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日本中世の歴史家と辺境を旅するライター。
セレクトはいかにも〜。政府とか国家とかじゃない歴史、民衆とか民族とか伝承とかの文化人類学寄りなヤツら。
だけど、対話は期待したより、ずっとずっと面白い!飽く迄も課題本自体は話のキッカケ。両人の守備範囲が惜しげも無く披露されてる。しかしまあ、世の中には知らないことって一杯あるなあ。
ナウマンゾウはナウマン博士が発見したから…って、知ってます?お雇いドイツ人だったそう。あと、伊達家の「三濁点」とか。
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"聞いたこともないような本、読んだことがない本について、二人の専門家が語る奥深い本になっている。「謎の国家ソマリランド」を書いたノンフィクション作家の高橋秀行さんと歴史家である清水克行さんがお互い本を紹介し、一方はその本を読んだうえでの対談となっているようだ。
中には全8巻ある大書もあるので、この対談への準備は並大抵のものではなかったはず。地政学、歴史、文化、言語など様々な考察があり好奇心をくすぐられる。
テーマとなっている書物は以下
「ゾミア」ジェームズ・C・スコット
「世界史のなかの戦国日本」村井章介
「大旅行記」全八巻 イブン・バットゥータ
「将門記」作者不明
「ギケイキ」町田康
「ピダハン」ダニエル・L・エベレット
「列島創世記」松木武彦
「日本語スタンダードの歴史」野村剛史"
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クレイジージャーニーにも出ていた、アヘンなどちょっとヤバ目のノンフィクションの多い作家、高野秀行さんと歴史家の清水克行さんが、オススメの本を紹介し合いながら語り合うという内容の本。
紹介されている本は専門的であったり、かなりの長編であったりしてなかなか読む機会はなさそうだが、お二人の対談を読むことでなんとなく概要がつかめるのでありがたい。
はじめに出てくる「ゾミア」という本では文明から離れ、辺境に住んでいる人たちが、文明から取り残されているのではなく、文明から意図的に離れたといった説を話されているが、なんか納得できる。
現代でも多数派であるサラリーマンなどの管理される生き方を嫌い、いろいろな生き方を選択する人たち(ノマドワーカーとか)が話題になることがある。そういう人たちも同じように、都市から離れて村なんか作っていくのかも(もうあるかもしれないが)。
あと紹介されていた本では唯一「ギケイキ」を読んだことがあった。平安時代なのに現代語がバンバン出てくるパンクな世界観が面白かったのだが、まさか歴史家からみても史実に忠実だったとは…。またはじめから読み直したい。
辺境と歴史から現在の世界というものを考えられる、良い本でした。
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こんなにものすごく本を読んでいる人たちがいるんだなぁ、と感心する。将門記とか、大旅行記(いわゆる三大陸周遊記)とか、読みたくなったもの。とりあげられている本を実際に読んでみて、同じかそれ以上の楽しさを味わえるかどうかはわからない。これはやっぱり読書合戦として、著者ふたりの掛け合いが面白いというのも、大きくあるだろうしね。楽しかった。
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非常に面白かった。元々高野秀行さんの著書が面白かったので期待していたが、期待以上だった。選ばれている本がどれも興味深そうな面白そうな選書で、それを紹介するお二人の読み込みの深さ、お持ちの知識の広さから、読書会での内容が広がる広がる。結構選ばれている本は分厚く重い(質量も内容も)ハードは選書なのに、これは読まなければ!と思わされてしまう。
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その人がどんな人であるのかは
その人の本棚を眺めてみると良い
ここに紹介されたのは
八冊の「怪書」「驚書」ですが
そこにいたるまでの
お二人の驚異的な「読んできた本」の
歴史と考察が見事に
お二人の丁々発止の対談に
自ずと現れているのが
なんとも興味深い
「世界の辺境とハードボイルド室町時代」
に優るとも劣らずの秀逸本
やっぱり 第三弾を
期待してしまいます
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以前から気になっていた本。この手の本は好きだな。紹介されている本では、「ゾミア」と「ピダハン」を読んでみたい。
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ノンフィクション作家(高野氏)と日本中世史を専門にする歴史家(清水氏)が、課題図書をテーマに好き放題に対談、そのやり取りを本にするという、不思議な趣向の本。課題図書になっているのは、どれも普通に本屋の本棚を眺めていたら辿り着けないようなものばかり。どう考えたって、一冊で5,000円を超える翻訳ものとか、全8巻(しかも一冊あたり3,000円ぐらいする)の大旅行記なんぞ手に取ろうということにはならんだろう。
課題図書は流石に畑違いの科学や医療、国際政治とかにはいかないものの、文明論や歴史、民俗史、言語と人文系の主だったトピックが網羅されていて、文系のどこかにいた人なら楽しめる場所がいくつかあるハズ。
文明のメリットとデメリット、国家という枠に囚われないことによる自由、子どもを子どもとして扱わない民族の一人のヒトの捉え方、将門と頼朝の違い、世界の首都が港に面した街には成立しにくい理由…。もろもろ挙げるとキリがないぐらい、自由闊達に様々な議論がなされていて、読書一つでここまで世界は広がるものなんだなぁと感心させられる。
対談自体も面白いが、それぞれの発言の中にある専門用語や歴史的出来事、歴史上の人物について簡単な注釈が同ページ内についているのも良い。注釈が巻末にまとめてついてると、見にくいし何度か本文と注釈を往復してるうちに嫌になることもあるので、この体裁は読む側としては楽。注釈で触れられている文学者や研究者の代表作がいくつかついでに書かれているのもマル。読書はその本だけで終わるのではなく、関連するほかの本に渡り歩いていくのが面白いので、次に読みたい本のヒントが散りばめられている。
この本を起点に、課題図書になっている本に手を出してみるのも良し。
注釈にある作家の本に行ってみるのも良し。
それこそ、この本の著者の2人の本に渡ってみるのも良し。
後書きにも書かれているが、「ここではないどこか」を追い求める著者二人の対談によって、時間(歴史)と空間(旅もしくは辺境)を見つめ、「今、自分がどこにいるのか」を理解することができる。自分の立ち位置を見定め、次に何を知りたいか、何を知らないのかを探っていくスタート地点になる良書だと思われる。
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いろいろな怪書、驚書を対談で紹介している。「ゾミア」文明から逃げて文字も歴史も捨てた人々「世界史の中の戦国日本」日本の辺境地の海のネットワーク「大旅行記」イブン・バットュータという変なすごいやつ「将門記」土地を奪うのではなく相手方の生産手段と労働力を喪失させる戦い「ギケイキ」武士とヤクザは一体「ピダハン」数もなく左右もなく抽象概念もなく神もない幸せな人々「列島創成期」認知考古学のホントかよ強引じゃねという解釈「日本語スタンダードの歴史」標準語は室町からできたのだし山の手にスタンダード日本語の人々がやってきて住み着いたーどれもこれも今まで信じていたことがひっくり返される本ばかり。
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ノンフィクション作家高野と歴史学者清水の二人による読書会的な内容。トルコ至宝展に行った後、トルコ又はイスラムに関するものに関心が湧き、イブン・バットゥータ目的で読んだ。
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【「ここではない何処か」を時間(歴史)と空間(旅もしくは辺境)という二つの軸で追求していくことは「ここが今どこなのか」を把握するために最も有力な手段なのだ。その体系的な知識と方法論を人は教養と呼ぶのではなかろうか。】(文中より引用)
それぞれ「周辺」と「中世日本史」に惹かれ続ける2名の碩学が、何冊かの本を手がかりに縦横無尽に議論を試みた作品。著者は、前作の『世界の辺境とハードボイルド室町時代』も話題を読んだ高野秀行と清水克行。
まず読書合戦のために選ばれている著作からしてかなりマニアック。そこからさらにマニアックな話を展開していくわけですから、刺さる人にはたまらない内容になっているかと。気軽に、それでいて重厚に楽しむことのできる(前作に引き続いての)奇書でした。
第3弾が出ても読みます☆5つ
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読んでないのに読んだような気になれるズルくてありがたい本。教養と知識で殴られ続ける感じで面白かった。
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日本の歴史学者である清水克行と、辺境などを渡り歩くノンフィクション作家である高野秀行による読書対談。
前作に引き続き、異なる背景を持つ二人による対談は面白い。
そえぞれの知識、体験に裏付けされた着眼点から一冊一冊の本を掘り下げていくため、非常に読みごたえがある。
本書を読む前は全然興味がなかった「大旅行記」「ギケイキ」といった本についてもぜひ読んでみたくなった。
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『「ここではない何処か」を時間(歴史)と空間(旅もしくは辺境)という二つの軸で追及していくことは「ここが今どこなのか」を把握するために最も有力な手段なのだ。その体系的な知識と方法論を人は教養と呼ぶのではないだろうか』
教養とは経験や知識で積み上げたものの【解像度を上げる】こと。素晴らしい知的バトル。これを高校、いやせめて大学生時代にこんな授業を聴いていたら。これこそ一般教養で学ぶべきことなのだ。