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友だちづきあいに疲れる心理
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最初はSNS関連の本として読み始めましたが、途中からそんなことはどうでもよくなりました。ともするとネガティブな響きのある言葉ですが、「対人不安」を一方的な悪者扱いすることなく、その特徴や向き合い方について解説してくれています。必要以上に気疲れしないよう、何事も、過ぎたるは猶及ばざるが如しなんだろうな...と思いました。
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『「対人不安」ってなんだろう?』
著作 榎本博明
ちくまプリマー新書 2018年
この本は心理学の著作を数多く出している榎本さんの人と接することに関して不安を抱いている人向けの本である。
著作名にもある通り、対人不安に関する本である。現代においての人付き合いの特徴やそれに付随する問題点などを書いている。もちろんそこも興味深いが、やはり個人的には「対人不安」に関する部分である第3章からが一番面白いと思う。
個人的にためになった箇所を引用する
対人不安の心理メカニズムを検討したシュレンカーとリアリィは、「自分が人からどのように見られるか」という不安が大人不安の核にあるとみて、対人不安の生起メカニズムについての仮説を提起している。
(中略)
その対人不安生起モデルは、好ましい自己像を示そうという自己提示欲求が強いほど、また自己呈示がうまくいく主観的確率が低いほど、対人不安が強くなる、というものである
そのモデルに従えば、人からよく見られたいという思いが強く、かつ人からよく見られる自信がない人ほど、対人不安が強いということになる。
そして、もう一つ私がためになった箇所を引用する
心理学者のフォーガスは、不安などのネガティブ気分が多くの対人関係の恩恵をもたらすことを実験によって証明している。つまり、ネガティブ気分の人の方が、ポジティブ気分の人よりも、用心深く配慮し、礼儀正しく、丁寧に関わることが示された。
対人不安に関しては現代病とも言えるレベルでほとんどの人が患っているといっても過言ではないと思う。現に著者もこの本の最初の方で、対人不安に関することの講義をすると、日頃、全く関心がない生徒も熱心に聴き入るそうだ。
ほとんど全員が患っているのであれば、今話している相手も心のどこかでは人と話すの不安なんだろうなと思って接すれば、仲間意識も芽生えやすいのではないだろうか。
おそらく重要なことは2つ
1つ目は自分が対人不安を抱えていると思ったら、なるべく集団でいないこと。
2つ目が自分だけと思わずに、相手も多かれ少なかれ似たような気持ちを抱いているのだと考えることだと思う。
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他人にどう見られてるかに興味のない人は失礼な事を言って周りとトラブルを起こす。私のことだなと思ったら、ムカムカしてきた。空気を読むのが得意じゃない人もいて、そういう人だって対人不安はある。日本人全員が空気を読むのが得意なわけではないのに、空気を読むのが得意な人を持ち上げる話ばかり。
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対人不安について、ネガティブなものではないんだなと感じた。対人不安があるからこそ人に配慮できるのであり、ほどほどに対人不安を感じることの大切さを学べた。