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結婚していて夫婦間に諍いがある身としては、様々なケーススタディより、多くのことを学ぶことができた一冊だった。
愛着形成から始まり、ホルモンやライフバランスを経て、現代の家族関係や近い将来の変遷まで考察していて、面白い一冊だった。
内容が夫婦ということもあり、自身の環境と照らし合わせたりしてしまい、「あいつがーっ」と相手に粗を求めてしまう事も多かったが、本書では根本的な問題に対してのアプローチが重要だと書かれていたように思える。
結果が全てではなく、そこに至るまでプロセスにおいて、両者の求めていたものを理解することだ。
それは本人も意識していないこともあるので、難しいが。
さらに、これからの家族社会が大きく変わる可能性を示唆されると、なんとも言えない気持ちになる。
進化と呼べるものなのか、愛は人間には扱うことが難しかったものなのか。保守的な私は、どうしても寂しいきもちになってしまう。
現在営んでいる家族が、家庭内で子どもに理想形を取ることが叶えば、繋がりが希薄な家族関係は発展しないではないかと思うし、それを願っていきたい
終わりに、解説が気持ち良い。正に一家に一冊かと。
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熟年期になると、夫婦やパートナーの存在意義が移り変わっていく、という記述が印象的でした。
パートナーの存在意義は、子供を産むという生物的な縛りがなくなる熟年期に大きく形を変えるそうです。子供や家族にとってどうかという視点から、自分らしい生き方にとってどうかという視点に移り変わっていくという部分が印象的でした。
下記、印象的な記述です。
熟年期には、真に心豊かに過ごせる相手かどうかが改めて問われる。カギを握るのは、精神的な共有がうまくできているかどうか。
特に次の三つの共有が以前にも増して重要になってくる。
1、共感や思いやりという気持ちの共有、2、趣味や楽しみを分かち合う関心の共有、3、人生において何を大事にするかという価値観の共有。
オードリーヘップバーンも、子供を持つことができない年齢になったときに生物学的呪縛から自由になり、本当に自分が求めているものを見つけることができた。それはいつもそばにいて、優しく支えてくれる存在であるパートナー、ロバート。3人目の夫であるロバートと本当の愛を実現することができた。
熟年期には、子供のため、家族のためという生き方から、自分のため、自分の生きる意味を実現する使命のためという生き方にシフトしていく。それに伴ってパートナーの存在意義が大きく変わる。
子育てが落ち着き熟年期になった自分にとって、色々考えさせられる良い本でした。
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以前読んだ単行本が文庫化されたため自分のバイブルとして購入。
夫を愛せない妻たちというサブタイトルが消えました。
全体の構成は変わらず、いろいろなケースの事例を紹介しどのように解決するかどうすればよかったかまで書いてありとても参考になる。
子供の誕生や、介護、他の家族との別離など、大きな環境の変化で2人の関係が変わることがある。
そんな時、すぐにどちらかを加害者にして逃げるとか別れるとかを決めるのではなく、原因を分析し、なんとかしてみようとする。
本書はそのパターンについて細かく解説していて、うまくいかない!という家庭は遠からず当てはまるパターンがあると思う。
後半以降は、ザロメやヘップバーンを例に取り、女性の幸せについて検討している。
無理に普通一般の夫婦の形に固執するのではなく、母系に軸をおき少し夫婦の形を変えて、精神的な縛りから解放されてみるのもアリではないかという考え方で完結。
最後の最後のところは文庫化のための書き下ろしかな。
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型に嵌めると論じやすい。
人にやさしく、自分にもっとやさしく。
自分にとっての幸せがどういうことかを考えることはほんとうに大切。
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夫婦の様々な事例についてケーススタディのような形で展開。少なからずとも自分に当てはまったり、似たケースは誰でもあるのではないかと思う。
わたしは自分の本質を突かれた感じがあり途中泣いた。いつも同じパターンでケンカをする原因をずっと考えていたが、この本を読んで合点がいき糸口が見えた感じがある。
これを実践するのが難しいんだろうけど、知ってると知らないでは思考パターンが変わる気がするので、できれば夫婦で読んでおきたい一冊。途中昼ドラか?というようなケースもあったが(笑)ちょっと小説を読んでいるようでもあり、それも含めて面白い一冊だった。
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愛着の話は、夫婦(男女関係?)を分析するのにすごい分かりやすかった!安定型と不安定型、不安型と回避型。上手くいかない夫婦はだいたいはどちらか(もしくはどちらも)が不安定型で、さらにそれぞれが不安型と回避型だから気持ちが離れていってしまうケースが多い....。でも、カウンセリング受けたり自分たちを見つめ直したりして変化していって関係が修復された夫婦もおる。そもそも従来の「夫婦」という形が現代やそれぞれの人々に合うかは分からんし、それは二人の形を見つけていけば良いものだけど、結局思いやりというか優しさなしではうまくいかんな〜と思った。それは無難な解釈とかではなく、安心できる相手と話したり触れ合ったりすることでオキシトシンが分泌される人間の仕組みゆえ!今や3組に1組が離婚する時代だし、4人に1人が産後うつになる世の中だけど、多分やり方や考え方次第でそれを超える幸福があるんだろうな。でも自己愛を追求するのもそれはそれで人生だから私が決めたこと・私が良いと思うことが正解!思いやりとかむずいけど、相変わらず自分や目の前の大好きな人たちを大切にして生きてこ〜と思える本。
〜引用〜
そもそも怒りという感情を我々がもっているのは、それが有用なものだからだ。怒らないものよりも怒るものの方が生き残れたから、人類に至るまで、怒りの感情が保持され続けているのだ。
怒りには機能的怒り(相手とのコミュニケーションや関係をより深まる方向に促すこともできる)と、非機能的怒り(ばかりが繰り返されることが問題)がある。
非機能的怒り→自己愛的怒り、両価的怒り(アンビバレントで天邪鬼な反応)、傷つけられたことへのとらわれ
そもそも怒りは、我が身や大切な存在を守るためのものだ。
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夫婦の仲違いの原因をタイプ分けして紹介した本。
あーこれちょっとあてはまるな、気をつけよー
とか思いながら興味本位半分、自分ごと半分で読めておもしろかった
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21のケースを具体的に紹介しながら、夫婦間で起こる問題の原因を愛着スタイルやパーソナリティをもとに紐解いていく
これは結婚してから読んだほうが面白いなー
今読んでもあまり共感できないのが残念
まだ結婚してないお気楽な身分からすると"そんな人早く別れればいいのに…"と思ってしまう
カサンドラ症候群とオキシトシン系の影響についてもう少し詳しく勉強したいなと思った
愛情を与えられることだけでなく与えることでもオキシトシン系が活性化するのは興味深い
これまで岡田先生の本を読んできて感じたこととして
病院実習や医者である親を見ていて、
患者に対する「大したことない」「死ぬわけじゃない」という言葉は
時に患者を安心させる言葉にもなりうるけど
"その病気によって患者が困っている"という事実をやんわり否定してしまっているのではないかと思った
それを踏まえると岡田先生の本は病気を厳密に定義づけることはせず、焦点を当てているのはあくまで病気ではなく困っている患者自身であるという点に魅力があるのではないかと思う
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愛は、優しさや寛容さのうえに成り立つ。やさしさや寛容がなくなれば愛も死んでしまう。
オキシトシンがなくなると、イライラが続いて優しさや寛容がなくなる。
優しさの正体はオキシトシン。優しさは与え合うもの。相手を責めても手に入らない。自分から与えようとすると自然と手に入る。
キリギリスにアリの暮らしはできない。そうと気づいたらできるだけ早く見切りをつける。
同じタイプの相手を選ぶのは、砂漠を磁石なしで歩くと、元の場所に戻ることに似ている。足の長さが左右微妙に違っていて、巨大な円を描いてしまうから=自分自身の偏りに起因している。
依存性パーソナリティがDVを引き寄せる。
現実の生活は完璧はあり得ない。妥協しながらほどほどのところで折り合いをつけていくしかない。
セックスは、自分が愛されていることの証明行為になりやすい。不安定な自己愛の人にとって、安心を得るための行為として機能する。
怒りを鎮めるのは攻撃ではなく優しさ。
両価的怒り=相手を求めるがゆえに優しくされないことへの怒り。裏返った愛情。愛しているからこそ憎い。
傷つけられたことへの囚われ=長年我慢していたことが限界を超えると怒りが止まらなくなる。
相手を責めてしまう時は、このままその人を失うことを自分が望んでいるか、自分自身に問いかける。少しだけ素直な気持ち、優しい気持ちになる。意地や勝ち負けにこだわらない。自分からまける勇気を持つ。勝負に負けて人生に勝つ。
夫婦とは基本が過酷なもの。脳の構造上ありえない。
男女の脳は機能が違う。
デート中にきょろきょろして、相手をよく見ないのは、大事な人を守るため周囲に気配りをするため。
厚さに強い人と寒さに強い人が組み合わさったほうが遺伝的にいい。
神経質な人はおおらかな人に、寝つきが悪い人は寝つきが良い人に、組み合わされる。
分かり合えない、と感じるのは、惚れポイントが憎しみポイントと同じだから。
子どもを持った後に、違う遺伝子を探そうとする=男は浮気心で、女性は、この人には耐えられない、という気持ちが芽生えて。
アンジェリーナジョリーとブラビの離婚。
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参考にはなったけど、
・主に幼少期の環境が影響している不安型or回避型の「愛着スタイル」に依った見解しか述べられておらずそのいずれにも当てはまらない場合の対処法などがない
・基本的に女性が被害者であるケースばかりなので女性読者をターゲットに書かれた本なのか?
という点でなかなかの偏りが見られたので、星三点。
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ここにもオキシトシン。
今後の夫婦の在り方まで展開したのはちょっといきなり感があったかな。
ルーサロメとオードリーヘップバーンの部分はちょっと紹介と言うより研究色が強くて重かった。
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夫婦関係がうまくいかなくて縋るように読んだら、ちゃんと自分たちが本の中にいて、冷静に分類されていて、とてもほっとした。
恋愛に苦しんでいる友達の顔もたくさん浮かんだ。
その子たちみんなに読んでほしい。
分類されることで冷静になれる。
いままでこの人は"チャラ男"とか、この子は"ビッチ"とかって言葉で悪として片付けてた人も、人それぞれの特性であり、弱さなんだと思えた。
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途中まで読んだ
夫婦の事例をベースに愛着障害が与える影響やその対応に関する論を展開していくスタイルで、読みやすい