金を上回るペースで増えることを意味する(’p68)
・申告納税者の所得税負担率は、年収1億円が最高、それ以上だと減っていく(p75)
・全企業が内部留保を取り崩して従業員の賃金をアップすれば、家計がお金を使うようになりすべての企業が潤うが、実際にそういった行動がどれる企業はまず無い(p78)
・マネタリーベース残高469兆円で、そのうち320兆円を預金準備が占めている(p84)
・国の借金は1071兆円(2017.3)だが、日銀保有の国債は400兆円、年間80兆円の国債を買い取っているので、いずれ国債はゼロになる(p103、108)
・マネタリーベースは形式的には債務だが、実質的には借金ではない、返さなければならないとするならば、世の中から貨幣をなくすことになる、すると市場経済が崩壊して、多くの人々が飢え死にする(p105)
・ベーシックインカムが国民に支給されるようになれば、無理をして働く必要はなくなる、すると労働を通じてお金を得て、収入を比較すること自体もあまり意味をなさなくなる(p118)
・人類の歴史が大きな変化を遂げたのは、1)約一万年前の農耕牧畜の開始、2)都市と国家、社会制度の確立した、1000年前、その後、300、100、30年前に変革店が表れている(p121)
・シンギュラリティに到達する前に、人々の価値観や意が大きく変わってくるということ(p124)
・一時期、「疑似科学」とレッテルを貼られた常温核融合は、凝縮集系核反応、と名称を変えて、世界中の研究機関・企業で研究が進められている(p130)
・次世代スパコンのすごいのは、さらに高度な処理が可能となる、演算速度が速くなることもあるが、より複雑な計算ができるようなること。神経細胞がシナプス結合して構成される神経回路の全体の規模を100倍複雑化するという意味(p132)
・常温核融合のデメリットは無いだろう、燃料は海水中に豊富に含まれるリチウムからつくることができる重水素で高価なものではない、1回燃料を入れると1年間は動き続ける(p136)
・日本では地中10-15メートルの温度は年中一定しているので、この地中熱を冷暖房に利用することで、エネルギー消費を大きく減らすことができる(p139)
・植物工場で野菜を栽培する場合、30センチ程度の高さで栽培棚を積み上げ可能、稲なら1メートル、100メートルなら田んぼを100段積み上げ可能、建物の中なので、雨風・台風の心配なし、促成栽培可能、遺伝子操作を入れると24期作が可能(p141)
・都市に住みたくなる理由として、1)VRにより娯楽の質、娯楽そのものが変わる、2)若者たちが娯楽をあまり求めない(p148)
・都市部から地方への人の流れが変わるかどうかの基準は、VRで飲み会ができるかどうか。(p149)
・現在はVRの世界に入るのに、VRゴーグルやヘッドセット、スマートフォンが必要だが、技術の進化により、人間の脳に直接働きかけるようになる、ブレイン・マシン・インターフェイス(BMI)、人間の脳とコンピュータがつながり、コンピュータがハブとなり、別の人間とつながるようになる(p150、190)
・不労の先にあるのは、不老、これにより人類は2つの意味で解放される、1)不老を望めば年を取らずに生きていけるので、無限の時間を手にして有限の時間から解放される、2)有機体である我々の肉体が、他の素材に置き換えられていく、生命科学の4大神秘(生殖、成長、老化、進化)が科学的にコントロールされる(p158)
・国民一人が生きていくために必要なもの、小型常温核融合総合発電装置、家庭向けの植物工場、個人の生産手段となる3Dプリンタ、がすべて支給されるという、BI(ベーシックインカム)の形になるかもしれない(p172)
・近代以前の自給自足にほぼ近い生活ができるとなると、結局はモノやサービスの取引量であるGDPは理論上ゼロになる。(p178)
・外科手術には医師が必要だが、遺伝子治療では、患者の細胞をとって、遺伝子を解析・編集し、体内に戻すという作業ですむ。1日100人単位でできる治療なので、非常に安くできる(p188)
・BBI(ブレインブレインインターフェース)が実現するとコンピュータを介して人と人がつながる、言語を介さずに個々人の感覚をそのまま共有する、新たなコミュニケーションが登場する(p191)
・人の夢を取り出し、画像化する技術もある、人が夜寝てい���あいだだけに限らず、頭の中で思い描いているイメージは現在はかなり正確に画像化できる(p202)
2018年2月11日作成
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2018.04.15読了
猛烈に面白い!
これからAI時代へと本格的に突入していく。変化する世界に生きて、その様を見届けたい。ワクワクする。
特に井上智洋が見ている未来に興味津々。他の著書も早速購入した。
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スパコン開発者と経済学者の対談集。
人工知能がバラ色の未来を切り開くか、それとも格差社会による恐怖の未来を切り開くかは意見の別れるところだが、それに対して一定の解を導き出そうとする2人に学者としての誠意を感じた。
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シンギュラリタリアンを自称する齋藤元章氏と駒澤大学経済学部准教授の井上氏の対談。
お金のない社会を作りたいとか、3Dプリンターで作れば物の値段がゼロとか、エネルギーのフリーとか、もう、受け売りアイデア感強し。ここまで、人の書いた本の内容を自分の書いた『エクサスケールの衝撃』とすり替えるのは良くないと思う。情報ロンダリングの事例になりそうな本。経済学の専門家の井上氏がブレーキ役になって無くて、齋藤氏の未来妄想爆発なだけで、この手の本を読んだ事がある人には、薄っぺらい内容になってる。人工知能と資本主義の終焉について、その両方から全く深掘りしてないし、ほぼ議論になっていない所が凄い。
そして、この齋藤氏は、国内で世界と戦えるスパコン作ろうとしたり、バイタリティ溢れる人な感じではあるのだが、2017年に国費流用の疑いで逮捕されちゃっている。まあ、ぶっ飛んでる人だけに、一度休憩に入って様々な知識を得てカンバックするのだろうが、この本は面白くない。
最後のブレイン・ブレイン・インターフェースとか、後半の散らかりっぷりは笑えるレベル。
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人工知能の話ではあるのだけど、マクロ経済の話という方が強かった気がしました
確かにタイトルを読めば、「資本主義を終焉」「特異点」などそれを想像させるキーワードがありますね
個人的にはもうちょっと違った話を期待していた感がありましたね
もっと身近な話
こんな事を人工知能使ったらこうなるかも知れないね
そうなったら我々の世界ってこう変わるかも知れないね
そう変わるとするならそれって資本主義の終わりを意味するかも知れないね
生産活動を全部ロボットがやって、ロボットの同士や自らロボットのメンテナンスができるようになったらコストなしだね
生産されたものをゼロ円かそれに近いコストで買えるようになるね
そうしたら資本を持つ事の意味ってあまり無いね、むしろリスクになるかも
というような当たり前でチョイチョイ耳にする話をもう少し進めた?ような話を読みたかったかな
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<目次>
序章現実がSFを超える日は近い
第1部来るべき経済得意店とはなにか
第2部社会的得意点がもたらす人類の未来
P11シンギュラリティポイント2045、プレシンギュラリティ2030
P116洋服のデザインを制作し、データーを無償提供している人がいる
P12125万年前:人類誕生
1万年前:農耕革命
2500年前:枢軸の時代
250年前:産業革命
22年:情報革命
2.5年前:?
3か月前:?
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人間が歴史上はじめて、個々人ではなく人類全体として、何ら孤独を感じることなく、みんなと繋がっている感覚や意識というものが生まれる。そうなると、個人というものの位置づけや価値、意味に加えて、人間の存在そのものが本質的に変化していくでしょう。こうしたことを社会的特異点の最終系と考えられる。
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対談本。前半は井上智洋さんによるマクロ経済視点からのAI論。もともと井上氏目当てにこの本をチョイスしたので、ふむふむと頷きながら読んだ。しかし、後半では一変する。主要な論者が齊藤元章さんにチェンジして、スパコン、AI、医学など分野をまたいだ近未来の技術論、社会論を展開していく。エビデンスもろくろく示さないまま妄想が全開になっていって(自分で妄想と言っている)、ポカンとしながら読了した。新書なりに論述の厳密さは確保していた前半とは隔離が激しく、一冊の本として統一感は皆無だ。しかし、刺激的であることは事実。